デバイスアグノスティック: マーケッターが知っておくべきこと
調査対象者が、スマートフォンで回答できるようにすることが、調査業界の重要な転換点となるのは間違いありません。我々は、この状況に素早く適応し、消費者とインターネットでつながりを持てるようにしなければなりません。しかしこれには、調査対象者がモバイル環境に求める期待に見合うように調査票を再考する必要がある、というリスクが伴います。
デバイスアグノスティックを利用した調査では、対象者に継続的にコンタクトをとることができるので、レスポンスがより自然で、且つ“その瞬間”を捉えた内容になると考えられます。これによって、我々は、なかなか手が届かない対象者ともつながりを持てるようになり、エンゲージメントも向上します。おそらく、さらに重要なのは、今まで踏み込むことのできなかったリサーチの新手法、たとえば動画分析や、スワイプ可能なコンセプト、感情測定などを応用できるようになるということです。
デバイスアグノスティックによって、適切な人に、適切なタイミングでコンタクトをとり、これまでよりも短い、より関連性のあるアンケート調査に回答してもらうことができるようになるので、最終的には営業成果の向上につながります。
次の2つのペーパーには、「デバイスアグノスティックによって、リサーチの方法がどのように変わっていくのか」を研究した結果がまとめられています。
- Why You Need to Transform Now どうして、今、変わる必要があるのか
デバイスアグノスティックへの移行は、「新技術のプラットフォームを使用する」という意味だけではありません。これには、リサーチに対する新しい考え方が求められます。2016年に発表したイプソスの視点(Ipsos Views)の改訂版であるこのペーパーには、従来のアンケート調査を修正適合する方法や、調査票をより短く、より聡明で洗練された内容にすれば、最終的には消費者インサイトの品質向上につながる理由についての考察が掲載されています。 - A Researcher’s Guide リサーチャーの手引き
このレポートには、最新の「リサーチをリサーチする(RoR)」を引き合いに出し、「モバイル環境で行うアンケート調査にかかる時間の長さに関連して、トレードオフとなるものは何か」を探究した調査結果が掲載されています。何をもって、「長すぎる」となるのでしょうか? 単純に、「継続できない・適切ではない」長さというものが存在するのでしょうか?
RoRの調査結果によると、回答の品質が劣化しないようにアンケート調査を行うのであれば、その長さの上限は20分であると言います。この「20分」が妥当な時間になります。