

プレッシャーを感じる:インフレ時代の消費者を理解する
時折、私たちは未曾有の危機からさらなる危機へと進んでいるように感じます。
2022年、私たちは100年に一度の世界的パンデミックから生活費の危機へと移行し、戦火がヨーロッパに戻り、そして気候変動の破壊的影響がますます明白になってきました。
パンデミックの間、私たちはロックダウンやソーシャルディスタンスといった新しい言葉に馴染みました。今、私たちはポリクライシスという、単独では発生し得ない大きな被害をもたらす可能性のある危機が同時に発生する状況に直面しています。
この変化の激しい時代に、私たちは人々の気持ちに寄り添おうとしています。この新しい36か国調査は、人々が自分自身の状況についてどのように感じているかに焦点を当てるとともに、物事がどのように進んでいくかを予測するものです。
インフレ率の上昇という世界的な問題に対して、それぞれの国や地域が異なる背景を持ち、世界全体でひとつのストーリーを構築することは困難です。そこで、インド、フランス、トルコ、アルゼンチン、ブラジル、マレーシアにいる我々のエキスパートに、現在の危機がそれぞれの市場においてどのような特徴を持つかについて描写してもらいました。
このような大きな変化を背景に、私たちは危機的状況にある消費者心理について、行動科学が何を示してくれるのかを考えてみました。パンデミックの後、私たちは、より広いコンテキストに自分自身を置くことを模索しています。イプソスのDisruption Barometerは、現在の状況におけるより広いダイナミクスを示すパノラマを提供します。
本レポートは、ブランドや意思決定者が、人々がこうした世界的な危機をどのように乗り越えようとしているのか、またそれが世界各地でどのように異なるのかを理解する一助となることを目的としています。
主なラーニング
インフレ:世界の最大の懸念事項だが、見通しは国によって異なる
- インフレは数ヶ月のうちに二次的な懸念から中心的な問題にまで高まったが、人々の見通しは国によって大きく異なり、特にヨーロッパはアジアやラテンアメリカに比べて、今後1年間の生活水準の低下を悲観的に考えているようだ。
2023年も価格上昇が続く見込み
- 人々は物価上昇がいつ終わるとも思っておらず、10人に7人以上が2023年には光熱費や買い物代が増えると予想し、来年はインフレ並みかそれ以上の賃上げを期待しているのは12%に過ぎない。2023年には、失業がより大きな役割を果たすと考える人が増えている。
私たちは今、未曾有のポリクライシス時代を迎えている
- 私たちは生活費の危機にさらされているが、これは唯一の危機ではない。ポリクライシス、つまり、単独よりも大きな被害をもたらす危機の相互作用により、人々は常に変化の中にあり、より確かな過去の信念に頼ることはできなくなっている。
副業や 兼業で消費を維持する人もいる
- 消費者の反応は一様ではなく、新しい行動様式は市場によって、また市場内でも異なる。多くの人が買い控えをする一方で、購買力を維持するために副業や兼業を考えている人もいる。