国連世界観光機関とイプソスによる世界初の調査 - 人々は観光による好影響を認識

2019年1月24日、スペイン、マドリッド - 国連世界観光機関(UNWTO)とイプソスが実施した世界初の調査によると、回答者の47%が「観光客が多い都市に住んでいる」と答えています。50%以上は観光が経済と文化交流の促進に良い影響を与えると考えており、49%が観光管理を改善するための対策があるべきだと考えています。観光客数の制限を支持する回答者は12%に止まっています。

世界15カ国、12,000人を対象とし、都市観光に対する人々の認識、観光の影響とマネジメント戦略について理解を深めるためにオンライン調査を実施しました。

UNWTO事務局長であるスラブ・ポロリカシュヴィリ氏は「今日、観光客と住民の両方に有益になるように観光を管理し、地域社会が観光に注目し、観光による恩恵を受けることはこれまで以上に重要になっています。都市のアジェンダと完全に一致した、都市観光のためのロードマップを設定することが急務です」と述べています。

調査対象者の半数近く(47%)が、観光客が多い都市に住んでいると考えています。それでも、結果は国によってかなり異なり、オーストラリアの68%からフランスのわずか33%にまで及びます。

都市への影響として際立っているのは、収入の創出、異文化間交流、新たなレジャー活動です。観光による好影響に対する認識が特に強いアルゼンチン、オーストラリア、韓国、スペイン、スウェーデンです。

観光の目的地となる世界中の都市では、観光需要の増大に対応し、観光客の流れを適切に管理することが目下の優先課題です。また、調査対象者の49%が「観光をより適切に管理するための対策があるべきだ」と感じています。繰り返しになりますが、アルゼンチンの75%から日本のわずか24%まで、結果は国によって大きな振り幅があります。

全調査対象者のうち70%以上がこれらの対策は「インフラと施設の改善」、「観光客と住民の両方のためのアトラクションの創出」に焦点を当てるべきだと考えています。「観光客数の制限を対策に含めるべき」と考えているのは12%、「観光のプロモーションをやめるべき」と考えているのはわずか9%でした。

 

主な調査結果

  • 調査対象者の47%は「観光客の多い街に住んでいる」と回答
  • 様々な国での都市観光に関する複合的な課題は、経済、社会、環境問題が複雑に絡み合っている
  • 好影響面をみると、52%が「観光業が富や収入の創出に影響を与える」と考えている。一方、悪影響面では46%が「混雑しすぎる」と考えている
  • 調査対象者の49%が「観光を管理するための対策があるべきだ」と考えている
  • 調査対象者が最も受け入れている対策:「インフラと施設の改善」(72%)、「住民と観光客の両方に利益をもたらす経験とアトラクションの創出」(71%)、そして「観光による地域社会の利益の確保」(65%)
  • 調査対象者の半数が「地域社会とのコミュニケーションや関与」(50%)および「観光客とのコミュニケーションや関与」(48%)といった対策を重視している。一方、「観光客の数に制限を設けるべきだ」と考えるのは12%、「観光のプロモーションをやめるべきだ」と考えるのは9%のみ

国連世界観光機関(UNWTO)とイプソスによる調査は、2018年12月のイプソスオンラインオムニバス(Global @dvisor)の一部として実施されました(実査期間:2018年12月21日~2019年1月14日)。

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