競合調査とは?目的やメリット、具体的な手法から成功事例まで解説
競合調査とは?

競合調査とは、同じ市場でビジネスを展開する競合他社の製品やサービス、マーケティング戦略、顧客からの評価などを体系的に収集・分析する調査のことです。
単に「他社が何をしているか」を知るだけでなく、「なぜ他社はその戦略をとっているのか」「自社と他社の決定的な違いは何か」を深掘りすることで、自社の競争優位性(コンペティティブ・アドバンテージ)を見出すことを目的としています。新規事業の立ち上げ、既存製品のシェア拡大、海外市場への進出など、あらゆるビジネスフェーズにおいて、戦略的な意思決定の土台となる重要なプロセスです。
競合調査を行うメリット
競合調査を実施することで、以下のような多くのメリットを享受できます。
・市場における自社のポジションを客観視できる
競合と比較することで、市場での自社の強みと弱みが明確になります。独りよがりな戦略を避け、市場の現実に基づいたポジショニングが可能になります。
・新たな市場機会や脅威の発見
競合がまだカバーしきれていない顧客のニーズ(ホワイトスペース)を発見できれば、先行者利益を得るチャンスとなります。逆に、競合の新たな動きをいち早く察知することで、脅威に対する事前対策を講じることも可能です。
・マーケティング戦略の最適化とコスト削減
他社の成功事例や失敗事例を学ぶことで、自社のマーケティング施策の精度を高めることができます。効果の薄い施策を避け、リソースを最適な場所に集中させることで、コストパフォーマンスの向上に繋がります。
競合調査の手法
競合調査を効果的に進めるためには、既存のビジネスフレームワークを活用するのが近道です。代表的な4つの手法を紹介します。
1. 3C分析
「Customer(市場・顧客)」「Competitor(競合)」「Company(自社)」の3つの視点から市場環境を分析する手法です。顧客のニーズを把握し、競合がそれにどう応えているかを分析した上で、自社が取るべき戦略(成功要因)を導き出します。競合調査の最も基礎となるフレームワークです。
2. 4P分析
「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通・チャネル)」「Promotion(販促)」の4つの要素で競合のマーケティング戦略を分解・比較する手法です。競合がどのような商品を、いくらで、どこで、どのように売っているのかを可視化し、自社のマーケティングミックス(マーケティングツールの組み合わせ)を最適化するのに役立ちます。
3. SWOT分析
競合他社および自社を「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4象限で評価します。内部環境(強み・弱み)と外部環境(機会・脅威)を掛け合わせることで、競合にはない独自の価値を提供する戦略や、競合の脅威から自社を守る戦略を立案しやすくなります。
4. ベンチマーキング
業界内外で最も優れた成果を出している企業(ベストプラクティス)を基準(ベンチマーク)として設定し、自社の製品、サービス、プロセスと比較・分析する手法です。目標とすべき水準が明確になり、具体的な業務改善やイノベーションのヒントを得ることができます。
競合調査のステップ
精度の高い競合調査を行うためには、計画的なアプローチが必要です。以下の4つのステップで進めましょう。

1. 調査の目的と課題の明確化
「なぜ競合調査を行うのか」を最初に定義します。新商品の価格設定のためなのか、プロモーション戦略の見直しのためなのか、目的によって調査すべき項目や対象企業が変わります。目的が曖昧なままデータ収集を始めると、無駄な工数が発生してしまいます。
2. 調査対象となる競合企業の選定
直接的な競合(同じ顧客層に同じ価値を提供する企業)だけでなく、間接的な競合(異なるアプローチで同じ顧客の課題を解決する企業)も視野に入れて選定します。通常は、業界トップ企業、急成長している企業、自社と規模が近い企業の3〜5社程度をピックアップするのが効果的です。
3. 情報・データを収集
アンケート調査、インタビュー、ミステリーショッパー(覆面調査)などを通じて、消費者の生の声(一次データ)を集めることが、深いインサイトを得るために重要です。企業のIR情報、プレスリリース、Webサイト、SNSアカウントなどの公開情報(二次データ)を収集することも効果的です。
4. 収集したデータを分析し、戦略に活用
集めたデータを前述のフレームワーク(3C、4Pなど)に当てはめて分析します。収集したデータを、「この結果から自社はどう動くべきか」という具体的なアクションプランに変換することが、競合調査の最終ゴールです。
競合調査を行う上での注意点
競合調査を無駄にしないために、以下の3つの点に注意してください。
1. 手段の目的化を防ぐ
情報を集めること自体が目的になってしまうケースが多々あります。「分厚いレポートを作成して満足する」のではなく、常に「このデータは自社の課題解決にどう役立つか」を問い続ける姿勢が不可欠です。
2. 客観的な視点を保ち、バイアスを排除する
「自社の商品の方が優れているはずだ」という思い込み(確証バイアス)があると、思い込みに沿ったデータばかりを集めてしまい、致命的な判断ミスに繋がります。消費者のリアルな声・定量的なデータに基づき、フラットな視点で競合を評価することが重要です。
3. 一度きりで終わらせず、定期的に実施する
市場環境や消費者のトレンド、競合の戦略は常に変化しています。過去のデータに基づく分析はすぐに鮮度が落ちてしまうため、競合調査は一度きりではなく、定点観測として継続的に実施する仕組みを整えましょう。
イプソスの競合調査と成功事例
競合調査において、公開情報の収集だけでは「消費者の心の中にある競合との差」までは見えません。世界90の市場で展開するイプソスの競合調査のオリジナリティは、単なる企業データの比較にとどまらず、「消費者インサイト(心理的要因)」と「市場環境(外部要因)」を掛け合わせた深い分析力にあります。
北米の食料品小売業者の競合分析事例

調査目的
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックにより、消費者の行動が変化し、スーパーマーケットの利用傾向がディスカウントストアから高品質なプレミアムストアへと移行しました。この市場環境の変化が各ブランドに与える影響を評価し、特に市場リーダーとチャレンジャーの2つの小売業者が、変化する消費者の嗜好にどのように対応し、今後の成長戦略を立てるべきかを理解することを目的として調査が実施されました。
実施した調査
イプソスが開発した「Brand CX Forces」というフレームワークを用いて調査・分析が行われました。この調査では、ブランドの魅力度(Brand Desire)と実際の顧客体験(Customer Experience)との間に存在するギャップを特定します。分析対象として、市場リーダー、チャレンジャー、そして第3位のブランドという3つの主要な競合を設定しました。さらに、IBN(Ipsos Bayes Nets)ドライバー分析という手法も用い、顧客体験を構成する「帰属意識」や「尊厳」といった、より深層的な心理的要因についても分析されました。
調査結果の活用
この調査結果は、各ブランドが取るべき具体的な戦略を明らかにするために活用されました。
チャレンジャーブランドに対しては、自社の強みである「ブランドの約束と顧客体験の一致」を維持・強化するため、顧客体験の各領域(愉悦感、公平性など)への継続的な投資を推奨しました。さらに、従業員の競争力向上やロイヤルティプログラムの改善が、ブランドの魅力を高め、さらなる成長につながるという具体的なアクションプランが示されました。
市場リーダーと第3位のブランドに対しては、「ブランドの約束と顧客体験のギャップ」が顧客離反の大きなリスクとなっているという脅威を指摘し、早急な戦略の見直しが必要であることを示唆しました。
このように、本調査は競合の強み・弱みを発見することで成長機会を特定し、変化する市場環境の中で各ブランドが効果的な戦略を立案・実行するための詳細な分析と具体的な指針を提供しました。
競合調査に最適なイプソスの調査ソリューション「FastFacts」
「競合の最新の動きに対して、消費者がどう反応しているかを今すぐ知りたい」「予算を抑えつつ、信頼できるデータで競合比較を行いたい」。そんなニーズに最適なのが、イプソスのDIY型オンライン調査ソリューション「FastFacts」です。
FastFactsは、イプソスのデジタルプラットフォーム「Ipsos.Digital」上で提供されており、以下のような特長を持っています。
・圧倒的なスピードとコスト効率
アンケートの作成から実査、結果のダッシュボード確認までを、低価格かつシームレスに行うことができます。最短24時間以内で質の高い回答データにアクセスできるため、競合の突発的なキャンペーン展開などにも即座に対応した調査が可能です。
・グローバルな調査ネットワーク
世界60以上の市場で、イプソスが厳格に管理する高品質なオンラインパネルにアクセスできます。海外進出時の現地の競合調査も、日本からスピーディーかつ低コストで実施可能です。
・プロのサポートとDIYの融合
フルセルフサービスのプラットフォームでありながら、必要に応じてイプソスのリサーチャーによるサポート・実査・分析を活用することができます。調査設計に不安がある場合でも、専門家の知見を取り入れながら精度の高い競合調査を実現できます。
詳しくはこちらの資料をご覧ください。
FastFacts/Ipsos.Digitalの詳細資料はこちらから
まとめ:競合調査で自社のポジションを明確化し、ビジネスを成功へと導く
競合調査は、自社の現在地を知り、市場で勝つための戦略を描くための羅針盤です。適切な手法とステップを踏み、客観的なデータに基づいた分析を行うことで、ビジネスの成長を加速させることができます。
そして、競合との真の差別化を図るためには、消費者のリアルな声をスピーディーに捉えることが不可欠です。イプソスの深いインサイト分析力と、迅速かつ柔軟な調査を可能にする「FastFacts」を活用し、変化の激しい市場で勝ち抜くための確かな競合調査を実施してみてはいかがでしょうか。