ファッションウィーク:K-POPがショーを席巻?
Synthesioのソーシャルデータからひも解く、2022年の世界のファッションウィークに関する4つのポイント。
今シーズンはSynthesio のソリューションにより、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ、ドバイの ファッションウィークに関するオンライン上の会話をトラッキングし、分析することができました。9月9日~10月15日の間、世界中の英語での言及を調べ、どのような話題、どの有名人、どんな傾向が目立っていたかを明らかにしました。LinkedIn や Twitter でまだSynthesioをフォローしていない方のために、イベントの最も記憶に残る部分を要約してご紹介します。
K-POPアイドルが中心に
ファッションウィークには毎シーズン、世界中から注目のセレブリティが集まります。それは今年も変わりありません。K-POPアイドルはオンライン上の会話において圧倒的な盛り上がりを見せました。これらのスターは何百もの見出しを飾り、ランウェイ脇の席に姿を現しただけでなく、ランウェイ上でもキャットウォークを披露してくれました。Peter Doのショーでは、韓国のラッパーJenoがNYFWのランウェイデビューを果たし、K-POPアイドルとして初めてNYFWのショーでオープニングを飾ったのです。
パリでは、K-POPのガールズバンド「BLACKPINK」のメンバー(Jisoo、Jennie、Rosé、Lisaの4人)全員が、それぞれラグジュアリーブランドのグローバルアンバサダーとしてのステータスを示しました。ファッションウィークの期間中、実に計10.6kの会話がこのバンドに言及しました。
オンラインでは、K-POPアイドルがファッションウィークに関するソーシャルな会話を席巻し、ニューヨークとミラノの両方でハッシュタグのトップ10に入り、そのほとんどを独占しました。NYFWの期間中、#nyfwdahyun(K-POPバンドTwiceのボーカル、Kim Da-hyunのこと)だけで 100K以上のメンションが集まったそうです。

ロンドンで注目を集めたサステナブルファッション
今シーズンのロンドンファッションウィークは、イギリスのエリザベス女王が亡くなり、国中が喪に服すことになりました。このニュースを受け、最も期待されていたショー(Burberryを含む)がキャンセルされました。トレンド発見エンジン「トピック・モデリング Topic Modeling」を使って、私たちはソーシャル会話の中に新たなシグナルを発見しました。「サステナブルファッション」です(下の紫色の会話クラスタを参照)。
会話を掘り下げると、初期のサステナブルファッションのパイオニアの一人であるデザイナーLucy Tammamが、ロンドンファッションウィークのショーのキャンセルを拒否し、"God Save The Planet "というスローガンを記したトップスを着たモデルを送ったことがわかりました。
ブランドのスポークスマンは、国歌のパロディについて「気候変動に注意を向けるべき時に、王政に膨大な資源とエネルギーが費やされていることへの反応である」と語っています。

オレンジは新たな黒ではない
当社独自の次世代画像解析技術により、ファッションウィークのキャットウォーク写真や動画に隠されたトレンドを特定しました。私たちの「場面認識モデル scene recognition model」は、ショーを取り巻く視覚的なコンテキストを理解し、物体、色、人、動物などを識別する能力を提供します。私たちは、最も流行している色に注目することにしました(私が買いたくてたまらないピンクのセーターが、その価値があるかどうかを最終的に判断するため…)。その結果、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリ、ドバイのキャットウォークでは、黒と白が最も人気があることがわかりました。
さらに会話を掘り下げていくと、どの衣装が最も多くのソーシャルインタラクションを生んだかがわかります。白の場合、今シーズンで最も話題になったのは、コペルニのスプレー式ドレスでした。この写真だけで、30K以上のインタラクションを集めました。また、Synthesio Semantic AIが特定した、パリコレ期間中に最も話題になったセレブは、Bella Hadidであったことも注目に値します。

黒という色に関しては、インドネシアのブランドErigoがニューヨークでショーを行い、その雰囲気を作り出しました。下の動画投稿は425Kのインタラクションを生み出し、Angga Yunanda、Raline Shah、Enzy Storia、Refal Hady、Raffi Ahmad、Anya Geraldineといったインドネシアのセレブが出演しています。

ラグジュアリーブランドにとって、ファッションウィークは依然として重要である
ファッションウィークは、ラグジュアリーブランドにとって、マーケティングの大きな柱の一つです。まず、もともとメディアへの露出度が極めて高いイベントであることです。FHCMによると、2021年のパリでのファッションウィークによるメディアインパクトは2億5000万ユーロにのぼります。今シーズンは、世界のファッションウィークでブランドが独自の勢いをつけ、ブランドアンバサダー(ショーに参加・出演する人)がブランドのパフォーマンスに強い影響を与えることが証明されました。
ファッションウィークは、ブランドイメージの課題でもあります。服のコレクションに会話が集中することは予想されましたが、AIを活用した消費者インテリジェンスプラットフォームの分析によると、人々はブランドネームや着こなしよりも、セレブリティに熱狂する傾向があることが証明されました。今年は3つのブランドが巧みなブランドアンバサダーシップを活用し、スポットライトを浴びることに成功しました。
- ヴェルサーチは、Paris Hiltonのおかげでミラノでのファッションウィーク中に100万以上のインタラクションを生み出した。
- ジバンシィは、ブランドアンバサダーであるBLACKPINKのメンバーにより、パリで130万以上のインタラクションを集めた。
- フェンディは、1990年代に活躍したカナダのトップスーパーモデル、Linda Evangelistaをショーのクロージングに起用し、ニューヨークで強い印象を残した。
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