世界の消費者信頼感、2021年5月以来の最低水準に

世界をリードする6つの先進国の景況感は、1年以上ぶりの低水準に達しました。

イプソス グローバル消費者信頼感インデックスは今月、6月から0.7ポイント低下して46.9となり、2021年5月(46.4)以来の低水準にあります。これは、ウクライナ侵攻前以来上昇を見せず、2月の数値を1.8ポイント下回っています。

グローバル消費者信頼感インデックスは、調査対象国すべての国別指数の平均値です。今月は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームGlobal Advisor online platformで実施された、23カ国の75歳以下の成人17,000人以上を対象とした月例調査を基に作成されています。調査は2022年6月24日~7月8日の間に実施されました。

調査対象国のうち、中国だけが6月から大きく上昇し(+2.0)、ハンガリー(-3.0)、米国(-1.7)、イタリア(-1.5)の3カ国が大きく低下しています。多くの国が前月比の国別指数の下落幅は小幅(国別では少なくとも1.5ポイント)であるものの、インフレ圧力の継続、ウクライナ紛争、および新型コロナウイルスなどの影響により、グローバルの景況感は明らかに低下傾向にあります。その証拠に、全23カ国のうち、14カ国で国別指数のスコアが3カ月前より大幅に低下しています。さらに、米国、日本、ドイツ、英国、フランス、イタリアという世界の6大先進国の消費者信頼感は、それぞれ1年以上ぶりの低水準に達しています。

消費者の購買・投資意欲や経済状況・見通しを示す投資指数は、6カ国で先月から大きく低下しました。また、消費者の将来の経済状況や地域経済、雇用環境についての見通しを示す期待指数は、4カ国で大幅に低下しています。最後に、ハンガリー、スウェーデン、アルゼンチンでは、雇用指数が大きく低下していますが、中国では雇用情勢が大きく上昇しています。

国別指数のトレンド

今月は、サウジアラビアが引き続き国別指数の最高スコアをキープしています。サウジアラビアは4ヶ月連続で過去最高スコアを更新しています。国別指数のスコアが70を超えたのはサウジアラビアと中国だけです。

インド(63.9)、スウェーデン(54.5)、オーストラリア(53.5)、米国(51.7)、カナダ(50.8)、メキシコ(50.2)の6カ国では、国別指数が50ポイント以上となっています。

現在、南アフリカ(38.7)、日本(38.5)、ポーランド(38.5)、アルゼンチン(36.3)、ハンガリー(34.7)、トルコ(27.0)の6カ国が国別指数で40ポイント未満を示しています。トルコは2カ月連続で、本調査の12年の歴史の中で最も低い国別指数のスコアを更新しました。2020年3月にパンデミックが始まって以来、35を超えていません。

パンデミック前の2020年1月と比較して、国別指数のスコアが大きく上昇している国は、サウジアラビア(+7.1)、インド(+4.3)、オーストラリア(+2.9)、韓国(+2.2)、中国(+1.5)のわずか5カ国のみです。一方、パンデミック前より大幅に低下したのは、米国(-10.9)、ハンガリー(-9.7)、ポーランド(-9.1)、トルコ(-7.0)、ドイツ(-5.8)、英国(-5.6)、イスラエル(-4.5)、ベルギー(-4.5)、ブラジル(-4.0)、アルゼンチン(-4.0)、日本(-2.0)、南アフリカ(-1.7)、そしてカナダ(-1.6)の13か国です。

雇用・期待・投資指数のトレンド

調査対象の23カ国中:

  • 消費者の金融・経済・雇用の見通しを示す期待指数は、ハンガリー、韓国、スペイン、サウジアラビアの4カ国で大幅な低下が見られた(少なくとも1.5ポイント)。2ヶ月連続で上昇した国は無かった。  
  • 消費者の購買・投資意欲や 財務状況・見通しを示す投資指数は、ハンガリー、米国、イスラエル、イタリア、韓国、オーストラリアの6カ国で大幅なマイナスとなった。中国は唯一、大幅な上昇を示した。
  • また、雇用指数が前月比で大きく上昇したのは中国だけで、ハンガリー、スウェーデン、アルゼンチンはいずれも大きく低下している。

本調査について

これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) のデータに基づくものです。調査は毎月、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームを使用して世界の17,000人以上(米国、カナダ、イスラエル、トルコ、南アフリカでは18~74歳、その他では16~74歳)を対象に実施されています。
毎月のサンプルは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国(本土)、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国、米国では1,000人以上、アルゼンチン、ベルギー、ハンガリー、インド、イスラエル、メキシコ、ポーランド、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコでは500人以上で構成されています。

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