グローバル消費者信頼感、ゆっくりと上昇
イプソスのグローバル消費者信頼インデックスは42.5で、先月から0.5ポイント上昇しています。この指数は現在、過去最低だった6月を2.5ポイント上回ってい6ますが、それでもパンデミック前の１月より6.1ポイント低く、過去10年間の平均には4.1ポイント足りません。
グローバル消費者信頼感指数(Global Consumer Confidence Index)は、世界24市場の国別指数の平均値です。これは、イプソスのグローバルアドバイザー調査オンラインプラットフォーム上で実施する、75歳未満の17,500人以上を対象とした毎月の調査に基づいています。
今月、国家指数が大きく下がった国(1.5ポイント以上)は、ハンガリー (-1.9) と米国 (-1.6) のみ。この期間に、どちら国でも新型コロナウイルスの症例が急増しました。しかし10月から11月にかけて消費者心理が大きく落ち込んだが7か国(ポーランド、イタリア、フランス、ドイツ、スペイン、ロシア、トルコ)では持ち直しました。
イスラエル (+2.8) 、オーストラリア (+2.6) 、インド (+1.8) の3か国では、国別指数が11月から大きく上昇しています。オーストラリアは3カ月連続で2ポイント以上上昇しています。
日本は38.8ポイントで先月より0.1ポイント上昇でほぼ横ばい、パンデミック以前より1.7ポイント減となっています。
国別指数(National Index) のトレンド
調査対象国の中で、オーストラリアは中国に次いで、パンデミック発生以来の消費者心理の落ち込みをすべて回復した国となりました。
中国の国別指数は、2020年1月を大幅に上回っています(+3.0) 。7月以降、今年1月のスコア69.6と同水準またはそれ以上です。オーストラリアの国別指数は1月より0.5ポイント上回っています。
- 中国 (72.7) 、サウジアラビア (61.1) 、スウェーデン (53.3) 、オーストラリア (51.0) 、米国 (50.5) 、インド (50.2) 、ドイツ (50.1) の7カ国は、国別指数が50ポイントを上回った。先月調査で50ポイントを上回ったのはわずか4ヵ国(中国、スウェーデン、サウジアラビア、米国)であった。この指標を最後に上回ったのは、オーストラリアは2月、インドは5月、ドイツは10月であった。
- 調査対象の24カ国のうち、国別指数が35ポイント以下の国は、トルコ (30.4) 、スペイン (33.2) 、ハンガリー (33.5) 、南アフリカ (34.1) 、アルゼンチン (34.2) 、ポーランド (34.5) 、ロシア (34.8) 。トルコでは3月から、南アフリカとスペインでは4月から、アルゼンチンでは8月からコンスタントに国別指数が弱い。
期待指数、雇用指数、投資指数のトレンド
世界的に見ると、雇用指数は横ばいである一方、投資指数 (+0.6) と期待指数 (+0.8) はともに前月からわずかに上昇しています。
- 雇用の安定と雇用見通しへの信頼を示す雇用指数(グローバルで48.1)は、ほぼすべての国で安定している。先月より大幅に増えた国はイスラエルとオーストラリアの2カ国のみで、減少幅が大きかった国はハンガリーのみ。
- 投資環境を示す投資指数は先月 (36.2) よりやや上昇し、世界全体で36.8となった。オーストラリア、インド、イスラエル、メキシコでは1.5ポイント以上上昇しているが、米国 (-1.7) とハンガリー (-1.6) では大幅に低下している。トルコでは2カ月の下落後の上昇となった。
- 消費者の地域経済、財政状況、雇用に対する展望を反映した期待指数 (53.0) は、先月より世界的に0.8ポイント上昇した。3月以来の最高値を更新したが、それでも1月より4.0ポイント下がっている。オーストラリア、ベルギー、南アフリカ、イギリス、トルコ、イスラエルが大幅に増加した。前月から大幅に減少したのは米国 (-2.0) だけである。
イプソスのインタラクティブポータル Consolidated Economic Indicators では、グローバル消費者信頼感インデックスとサブインデックスに関するグラフ比較、トレンドデータ、それらのベースとなる質問をご参照いただけます。
