世界で最も信頼できる職業は「医師」「科学者」
調査対象である世界28カ国の平均で、医師を信頼できると答えた人は 59%、科学者は 57%、教師は 52%で第 3 位となりました。これまでと同じく、最も信頼できないのは政治家で、政治家を信頼できると考えているのはわずか12%です。次いで、政府閣僚(16%)、広告代理店(18%)となっています。
22カ国の2018年以降の動向に着目すると、医師や科学者に対する信頼度は、パンデミックに牽引された2021年の高スコアと比べると若干低下していますが、パンデミック前まで戻っているに過ぎません。医師への信頼は6ポイント減少し、科学者は4ポイント減少していますが、両者は2018年以降の各年で上位2位を占めています。ここ数年、一般の男女を信頼できると見る割合にはほとんど変化がなく、現在は37%で、これまでのウェーブとほぼ同じです。
医師を信頼できると評価する人が世界で最も多いのはスペイン人で、71%が(1点を最も信頼できる、5点をもっとも信頼できないとした場合の5段階評価で)1点か2点の評価をしています。メキシコ(70%)、オランダ(69%)でも医師は同様の評価を受けています。2021年に最も医師を信頼できると評価したイギリスでは66%と、2021年の72%からやや低下しています。
- 医師への信頼度は、2019年から2021年にかけて大きく上昇した多くの国で大きく低下している。例えば、ハンガリーでは、2019年から2020年にかけて19ポイント上昇した医師への信頼度が、2021年から2022年にかけて21ポイント低下している。同様にポーランドでは、2019年から2021年にかけて12ポイント上昇した信頼度が、2021年から2022年にかけて16ポイント低下(55%から39%へ)している。
- また、イタリア、トルコ、マレーシアでは医師に対する信頼度が11ポイント低下し、米国でも10ポイント低下している。
- 医師を信頼できると考える市民が半数以下なのは、韓国、日本、ハンガリー、ポーランドの4カ国。2021年には韓国1カ国のみであった。
科学者を最も信頼しているのは、中国(71%)、メキシコ(70%)、スペイン(70%)の人々です。一方、最も科学者の信頼度が低いのは日本(37%)で、次いで南アフリカ(44%)、ポーランド人(48%)、韓国人(49%)の順となっています。これまでと同様に、科学者に対する信頼度の数値にはあまり動きがありませんが、2021年との比較では、ポーランド、ハンガリー、イタリア(いずれも13ポイント低下)、米国(9ポイント低下)での信頼度は大きく低下しています。一方、メキシコでは、10ポイント上昇しています。
教師は、4 ウェーブ連続で信頼できる職業第3位であることに変わりはなく、52%が信頼できると評価しています。最も信頼できると評価した国は、中国(66%)、ブラジル(64%)、チリ(63%)で、日本(17%)、韓国(31%)、ポーランド(34%)は最も評価が低いことがわかります。教師への信頼は、科学者や医師に比べて変化が少ないのですが、ポーランドで10ポイント、マレーシアで9ポイント、イタリアで8ポイント低下しています。
例年通り、政治家、政府高官、広告代理店が最も信頼できない職業として目立っています。今年の世界各国平均では、政治家が信頼できると答えたのはわずか12%、政府高官は16%、広告代理店は18%でした。このスコアは昨年とほぼ同じですが、この調査の各ウェーブに参加している22カ国では、広告代理店を信頼できないとする人の割合が6ポイント上昇しています。政治家に対する見方は、ペルー、アルゼンチン、チリで最も低く、10人に8人程度が政治家を信用できないと見ています。
イプソスのリサーチャー、Mike Clemenceはこう語ります。