幸福度は世界中で低下している

イプソスの最新の調査で「自分は幸せだ」と思っている人の割合が長期的に減少傾向にあることが確認されました。

著者

  • Nicolas Boyon Public Affairs, US
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イプソスの実施した調査によると、世界28カ国の調査対象者の64%は「自分は幸せだ」と考えています。しかし、グローバル全体の幸福度は2018年の70%から6ポイント低下しています。2017年3月(61%)と比較すると3ポイント上昇していますが、77%であった2011年12月のからは13ポイント低下していることになります。幸福感が最も広まっているのはオーストラリアとカナダ(いずれも86%が自分のことを「非常に」または「どちらかといえば」幸せだと回答)で、中国とイギリス(いずれも83%)、フランス(80%)がこれに続きます。対照的に、アルゼンチン(34%)、スペイン(46%)、ロシア(47%)では「幸せだ」と回答した人は半数に届きませんでした。

「自分は非常に幸せだ」と回答した人の割合が最も高い国は、カナダ(29%)で、オーストラリア、サウジアラビア、インド(各28%)、イギリスとアメリカ(各27%)がこれに続きます。「全く幸せではない」 と回答した人の割合が最も高いのは、アルゼンチン(19%)、トルコ(14%)、日本(11%)です。

地域的な動向

2018年から2019年の間に幸福度が上昇したと報告されている国は、アメリカ地域で調査対象となった国々のうちカナダ(+5ポイント)とペルー(+4ポイント)のたった2カ国です。2011年から調査が実施されているこの地域の国の中で、現在、当時と同様に幸せが広がっている唯一の国はカナダ(85%)です。この一年間で自分を「非常に」または「どちらかといえば」幸せだと回答した人の割合は、アルゼンチン(-22ポイント)、チリ(-21ポイント)、ブラジル(-12ポイント)で急激に下降し、米国(-3ポイント)でもそれほどではないものの下降しています。

調査対象となった西ヨーロッパ7カ国のうち4カ国は、グローバル平均と同様の傾向を示しています。2019年に自分を「非常に」または「どちらかといえば」幸せだと思っている人の割合は2013年よりも低く、2017年よりも数ポイント高く、2018年よりも低くなっています(ベルギー、スペインで-7ポイント、スウェーデンで-6ポイント、イタリアで-3ポイント)。これとは対照的に、2018年と比較して幸福度がイギリスで4ポイント、フランスで3ポイント、そして何よりもドイツでは10ポイント上昇しました。西ヨーロッパの調査対象国の中で、2019年の幸福度が2011年よりも高いのはイギリスとドイツの2カ国のみです。

調査対象となった中央/東ヨーロッパ諸国の中で、自分を「非常に」または「どちらかといえば」幸せだと考えている人の割合が2013年以降、特にこの一年間に比較的安定しているのは、ポーランド(変化なし)とハンガリー(+2ポイント)の2カ国のみです。ロシアの幸福度は2011年から2018年まで安定していましたが、この一年間で15ポイント下降して47%となり、セルビアでは昨年より21ポイント下降しました。またトルコでは、昨年より7ポイント下降しており、2011年との比較では36ポイントの下降となっています。

この一年間で、幸せだと思う人の割合はオーストラリアで4ポイント、サウジアラビアで2ポイント上昇しましたが、マレーシア(-17ポイント)、南アフリカ(-13ポイント)、日本(-8ポイント)、インド(-6ポイント)、韓国(-3ポイント)、中国(-3ポイント)では下降しました。過去6~8年の間に、インド、南アフリカ、韓国、日本では幸福度が下降しましたが、中国とサウジアラビアでは比較的安定しています。オーストラリアでは現在、2011年レベルの86%まで回復しています。

[幸せ」の要因

「幸せ」の要因となりえる29の項目の中で、世界の調査対象者が最も重要だとしたのは「健康」(55%)です。次いで「子ども」(48%)、「配偶者やパートナーとの関係」(48%)、「人生に意味を感じること」(47%)、「身の安全と安心」(45%)の順となっています。グローバルで最も重要な幸せの要因は、ほとんどすべての国で最も重要な幸せの要因トップ10に入っています。

世界で6~10位にランクされている幸せの要因の中には、特定の国では非常に重要とされ、上位3位に入るものもあります。

  • 「生活を自分でコントロールしている感覚」―オーストラリア、カナダ、英国、南アフリカ、米国
  • 「自分の生活環境」―チリ
  • 「 有意義な仕事を持つこと/雇用 」―ブラジル、中国、マレーシア、ペルー
  • 「 より多くのお金を持っていること」―中国、フランス、イタリア、韓国
  • 「自分の個人的な財政状況」―フランス、イタリア、日本

世界で11~20位にランクされている幸せの要因の中には、 1~2カ国で上位4位に入るものもあります。

  • 「自分の自由時間の量」―日本
  • 「自国の安定」―アルゼンチン
  • 「 一緒にいる人を見つける」―ドイツ、ロシア

ラテンアメリカの人々は、自分たちの生活の方向性、自国の安定(トルコも同様)、経済状態への満足感を特に強調する傾向があります。

「自分の宗教的、精神的な安定」は世界の調査対象者のランキングの中で最も低い9つの項目の中にランクされていますが、マレーシアとサウジアラビアではトップ5に入っています。またブラジルと南アフリカでは、調査対象者の50%以上が言及しています。この調査で提示された29の項目の中で、グローバルで最も支持されなかった幸せの要因ワースト3は「ソーシャルメディアで過ごす時間」(11%)、「他国への移住」(17%)、「モノの所有」(21%)です。

幸福度と消費者信頼感

幸福度は消費者信頼度と高い相関があります。幸福度はイプソスの消費者信頼感インデックス(Consumer Confidence Index)で毎月測定して追跡しています。概して、幸福度が高いほど消費者信頼感も高くなっています。唯一の顕著な例外は、消費者信頼感が弱いにもかかわらず幸福度が高いフランスと、幸福度は高いものの非常に強い消費者信頼には釣り合わない中国とインドです。

これらは、2019年5月24日~6月7日、イプソスグローバルアドバイザー調査のオンラインプラットフォームを通じて28カ国で実施した調査の結果です。
サンプルは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国(本土)、フランス、ドイツ、英国、イタリア、日本、メキシコ、スペイン、米国では1000人以上、アルゼンチン、ベルギー、チリ、コロンビア、ハンガリー、インド、マレーシア、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコでは500人以上です。
アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、イタリア、日本、ポーランド、韓国、スペイン、スウェーデン、米国では、オンライン調査で75歳未満の一般成人人口の代表性のある調査を実施することができます。ブラジル、チリ、中国(本土)、コロンビア、インド、マレーシア、メキシコ、ペルー、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、トルコのオンラインサンプルは、一般人口よりも都市部に多く、より教育を受け、そして/またはより裕福であるため、結果はより「接続性のある人々」の意見を反映していると考えられます。

著者

  • Nicolas Boyon Public Affairs, US

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