2024年10月: アジアとラテンアメリカで消費者信頼感が上昇
イプソスの世界消費者信頼感指数は先月から変わらず49.1です。指数は7か月連続で全体的に安定していることを示しています。
しかし、測定対象となった29カ国のうち、7カ国では消費者心理が大幅に改善し、8カ国では顕著な低下が見られました。
2010年3月以降に追跡してきた「レガシー20カ国」のみに基づくと、指数は46.9となり、9月から0.5ポイント低下しています。
今月、大幅な上昇を示したサブ指数は雇用指数のみです。現状指数、期待指数、投資指数はいずれもほとんど動きがありません。
アジアでは、信頼感は概ね上昇しています。マレーシア(+7.0ポイント)、タイ(+4.7ポイント)、インド(+4.3ポイント)はいずれも今月大幅な上昇を示しています。
消費者信頼感はラテンアメリカでも上昇しています。コロンビア(+3.6ポイント)、チリ(+2.4ポイント)、ブラジル(+2.1ポイント)はいずれも今月大幅に上昇しました。
対照的に、ヨーロッパでは信頼感が大きく低下しています。オランダ(-5.3ポイント)、ドイツ(-4.6ポイント)、フランス(-3.9ポイント)、英国(-3.4ポイント)はいずれも今月大幅に下落しています。
世界消費者信頼感指数は、調査対象となったすべての国の全体指数または「国別」指数の平均です。今月の調査は、イプソスのオンラインプラットフォーム「グローバルアドバイザー」で実施された、29カ国の75歳未満の21,000人以上を対象とした月次調査に基づいています。この調査は、2024年9月20日から10月4日まで実施されました。
29カ国の消費者心理
29カ国の中で、インド(66.3)が現在最高の国別指数を保持しています。インドとインドネシア(62.1)のみが、国別指数が60以上となっています。
現在、次の10カ国でも国別指数が50ポイントを超えており、シンガポール(58.3)、マレーシア(58.2)、タイ(56.8)、米国(55.6)、スウェーデン(55.4)、メキシコ(53.8)、ブラジル(53.4)、オランダ(52.1)、南アフリカ(51.4)、英国(50.7)となっています。
対照的に、国別指数が40ポイントを下回っているのは、日本(39.3)、ハンガリー(35.3)、トルコ(33.0)のわずか3カ国です。
12か月前と比較すると、消費者心理が大幅に低下しているのはわずか3カ国です。対照的に、2023年10月から大幅に上昇しているのは13カ国で、最も顕著なのはマレーシア(+12.1)です。
トレンド
イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象となった全29カ国に基づく)は現在49.1で、9月から変化はありません。2010年3月以降に追跡している「レガシー20カ国」のみに基づくと、46.9となります。
消費者の経済情勢に対する認識や、現在の購買、雇用、投資に対する信頼を反映する現状サブ指数は、変化なく40.0のままです。9カ国では現状サブ指数が前月比で大幅に上昇(少なくとも2ポイント)し、9カ国では大幅に下落しています。
投資環境に対する消費者の認識を示す投資サブ指数はわずか0.3ポイント低下し、現在は42.0となっています。今月、投資サブ指数が大幅に上昇した国は合計7カ国で、大幅に下落した国は10カ国となっています。
将来の経済状況に関する消費者の期待を示す期待サブ指数は、ほぼ横ばい(-0.2ポイント)で57.5となっています。期待サブ指数が大幅に上昇したのは5カ国のみで、大幅に下落したのは6カ国です。
雇用の安定性と雇用市場に関する認識を反映する雇用サブ指数は、今月大きな変化(+0.8ポイント)を示した唯一のサブ指数であり、現在は58.3となっています。9カ国で雇用サブ指数が大幅に上昇した一方、オランダ(-3.9ポイント)は唯一大幅な下落を示した国となりました。
注目すべきは、オランダが4つのサブ指数すべてで大幅な低下(少なくとも2ポイント)を示した唯一の国であるということです。対照的に、マレーシアとタイはいずれも4つのサブ指数すべてで前月比大幅な上昇を示しています。