イラン紛争に対する最新調査
武力紛争に対する懸念は、地理的な近接性と連動する傾向があります。戦争の現場に近い人々ほど、より強い不安を抱くものです。これらはヨーロッパでも見られ、ウクライナに最も近い国々ほど、同国で起きている事態に対して一貫して強い懸念を示しています。
しかし、今回の戦争は異なる可能性があります。主な影響は、死傷者数や人道上の懸念、あるいは軍事的なエスカレーションによって引き起こされるものではないかもしれません。その代わりに、経済や人々の日常生活への影響を通じて現れる可能性があります。たとえ紛争から遠く離れていても、こうした経済的影響が日常生活に及ぶようになれば、人々は紛争に巻き込まれることになるでしょう。
ある意味では、このパターンは新型コロナウイルスの状況に似ています。あの危機は当初、健康問題として始まりましたが、経済と日常生活の両方を混乱させたことで、すぐに人々が身をもって体験する事態へと変化しました。今回の紛争も、その影響が家計や消費者の行動に波及するにつれ、同様の道をたどる可能性があります。
ここでは、世界各国におけるイプソスの最新調査結果をご紹介します。これが、現在の世論の動向、そして今後どのような方向に向かう可能性があるかについて、有益な指針となることを願っています。
各国の状況は……
🇺🇸 米国 🇬🇧 英国 🇫🇷 フランス 🇨🇦 カナダ 🇳🇱 オランダ
🇺🇸 米国:イランに対する米軍の軍事行動は依然として不人気で、53%が個人的な経済的悪影響を懸念
3月13日から15日にかけて実施されたイプソスの世論調査によると、アメリカ国民はイランに対する米国の軍事攻撃に否定的な見方をしており、攻撃への不支持が支持を大幅に上回っています。米国の軍事介入に対するアメリカ人の懸念は、米軍兵士の命の危険から、紛争が個人の家計に与える影響まで多岐にわたります。全体として、58%がイラン軍事攻撃に反対しており、賛成は38%にとどまりました。この否定的な世論の傾向は、過去のイプソスおよびロイター/イプソスの調査結果とおおむね一致しています。
🇬🇧 英国:燃料・エネルギー価格への影響を8割以上が懸念、英米間の「特別な関係」への信頼は低下
英国では、米国・イスラエルとイランの紛争が英国経済に与える影響について83%が懸念を示し、特に燃料・エネルギー価格への影響については84%(うち49%が「非常に懸念している」)が不安を感じています。 これは、2025年6月のイスラエル・イラン紛争の経済的影響に対する懸念をわずかに上回っており、2022年のウクライナ紛争開始時の懸念度と同水準です。

🇫🇷 フランス:紛争開始以降のフランスの対応に、わずかながら過半数が賛成
イプソスBVAとそのパートナーであるCESI工科大学が実施した最新調査「フランス人とイラン紛争」の結果を発表しました。イラン紛争に直面し、フランス人の過半数はインフレの加速(88%)と燃料価格の高騰(86%)を懸念しています。紛争開始以来のフランスの行動については、フランス人のわずかな過半数(53%)が支持していますが、空母シャルル・ド・ゴールの派遣については、世論は二分されています。49%が支持する一方、50%が反対しています。また、この調査では、79%が紛争が中東を越えて拡大することを懸念していると回答しています。

🇨🇦 カナダ:10人中6人が米国によるイランへの軍事攻撃に反対
Global Newsの依頼によるイプソスの世論調査によると、カナダ人の61%が米国によるイランへの軍事行動に反対しており、そのうち42%が強く反対しています。賛成は4人に1人(23%)にとどまり(強く賛成8%/やや賛成15%)、16%はどちらとも判断できないとしています。カナダが戦争に巻き込まれる可能性への懸念は高く、66%がカナダがこの戦争に巻き込まれ、兵士の命が危険にさらされることを恐れています。特に注目すべきは、イランでの戦争が数ヶ月で終わると思う人はわずか32%にとどまり、それに対して反対する人が41%と多く、28%がどちらとも判断できないと答えています。

🇳🇱 オランダ:全体としてイランへの攻撃に批判的
オランダの世論は、米国とイスラエルによるイランへの攻撃に対して批判的である傾向があります。39%が攻撃を「悪いこと」だと考えており、肯定的に見ているのは21%です。かなりの割合が中立(25%)または判断を保留(15%)しています。政治的志向立場も影響しており、右派保守政党(特にSGP、JA21、PVV)の有権者では攻撃への支持率が高く、一方、左派・進歩的政党(GL-PvdA、PvdD、SP、D66)の有権者は攻撃に反対する傾向が強くなっています。
