データで読み解く日本の世論と政治ー2026年2月
日本では、インフレ対策が引き続き最優先課題であり、経済成長や中国に関する外交的取り組みにも高い関心が寄せられています。憲法改正やスパイ防止法の制定をめぐる議論も活発です。現政権のもとで大きな変化が起こることに対しては懐疑的な見方がある一方で、段階的な進展に期待を寄せる声も一部に見られます。
少子化と高齢化が進む日本において、経済成長との両立は大きな課題であり、特に労働力不足が深刻な懸念として挙げられています。しかしながら、デジタルトランスフォーメーション(DX)やAIが有効な解決策となる可能性に対しては慎重ながらも前向きな見方があり、戦略的な移民政策やジェンダー平等の推進とともに、今後の鍵となることが期待されています。
国は正しい方向に進んでいるのか?
「国が正しい方向に進んでいる」という認識は44%から41%へとわずかに減少しました。前年同月比では+17%と大幅に改善しています。
国際的には、41%が「自国が正しい方向に進んでいる」と答えています。最下位はフランスで、前月と変わらず「正しい方向に進んでいる」と回答した国民はわずか10%です。
日本での懸念事項
日本ではインフレと貧困と社会的不平等(それぞれ32%)が最重要課題であり、次いで28%が課税を挙げています。インフレは前月比-2%、貧困と社会的不平等が+2%です。
国際的には、犯罪や暴力への懸念(33%)がトップで、次いで29%の回答者がインフレを挙げています。
日本の経済状況
日本の経済状況を良いと考える人は19%で、前月と比較すると1%上昇しています。また、前年と比較すると+7%と高い水準です。
株高の持続や底堅い決算、春闘の賃上げ期待に加え、エネルギー負担の一服やインバウンド回復が心理を下支えした可能性があります。しかしながら、この流れが定着するかは、物価の落ち着きと賃上げの裾野拡大次第になりそうです。
世界の動向
2026年2月の調査では、最重要課題は犯罪・暴力(33%)で、経済を「良好」とみる層は41%(2025年10月比+4pt)に広がる一方、インフレ懸念は29%、軍事衝突を問題視する声は13%(前年同時期比+4pt)とされています。チリでは、移民管理を問題視する人が31%で、2023年11月以降で最も低い水準にとどまったもようです。
詳細は 世界が懸念していること – 2026年2月をご覧ください。
著者

イプソス日本 代表取締役
内田 俊一(うちだ しゅんいち)
1985年ニューヨーク州立大卒業後、日本の商社、欧州のメーカーを経て、1993 年現イプソス株式会社の前身日本統計調査株式会社入社。2008年同社代表取締役就任。2017年より一般社団法人 日本マーケティング・リサーチ協会 会長。