2023 年にレピュテーションを高める:コーポレートレピュテーションと事業効率の関連性
レピュテーションは業界を動かす車輪の潤滑油です。レピュテーションの構築は、各ステークホルダーグループとの関係をより円滑なものにします。規制当局はあなたのビジネスに干渉しにくくなり、パートナーは良い条件を出しやすくなり、メディアはあなたの言い分に耳を傾け、消費者は広告を信じて行動しやすくなります。
我々の調査は、コーポレートレピュテーションと事業効率の関係について、確固たる実証を示しています。信頼の構築は、企業が危機に瀕した際、自社の戦略を伝え、製品を効率的にマーケティングし、ステークホルダーを支持者へと変える上で、企業に優位性をもたらすことが出来るのです。
世界的にみると、人々は「とりあえず企業を信じる」というのが一般的なようです (「確実に」21%、「おそらく」 49%)。これは全体的な信頼と密接に結びついています。ある企業を非常に信頼している人の 51% は、問題が起こった際には確実に、ひとまずその企業を信じると回答しています。企業に対して中立的な立場の人々の間では、その割合はわずか 10% にまで減少します。
信頼は広告や製品の使用にも多大な影響を与えます。企業を信頼する人は、そもそも広告を見る可能性が高く、広告が印象に残やすくなり、広告を信じる可能性が高くなります。たとえば、企業を「非常に信頼している」人のうち、94% が目にした広告を信じる可能性が高いのに対し、「少し信頼していない」人は 48%、「非常に信頼していない」人は 32%となっています。
マーケティング効率指標の作成
企業は、成功のベンチマークとしてマーケティング効率(企業レベルでは総売上高に対する広告費の比率として定義される)を構築しようとします。我々の研究では、信頼とマーケティング効率の間には強い関連性があることを総合的なレベルで示してきました。この経験をもとに、個人レベルでこの関係を再現し、業界や市場を超えた分析を容易にするマーケティング効率指数を作成しました。
コーポレートコミュニケーターにとって、信頼されることの価値は明らかです。マーケティング効率と消費者エンゲージメントの向上によるメリット、そして厚い信用を育むことの価値は、信頼を育むのに役立つ行動やメッセージングに時間、資金、リソースを投資する強力なビジネスケースを示しています。
5 つの重要なポイント
- コーポレートレピュテーションはビジネス効率に大きく影響する。強力なレピュテーションは、企業の目標達成に貢献する重要なステークホルダーとのより良い関係を培う。
- 信頼は業界や地域を問わずマーケティング効率を高める。消費者は信頼する企業の広告に関心を持ち、それに基づいて行動する傾向が高くなる。信頼は、企業の製品やサービスに対する購入者の感情や、プレミア価格を支払う意欲にもプラスの影響を及ぼす。
- 信頼の構築は、企業が予期せぬ困難に直面したときにより良い結果をもたらすとともに、業績を向上させるために使用できるエクイティの蓄えを築く。
- 良いレピュテーションを持つことで、危機に際しても企業の声は確実に届き、ひとまず信用される。この点では信頼がセーフティネットとして重要な役割を果たしており、企業を信頼している人の半数以上が、危機の際にもその企業を支持する可能性が高い。
- あらゆるセクター、特にリスクの高いセクターにおいて、ひとまず信頼を得るために、強いレピュテーションを築くことは非常に重要である。信頼と「とりあえず信じる」という考え方には高い相関関係があり、信頼が高まれば高まるほど、困難な時期における支持の可能性も高まる。