メディアの信頼性は低下、消費者は個人的なつながりを重視

最近のグローバル調査によると、フェイクニュースの蔓延と、報道機関の意図への疑いのため、従来型メディアへの信頼は過去5年間で低下したと見られています。

著者

  • Nicolas Boyon Public Affairs, US
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イプソスが実施したグローバル調査によると、27カ国の人々は伝統的メディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオ)を信用するかどうかで意見が分かれています。今回の調査は、74歳未満の人々を対象にオンラインで実施しました。世界的には、49%がテレビとラジオを信頼性のあるニュースや情報の発信源として信用しており(46%はあまり信用していない、または、まったく信用していない)、47%が新聞と雑誌を信用しています(48%はしない)。しかし、これらのメディアへの信用が過去5年間で低下していることもわかりました。世界的にみると、34%が5年前よりも新聞や雑誌を信用していないと回答しているのに対して、より信用していると回答したのは17%のみです。同様に、34%の人が5年前よりもテレビとラジオを信用していないのに対し、より信用していると回答したのは18%です。

一方で、さまざまな情報源から送られてくる情報の中には、フェイクニュースが蔓延していると考えられています。世界的に見ると、半数以上(52%)が、テレビやラジオだけでなく、新聞や雑誌にも大量あるいはかなりの量のフェイクニュースがあると考えています。人々が特に懐疑的なのは、オンラインニュースのウェブサイトやプラットフォームで受け取る情報です。全体の62%が、大量またはかなりの量のフェイクニュースが含まれていると回答しています。

メディアに対する信頼のもう1つの側面は、報道や情報を提供する際に、さまざまなメディアが善意で行動しているかどうかです。全体的に見てメディアが善意で行動していると考える人の割合は、信頼性の水準に近い結果です。世界の回答者のちょうど半数が、新聞と雑誌は善意で行動すると信じており、テレビとラジオについては52%です。

調査結果の概要:

  • メディアへの信頼は国によって大きく異なる。例えば、インドでは71%、マレーシアでは68%がテレビとラジオを信用しているが、セルビアではわずか17%である。メディアの種類別に見た国別の信頼度のパターンは比較的安定しており、インド、サウジアラビア、マレーシア、南アフリカが上位に、ハンガリー、セルビア、ポーランドが下位に位置している。
  • 従来型メディアに対する信用に関する認識の変化も国によって異なる。グローバル全体では信用が低下したと認識されているが、すべての国でそうではない。実際、インドやサウジアラビアなどの国では、メディアに対する信頼度が5年前よりも高くなっていると報告されている。一方、セルビアとハンガリーでは大きく低下したと考えられている。
  • オンラインのウェブサイトやプラットフォームは、従来型メディアとは少し違ったストーリーとなっている。グローバル全体では、従来型メディア(45%が信用し、50%が不信)よりも信用はわずかに低いが、過去5年間での信頼度の低下は少ないと考えられている(従来型メディアが-16%だったのに対し、変化は-12%だった)。
  • このようなメディアの信頼感の変化から最も恩恵を受けるのは何だろうか。それは対人関係だ。世界中の人々は、自分が知っている人からのニュースや情報を最も信頼している。またこの5年間で、ニュースや情報の情報源として信頼度が高まったのは個人的な関係だけだ。
  • 公共放送が民間放送より信頼できるかどうかについては、世界的に意見が分かれている。インド、ペルー、スウェーデン、ドイツでは回答者は公共放送局をはるかに信頼している。一方、ハンガリーやポーランドでは、公共放送より民間放送を信頼する割合が高い。これらの結果から、放送事業者の違いによる信頼度のグローバルの傾向というものはないが、信頼レベルは放送サービスがどのように組織され、管理されているかなど、国特有の状況に依存することを示す。
  • 公共放送事業者の信頼度にかかわらず、世界の人々の46%は、公共放送事業者が必要なサービスを提供することに同意している。
この結果は、世界27カ国で2019年1月25日~2月8日にイプソスオンラインパネルシステムを利用して実施した、イプソス グローバルアドバイザー調査によるものです。今回の調査対象国はアルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、インド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、アメリカです。調査対象者はほとんどの国で16歳~74歳(カナダ、南アフリカ、トルコ、アメリカでは18歳~74歳、韓国では19歳~74歳)の19,541人です。イプソスオンラインパネルを通じて各国1000人以上が対象となりました(アルゼンチン、ベルギー、ハンガリー、インド、メキシコ、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコ、マレーシア、チリ、ペルー、セルビアでは500人以上)。27か国中15カ国(アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、イタリア、日本、ポーランド、韓国、スペイン、スウェーデン、アメリカ)では国の人口構成を代表するサンプル構成で実施しました。ブラジル、中国、チリ、インド、マレーシア、メキシコ、ペルー、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコでは各国の一般大衆よりも都市部在住、高学歴、高収入のサンプルで、これらの回答者を「アッパー・デック・コンシューマー市民」と呼んでいます。 彼らは各国の代表性を持ったサンプルではありません。
データは各国人口構成比に基づいて加重されています。イプソスのオンライン調査の精度は信頼性区間を使って計算されます。サンプル数が500の場合は+/-4.5、1000の場合は+/-3.1ポイントです。イプソスの信頼性区間の利用の詳細については、イプソスのウェブサイトを参照してください。

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  • Nicolas Boyon Public Affairs, US

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