インフレでも休暇は妥協しない:ヨーロッパでは4人に3人がこの夏旅行を予定

ユーロアシスト(EA)は、第22回ホリデーバロメーター(Holiday Barometer)の調査結果を発表しました。この調査は世界15カ国、15,000人を対象に実施したもので、世界の旅行に関するトレンドを追跡調査しています。

主な調査結果

  • インフレはどの国の旅行者にとっても他の理由をはるかに上回る第一の懸念事項である。現在懸念事項のリストの最下位となった新型コロナウイルスに代わる(ヨーロッパの旅行者の間で19ポイント減)。
  • 実際に、この夏旅行を計画していないとする人々の一番の理由は経済的なものであり、ヨーロッパ人の47%(2022年比6ポイント増)、アメリカ人の51%(6%増)、カナダ人の50%(9ポイント増)がそう回答している。

しかし、夏休みはいつだって大切なものであり、尊いものです。

  • 78%のヨーロッパ人が、今年「旅行するのが本当に楽しみ」または「旅行するのが嬉しい」と感じており、2022年と比較して意気込みは強く、高まっている(6ポイント増)。
  • ヨーロッパ人の75%(4ポイント増)が夏に旅行する意向で、 2011年以降最も高いスコアとなる。
  • インフレに配慮し安価な宿泊施設や直前割引を利用しても、旅行期間は短縮しない

旅行のトレンドについては、このバロメーターで時系列に沿って見ることができます:

  • 「ワーケーション」は、ヨーロッパ人の間で人気が高まっている。約10人に3人がこの夏休暇先で仕事をする意向で、2022年と比較して4ポイント上昇した(28% vs. 24%)。アメリカ人の36%がこの夏にワーケーションを計画していることに比べると、依然アメリカ人を大きく下回っていることに変わりはない。
  • サステナブルな旅行習慣は、その意思は強くとも、大きな行動の変化にはつながらない:
    • ヨーロッパの旅行者の3人に2人が、CO2排出量削減のために交通手段を変更する用意があると回答
    • ...しかし、2021年に比べ2倍の割合で飛行機を利用する意向があるようだ(今年は37%、2022年は33%、2021年は22%)。
    • 移動手段の選択基準では、「環境への影響」は非常に低くなっている(「利便性」が64%を占めるのに対し、わずか9%)。
  • 海外旅行の魅力がヨーロッパとオーストラリアで再燃: ヨーロッパでは52%(+4)、オーストラリアでは50%(+14)がこの夏海外旅行を計画しているが、北米ではそうでもない。
  • 都市人気は引き続き増加:ヨーロッパ人の間では4ポイント増、アメリカ人の旅行先としては最も人気があるようだ。

旅行者は旅への強い意欲を示している: インフレにもかかわらず、彼らは休暇に妥協する気はないようだ

インフレに支配された経済下にもかかわらず、この夏の旅行に対する意欲はどの国でも非常に高まっています。ヨーロッパ人の78%が旅行することが楽しみ(31%)または嬉しい(47%)としており、米国、カナダ、オーストラリア、マレーシアでも同様の割合(74%~80%)となっています。

ヨーロッパ人の4人に3人が夏に旅行をする意向を示し、2022年と比べて4ポイント上昇し、2011年以降最も高い割合に達し、コロナ以前のレベルをはるかに上回りましたこの割合は、チェコ共和国、イタリア、スペインでは10人中8人に達しています。2022年に見られた目覚ましい回復の後、2023年の数字はこのポジティブなトレンドを裏付けています。

夏の旅行を計画しているヨーロッパ人の割合は、北米人(アメリカ人、カナダ人と比較して+11~12ポイント)、オーストラリア人(+21ポイント)を大きく上回る状況が続いています。米国でもトレンドが上向き(2022年比で+3)ですが、旅行意向がコロナ以前の水準にはまだ戻っていません。

インフレ、ニューノーマル

夏の旅行意欲を下げる要因としてインフレがトップであることは明らかです。ヨーロッパ人のほぼ3人に1人(アメリカ人、カナダ人、オーストラリア人、マレーシア人は31%~42%)が物価上昇が旅行意欲に大きく影響すると回答しており、環境に対する配慮やウクライナ情勢、新型コロナウイルスを大きく上回っています(10人中1人しかこの3つの理由が非常に影響を与えると回答していない)。

さらに、ヨーロッパ人に次の旅行で懸念することを聞いたところ、金銭的な問題が第一位でした(48%がこの可能性を懸念しており、昨年より2ポイント増)。

また、この夏旅行に行かないヨーロッパ人の47%(2022年比+6)、アメリカ人の51%(+6%)、カナダ人の50%(+9)が、経済的理由を旅行を計画しない第一の理由として挙げています。ヨーロッパの休暇の予算は2021年から増え続け、2022年のヨーロッパと比較して6%増加し、現在1918ユーロとなっています。この増加自体も、ユーロ圏におけるインフレを反映しています。休暇の予算も米国では増加(2022年比6%増)していますが、オーストラリアでは横ばい、カナダでは減少(7%減)しています。 

このような状況の中、3分の1の旅行者(ヨーロッパ、北米、オーストラリアの人たち)は、より安価な宿泊手段を利用したり、直前割引の利用を望んでいます。一方、旅行期間の短縮は、最終手段と考えているようです。

新型コロナウイルスは旅行者にとってすでに遠い存在

旅行中に混雑した場所を避ける旅行者は減り(すべての国で減少、ヨーロッパ人の間では6ポイント減)、旅行中に伝染病の発生を恐れたり(ヨーロッパ人の間では10ポイント減)、海外で隔離されたり(ヨーロッパ人の間では9ポイント減)することは少なくなってきていることから、新型コロナウイルスに対する懸念や旅行習慣への影響は時間とともに薄れていることがわかります。また、明らかに自信を取り戻しています: ヨーロッパの旅行者の63%が少なくとも2ヶ月前に旅行を予約する予定であり、2022年と比較して6ポイント増加しています。実際、コロナ危機が休暇の習慣に及ぼす長期的な影響はほとんど見られません。6 人中 1 人のみがより多くの自然を楽しむ旅行を計画すると答え、同じ割合でより強い旅行欲求を持つようになると答えています。

全体として旅行意欲に影響を与える課題を見ると、コロナウイルスは今年ヨーロッパ人の間で19ポイント減少し、最下位となっています。

海外旅行に対する人気の回復が続き、 再び「元通り」の傾向を見せる

昨年すでに見られた海外旅行への回帰傾向は今年も確認されましたが、すべての国でそうではありません: ヨーロッパ人の52%が自国以外への旅行を計画しています(2022年比で4ポイント増)。オーストラリアでも同様の傾向が見られます(50%、+14)。しかし北米の海外旅行意向は今年も停滞しており、カナダ(44%)で1ポイント増、米国(33%)で3ポイント減となっています。特筆すべきは、フランスだけは国内旅行の意向が伸び続けていることです:  4ポイント増加し、今年の旅行意向は60%に達しました。

こうした目的地の選択は移動手段にも反映され、自動車は依然として最も人気が高い(ヨーロッパでは50%、5ポイント減)ものの、今年は飛行機が復活してきています(37%、4ポイント増)。

ヨーロッパでは、都市部(30%)、田舎(25%)、山(23%)への旅行に比べ、海辺(60%)への旅行が2倍と圧倒的に人気があります。しかし、都市部への旅行の人気は上昇傾向で(ヨーロッパで4ポイント増)、この割合は10年間で倍増しています(2023年に30%、2013年には13%)。カナダや米国では、海辺への旅行をしのぎ、都市部への旅行が人気を博しています

海外旅行者の夏休みの過ごし方として、家族や友人と休養し、親睦を深めることが最も理想的とされることに変わりはありません。また、ヨーロッパ、米国、オーストラリアの旅行者の間では、新たな文化や風景の変化を楽しむ「Discovery(発見)」の人気が高まっています。

ワーケーション:仕事と休日の境界が曖昧に

ワーケーションはヨーロッパで定着しつつあり、10人中3人がこの夏、休暇先で仕事をする予定で、2022年と比較して4ポイント増加しました(28% vs. 24%)。この結果は、米国の36%が今夏にワーケーションを計画していることを大きく下回っていることに変わりはありません。43%の人が自国内のみでワーケーションを行う予定だとすると、52%の人は海外のみ、もしくは両方でワーケーションを行うことを考えています

サステナブルな旅行:意識は高いが、旅行習慣を変えるのは難しい

サステナブルな旅行には、意思と行動の間にギャップがあることがわかります。今回の調査では、サステナブルな旅行習慣が広く浸透していることがわかりました

ヨーロッパの旅行者の87%が「地元経済を支援する用意がある」、82%が「社会的責任や地元文化を尊重しない活動を避ける」、86%が「旅行先のゴミに気を配る」と答えています。

しかし、実際の意図を見ると、いくつかのギャップがあります

ヨーロッパの旅行者の3人に2人が、CO2排出量削減のために交通手段を変更する用意があると答えていますが、すでに実行しているのは36%に過ぎません。また飛行機を利用する意向のある人は2021年の約2倍(今年は37%、2022年は33%、2021年は22%)です。さらに、交通機関の選択基準においては、環境への負荷が非常に低くなっています(利便性が64%であるのに対し、わずか9%!)。同様に、同じ目的において、より近い目的地に旅行すると答えた人は2/3、今年、海外旅行を予定している人は半分以上(52%、2022年と比較して4ポイント増、2021年と比較して19ポイント増)います。 

これらのデータは、サステナビリティと習慣の観点から、明らかな「言うこととやることの差(say-do gap)」を示しています。旅行者は環境問題の重要性を明確に認識していますが、まだ旅行習慣を根本的に変える準備ができていないようです。

詳細はこちらから

Baromètre Future of Travel Vacances d'été

About Europ Assistance

Founded in 1963, Europ Assistance, the inventor of assistance, supports customers in over 200 countries and territories thanks to our network of 750.000 approved providers and 43 assistance centres. Our mission is to bring people or corporates from distress to relief – anytime, anywhere. We provide roadside assistance, travel assistance and insurance, as well as personal assistance services such as the protection of the elderly, the protection of digital identity, telemedicine and the Conciergerie. The vision of our 10,000 employees is to be the most reliable care company in the world.


本調査について

ユーロアシストとイプソスによる2023年版ホリデーバロメーターは、米国、カナダ、英国、イタリア、フランス、スペイン、スイス、ドイツ、オーストリア、ポルトガル、ベルギー、ポーランド、チェコ、マレーシア、オーストラリアの15カ国において実施され、各国において、18歳以上の消費者1,000名がオンラインアンケートに参加しました。本調査は2023年3月20日〜4月7日に実施され、消費者の休暇計画や旅行に関する嗜好を調査しました。

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