コロナ禍でも米国・中国で高まるEVへの関心

消費者は利便性の向上と先進技術、そして見栄えの良さを電気自動車に求めていることが、最新のグローバル調査で明らかになりました。

イプソスの自主調査2020 Global Mobility Navigator Studyの“EV編”によると、グローバルレベルでのEV関心度は2019年調査時からほとんど変化はありません。しかし、新型コロナウイルス感染症拡大が様々なマイナスの影響を引き起こしている一方で、米国および中国市場においてはEVへの関心が高まりを見せています。

これはバッテリー式電気自動車(BEV)がより身近になったことに起因すると考えられます。例えば、BEVの知識はここ数年中国で最も高くなっています。BEVをよく知る消費者ほど、購入を検討する傾向は高まります。

2020 Mobility Navigatorの消費者インサイトで興味深いのは、BEVの利点とされた上位の項目と購入動機の上位の項目とが、必ずしも一致していないことです。世界的に見て、自動車保有者とBEV購入意向者はいずれも、電気自動車のメリットは自然環境が良くなる、便利になる、保有コストが下がる点にあるとしています。しかし人々をBEV購入に掻き立てるのは、こうしたベネフィットを超えるものとなっています。回帰分析によると、購入に最も影響力のあるドライバーは利便性で、例えば公共交通機関をシームレスに利用できるようになることやエクスプレス・レーン(カープール・レーン)が利用できるようになることが挙げられています。これに続き重視されるポイントはクルマの格好良さでした。そして、より高度な技術を搭載するBEVである点が続きます。

EVメーカーは「知識が増える=関心が高まる」という勝利の方程式で、親しみやすさを盛り上げるマーケティング活動にフォーカスすべきです。メッセージを打ち出す際に重要なのは、運転する人にとってBEVの選択で障壁となる部分を取り除くことにあります。調査では主に5つの課題が明らかになりました:航続距離、値ごろ感、充電スタンドへのアクセス、総所有コスト、電池寿命です。メーカーがこれらの障壁に対処することは必須で、そうすることで初めて消費者のBEVへの親しみは増し、ネガティブな感情や“都市伝説”が取り除かれていきます。これらの懸念を打ち消すために、メーカーは次のことを強調すべきでしょう:市場に出ている新型BEVの多くは航続距離が十分に長いこと、所有コストは同等のガソリン車に比べて手ごろな価格であること、充電はカンタンで、特にレベル2の家庭用充電器が入手可能であることです。こうした障壁に対処できたら、次に、BEVを持つメリットを強調します。メリットは、インテンダーに対しては“いいとこどり”だとアピールするといいはずです。ドライバーにとって環境に優しくなることで機能的なベネフィットが得られるだけでなく、最先端のテクノロジーを搭載したカッコいいクルマが持てるというエモーショナルなベネフィットももたらされる、と。

多くの消費者にとって新しいテクノロジーを受け入れるのは一つのチャレンジで、その購入額が大きければ大きいほど、メーカーにとってのチャレンジも大きくなります。消費者は自動車より大きな買い物をすることは滅多にありません。BEVの認知の低さを克服するには、消費者に知識をつけてもらう必要があります。そうすればBEVに安心や信頼を感じてもらえるようになるでしょう。メーカーは見込み客にとって真に重要なポイントに的を絞り、わかりやすく親切に情報提供すべきです。例えば、一回の充電で何キロ走れるのか、どれくらい速く充電できるのか、生活圏に充電ステーションが何か所あるのか、平均的な運転で年間どれくらいガソリンが節約できるのか、などなど。こうしたことは、消費者が自分でBEVを運転するようになる前に、事前に知っておきたい情報です。

イプソスの Mobility Navigator は、航続距離や充電時間の受容性、市場競争力を持つのに必要なポイントなど、さらに詳しいインサイトを提供します。これから先の10年、主要セグメントや主要マーケットで数多くの新型BEVが発売されることになるでしょう。イプソスはこの競争の激しい市場をナビゲートし、新しいBEVを発表する機会を最大化するお手伝いをいたします。

次回は2020年12月、モビリティのシェアリングにフォーカスします。コロナ禍において配車サービスや公共交通機関の利用が減少しているのは周知の事実ですが、自動車にはどんなインパクトがあったでしょう? 12月には果たして需要が伸びているでしょうか?

今年のMobility Navigator EV編では、米国、中国、日本、ブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、英国、ロシア、インドの計11か国でアンケート調査を実施し、18歳から74歳の新車購入者22,003名から回答を得ました。

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