ソーシャルインテリジェンス プログラムを始めるときに考える4つのこと

ブランドを未来につなげるには、日々変化する消費者の考え方や好み、行動に対応する必要があります。そのため、適切な消費者情報戦略を持つことは、もはや「あったらいいな」ではなく、「必要不可欠」なのです。AI対応消費者インテリジェンス（Artificial Intelligence-enabled Consumer Intelligence (AICI)）プラットフォームが登場し、多くのブランドが従来のソーシャルリスニングツールからより強力なこのプラットフォームに移行したのもこのためです。AICIは、インサイトの専門家が複数のソース（ソーシャル、検索、調査など）からデータを利用し、高度なAIとデータマイニング・アルゴリズムを適用して、より効率的に作業を行えるようにするものです。
AICIはまた、ソーシャルデータの重要性を高め、増え続けるユーザーにとってより価値のあるものにしています。かつてソーシャルメディアは、ソーシャルマーケティングチームにのみ有用でしたが、AICIのプラットフォームは、AIを使用してトレンドシグナルを検出し、潜在的な危機を知らせ、イノベーションの機会を発見することで、グローバルなソーシャルインテリジェンスプログラムを強化できるようになりました。さらに、単一のインサイトプラットフォームで、企業がより良い、より迅速な意思決定を行うための基盤を構築しています。
しかし、ソーシャルインテリジェンスプログラムを成功させるためには、ソフトウェアツール以上のものが必要です。新しいチーム、トレーニング、そして文化の変革が必要なのです。ここでは、ソーシャルインテリジェンスプログラムの導入を推進し、期待に応えるための4つのヒントを紹介します。

• 組織全体にとって、短期的な利益とクイックウィンを得ることから始める
  消費者インサイトの中心的な情報源を確立することは、すでに消費者の動向把握に着手しているチームの即戦力となるだろう。インサイトを専門とする市場調査チームにとって、AICIプラットフォームは、インサイトを得るまでの時間を短縮し、データの質を向上させ、市場の変化をより早く特定することで、従来の壁を打ち砕くことができる。ブランド担当者やクリエイティブ・エージェンシーは、AICIによって消費者心理や追跡可能な指標を把握し、ブランド認知度向上策、PR活動、キャンペーン、パートナーシップなどを迅速に改善することができる。一方、製品・イノベーションチームは、消費者の新たなニーズや市場シェアの可能性を理解することで、事業拡大の可能性についてより賢明な判断を下すことができるようになる。
• 長期的な利益と価値創造への道筋を描く
  リアルタイムの消費者インサイトをすべてのビジネス上の意思決定の中心に据えることで、主観的な意思決定を減らすことができ、長期的にはより収益性の高い結果を得ることができる。ばらばらのインサイト施策を1つのソーシャルインテリジェンスプログラムに統合することで、テクノロジー支出や 従業員の作業の重複を減らし、長期的に構築できるテクノロジー基盤を作ることができる。ビジネス上の疑問、消費者のニーズ、市場の方向性について、インサイト、ブランド、イノベーションの各チームが同じ見解を持つようになるには時間がかかるが、より良い製品やサービス、そしてスピードとアジリティの向上につながるだろう。  
• 直接原価と間接原価の要因
  プラットフォームの購入費用は当然として、プロフェッショナルサービスについてはどうだろうか？膨大なデータセットからインサイトや推奨事項を抽出するためのデータサイエンスのリソースや専門知識は社内にあるだろうか？それとも、文化的、地域的、業界特有のコンテキストを適切に適用できるデータおよび分析の専門家による外的サポートが必要だろうか？ベンダーによっては、セルフサービス型のソリューションを提供しているところもあれば、カスタムモデルやサービスを統合してデータを最大限に活用する「ハイブリッド型」のアプローチをとっているところもある。ケースに特化したフレームワークを使うと、消費者インサイトを特定のドメイン（ブランド・インテリジェンスや危機管理など）に適用できるようになるが、消費者が作り出すリアルタイムのデータを日常業務の一部にするための新たなプロセスや 働き方についてのトレーニングへの投資が予想される。 
• 潜在的な課題への対応策
  全社的なソーシャルインテリジェンスプログラムには、現在サイロ化されているデータソースとプロセスを統合し、正確なインサイトを提供するためにデータの品質を確保することが必要である。また、信頼に欠けるインサイトに慣れてしまったり、ソーシャルデータの価値に疑問を持つ企業では、リーダーがより良いビジネス上の判断を下せるよう、まずはデータに対する信頼を築き上げる必要がある。意思決定において、インサイドアウトアプローチに依存してきた経営戦略、ブランド、イノベーションのチームにとって、消費者中心の（そしてデータ主導の）ビジネスへの方向転換は、新しいスキルとマインドセットが必要になるだろう。

ソーシャルインテリジェンスプログラムを開始し、拡大するためのヒントをもっと知りたいですか？オンデマンドウェビナー「Social Insights From Brand Leaders」で、トップブランドのインサイト専門家によるパネルディスカッションをご覧ください。消費者インサイトとマーケティングチームが直面する最大の課題、一般的な使用例、そしてAIがどのように役立つかを取り上げます。