努力するということ: お客様を公平に扱うことがビジネスの成功につながる理由

顧客の努力を単独で測定するだけでは十分ではありません。組織は、顧客と企業の努力の両方を考慮したC:CER(Customer: Company Effort Ratio, 顧客と企業の努力比率)を測定する必要があります。

Treating customers fairly is key to business success | Ipsosイプソスが新しいカスタマーエクスペリエンス(CX)の指標として、顧客と企業の両方の努力を考慮した「顧客と企業の努力比率(C:CER)」を発表したとき、CXコミュニティからの反応は、私たちが画期的な進歩を遂げたことを示していました。C:CER指標は、米国、オーストラリア、英国での広範な調査から生まれたもので、カスタマーエフォートスコア Customer Effort Scoreだけの場合と比べて、お客様の悪い経験や苦情の後に企業のサービスや製品を再び利用する傾向を3倍正確に予測できることが証明されました。

本ペーパーでは、英国、南アフリカ、ラテンアメリカのさまざまな分野における最新の調査・分析をもとに、顧客の目から見て、企業が努力のバランスを正しく認識することがなぜ必要なのかについて、新たな光を当てています。イプソスは、販売サイクルにおける企業と顧客の努力のバランスと、実際の顧客の行動との関連性を定量化し、努力のバランスが適切でない場合の収益への影響について明確なエビデンスを示しています

14のビジネス分野の研究開発において、調査したお客様の半数は問題解決のために企業よりも努力していると考えており、その割合は分野によって大きく異なります。保険、公益事業、公共サービスでは、企業が自分よりも努力していると感じたお客様は、わずか10%でした。お客様の問題に効率的に対処していることが「最も高く」評価されているオンライン小売業者の場合でも、企業がより多くの努力をしていると感じたお客様は36%にとどまりました。

C:CER(Customer: Company Effort Ratio, 顧客と企業の努力比率)は、6つのCXの力 (Forces of CX)のうちの1つ、公正な扱い(Fair Treatment - お客様が組織との関係において公正な交換が行われていると感じること)と密接に関係しています。お客様は、問題解決や何かを成し遂げるために会社よりも努力していると思うと、不当な扱いを受けていると感じます。これは、関係性の強さや、解約やネガティブな口コミなどのお客様からの結果に大きな影響を与えます。

お客さまが、事態の収拾に企業よりも多くの労力を費やしたと認識した場合、お客さまは:

  • 利用を中止する確率が4倍以上になります
  • 否定的な経験をSNSでシェアする可能性が3倍になります
  • 友人や家族にそのことを伝える確率が約2倍になります

適切な介入方法の設計

企業努力とは、単に金銭的なことだけではありません。企業は、積極的に、献身的に、透明性をもって、そして単純に敬意を示すことで、否定的な経験を救うことができます。

真の課題は、苦情処理システムやケースマネジメントシステムへの投資効果を最大化し、最終的に解約やネガティブな口コミを減らすために、どのように介入を最適化するかを理解することです。イプソス カスタマーエクスペリエンスチームは本ペーパーで、どの問題を優先すべきを見極める方法や、最も適切で費用対効果の高い対応策を決定する方法についてもガイダンスを行っています。

主なポイント

  • お客様の行動や業績に影響を与えるため、カスタマージャーニー全体を通して、努力のバランスを取ることが重要です
  • 努力のバランスは、情緒的な愛着と人間関係の強さを構成する6つの基本要素(CXの力 Forces of CX)の1つである「公正な扱い」の認知に関係します。
  • 組織は、努力のバランスが最適でない状況を特定し、解約や悪評などのマイナスの結果を減らすために介入する必要があります。
  • 重要な成功要因は、顧客に関する膨大な行動データ(What)を活用し、それを調査データ(Why)と組み合わせることで、よりターゲットを絞った効果的な介入を行い、企業努力に見合った成果を上げることです。

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