難民に対する世界の態度

イプソスが世界で実施した調査によると、戦争や迫害からの避難を求める人々の原則に対しては過半数の人々が支持しているものの、懸念は残っていることがわかりました。多くの難民は疑いの目で見られており、難民との融合に対する人々の懸念は高まっています。

著者

  • Kully Kaur-Ballagan Public Affairs, UK
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世界難民の日を記念してイプソスが世界26カ国で74歳未満の成人を対象にオンラインで実施した調査によると、調査対象国の過半数の人々が、自国を含めて、「人は戦争や迫害から避難する権利を持つべきだ」と考えていることがわかりました。しかし難民に対する幅広い意見の中には、いまだに否定的な態度も含まれており、2年前に比べて態度が硬化する兆しもあります。 例えば、過半数の人々は難民として自国に入ってくる人が本物の難民かどうか懐疑的であり、また、難民が新しい社会にうまく溶け込む能力についてあまり確信を持てなくなっていることがわかりました。

この調査では次のことが示されています:

調査対象者の61%は、難民が戦争や迫害から逃れるために、(自国を含む)ほかの国に庇護を求める権利を支持していますが、25%は反対しています。

  • ほとんどの国では、過半数の人々が避難する人々の権利を支持している。例外はフランス、ハンガリー、日本で、人々はあまり賛同しない(それぞれ43%、43%、23%)。
  • 全体として、アルゼンチン(74%)、チリ(73%)、ペルー(70%)、メキシコ(67%)といった多くのラテンアメリカ諸国の調査対象者は、多くのヨーロッパ諸国の対象者と比較して、人々は避難する権利を持つべきであるということに同意する傾向がある。ハンガリーと共に、ベルギー(50%)とドイツ(57%)の同意レベルは低い。

この時期に自国が難民を受け入れられるかどうかについては、人々は意見が分かれています。 調査対象の26カ国で平均40%が、自国の国境を完全に難民に対して閉鎖すべきだと主張しています。一方、反対は46%です。2017年以降、難民に対して国境を閉ざすことに賛成する割合はほとんど変わっていませんが(39%)、反対する(つまり、境界を開いたままにする)割合は51%から46%に5ポイント低下しました。

  • インド(64%)、トルコ(59%)、スウェーデン(51%)、セルビア(51%)の人々は、この時期に自国の国境を難民に対して閉鎖すべきだという意見に同意する可能性が最も高く、カナダ(29%)、ブラジル(28%)、チリ(28%)の人々は、国境閉鎖政策を支持する可能性が最も低いと回答した。
  • 2017年以降、最も国境閉鎖への意見が強まった国はメキシコ(22%から38%へ16ポイント上昇)とペルー(25%から40%へ15ポイント上昇)で、いずれもUNHCRによれば近隣諸国から庇護を求める人々が増加している。また、セルビアでも38%から51%へと13ポイント上昇している。 これとは対照的に、ハンガリー(61%から44%へ17ポイント低下)とポーランド(45%から39%へ6ポイント低下)では、国境閉鎖への願望が低下しており、これはおそらく難民の入国を制限するポーランドとハンガリー政府の強硬な姿勢を反映している。

世界的には、54%は「難民を名乗る人々が、実際には難民ではなく、経済的理由や福祉サービスを利用するために入国している」とと考えており、2017年と比較するとその割合はわずかに2ポイント上昇しています。この意見に反対する人々の割合は、2017年以降5ポイント低下しており、 これは、入国しようとする動機について確信が持てないことを示しています。

  • 自国に入ってくる難民の真正性を疑う国はインド(70%)、トルコ(69%)、南アフリカ(66%)であり、難民の真正性を疑わない国はカナダ(45%)、スペイン(45%)、ブラジル(40%)である。
  • 2017年以降、懐疑的になった国は、スウェーデン(38%から50%へ12ポイント上昇)、メキシコ(49%から59%へ10ポイント上昇)、スペイン(37%から45%に8ポイント上昇)、セルビア(42%から50%に8ポイント上昇)である。これとは対照的に、懐疑レベルが低下した国はハンガリー(66%から55%へ11ポイント低下)とロシア(71%から64%へと7ポイント低下)であるが、これも難民の入国を制限し、この問題に対する人々の懸念を和らげるための政府の行動を反映しているのかもしれない。

人々は、難民が新しい社会にうまく溶け込む能力について、2年前よりも確信を失っています。世界的には、難民が新しい社会にうまく溶け込むと考えている人の割合は38%で、2017年以降5ポイント低下していますが、この問題についての見方はかなり分かれており、47%がこの意見に反対しています(2017年は44%)。

難民が新しい社会へうまく溶け込むことに最も楽観的な国は、インド(68%)、アルゼンチン(58%)、サウジアラビア(55%)です。

しかし、韓国(67%)、スウェーデン(64%)、トルコ(63%)などは、難民の定着に否定的な見方をしている。

2017年以降、難民が新しい社会にうまく溶け込むことへの確信が薄れてきたセルビア、ハンガリー、メキシコ、ペルーでは、この措置に対する考え方が大きく変化した(少なくとも10ポイント)。

今回の調査は、2019年4月19日~5月3日に18,027人(16歳~74歳)を対象にオンライン調査で実施されました。調査対象国はアルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、インド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、セルビア、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、トルコ、アメリカです。合計が100にならない場合、または 「差」 が実際より+-1以上/未満と思われる場合は四捨五入、複数回答、または 「不明」 の除外による可能性があります。Ipsosのオンライン調査の精度は信頼性区間を使って計算されます。サンプル数が500の場合は+/-4.5、1000の場合は+/-3.1ポイントです。Ipsosの信頼性区間の利用の詳細については、Ipsosのウェブサイトを参照してください。
データは各国人口構成比に基づいて加重されています。

著者

  • Kully Kaur-Ballagan Public Affairs, UK

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