世界の消費者の楽観的な見方が9ヶ月ぶりの高水準に回復
新しい年を迎え、イプソス グローバル消費者信頼感指数は、先月から0.9ポイント上昇し43.4となりました。11月と12月の比較的安定した状況の後、世界の消費者心理は2020年4月以来の高水準にまで上昇しています。しかし、パンデミック前の2020年1月の水準からは5.2ポイント低下し、過去10年間の平均値には3.2ポイント不足しています。
グローバル消費者信頼感指数は、世界24市場の国別指数の平均値です。これは、イプソスのグローバルアドバイザー調査オンラインプラットフォーム上で実施する、75歳未満の17,500人以上を対象とした毎月の調査に基づいています。
今月は、2020年12月と比較して、10カ国が国別指数の大幅な伸びを示しています:インド(+3.4)、ハンガリー(+2.2)、アルゼンチン(+2.1)、ベルギー(+2.0)、カナダ(+2.0)、サウジアラビア(+1.7)、ポーランド(+1.7)、オーストラリア(+1.6)、イスラエル(+1.6)、および中国(+1.5)。
日本(-1.9)のみ、国別指数が先月比で大きく低下しています。日本では2020年5月以降これまで、消費者心理の顕著な低下はありませんでした。米国は先月、大幅なマイナスを記録したものの、国別指数は12月(-0.3)とほぼ変化がみられませんでした。
国別指数(National Index) のトレンド
前月比で1.6ポイント上昇したオーストラリアは、全24カ国中、中国と並んで、1年前に比べて国家指数が大幅に上昇した国となりました。
- 中国(74.1)、サウジアラビア(62.8)、スウェーデン(54.5)、インド(53.6)、オーストラリア(52.7)、ドイツ(50.3)、米国(50.2)の7カ国(前月と同じ)は、国別指数が50を上回っている。ドイツ、オーストラリア、インドはこの2ヶ月間、このグループに入っているが、中国とサウジアラビアは、パンデミック中はもちろんのこと、追跡調査を開始して以来、国別指数が50を下回ったことはない。
- 国別指数が35以下のトルコ(31.7)、スペイン(33.5)、南アフリカ(33.9)、ロシア(34.9)は、消費者信頼感で引き続き遅れをとっている。トルコの指数は昨年3月以来、南アフリカとスペインは4月以来、35ポイントを超えていない。
期待指数、雇用指数、投資指数のトレンド
グローバルでは、雇用指数(+0.7)と期待指数(+0.8)がともに前月から1ポイント弱の上昇となっています。投資指数(+1.2)は、2010年の追跡調査開始以来、前月比で最大の上昇を記録しています。これら3つの指数すべてでマイナスとなったのは日本だけでした。
- 雇用の安定性や将来の見通しについての認識を示す雇用指数(グローバルで48.7)は、アルゼンチン、ハンガリー、オーストラリア、イスラエル、カナダ、インドで前月から大幅に上昇。オーストラリアは4ヶ月連続でプラスとなった。日本は唯一、先月に比べて大幅に低下したが、世界平均を大きく上回っている。
- 地域経済、財政状況、雇用に関する消費者の見通しを示す期待指数は53.8で、グローバルでは12月から0.8ポイント上昇。パンデミック前の2020年1月の水準からはわずか3.1ポイントの低下にとどまっている。トルコ、ハンガリー、ベルギー、インド、ポーランド、アルゼンチン、イスラエル、カナダの8カ国は、先月に比べて大幅な増加。減少したのは、日本と南アフリカのみ。
- 投資環境を示す投資指数は、グローバルで38.0となり、先月より1.2ポイント上昇して過去最高となった。11月から12月にかけて4カ国しか上昇しなかったのに対し、今月は10カ国(インド、サウジアラビア、ポーランド、中国、ハンガリー、イタリア、アルゼンチン、カナダ、スウェーデン、ベルギー)が上昇するなど、幅広く改善。一方、日本の投資指数は、2020年12月に比べて低下した。
イプソスのインタラクティブポータル Consolidated Economic Indicatorsでは、グローバル消費者信頼感インデックスとサブインデックスに関するグラフ比較、トレンドデータ、それらのベースとなる質問をご参照いただけます。