欧州全体の消費者信頼感の低下

コロナの再燃で、消費者心理の世界的は横ばいになっています。

イプソスのグローバル消費者信頼感指数は42.1で、前月から0.1ポイント下落しました。世界の消費者心理は、この4カ月の間に少しずつ上昇した後、横ばいになっています。今月の指数はコロナ禍以前の水準である1月より6.6ポイント低く、過去10年間の平均より4.6ポイント低くなっています。

グローバル消費者信頼感インデックス(Global Consumer Confidence Index)は、世界24市場の国別指数の平均値です。これは、イプソスのグローバルアドバイザー調査オンラインプラットフォーム上で実施する、75歳未満の17,500人以上を対象とした毎月の調査に基づいています。

今月、国別指数が大きく(1.5ポイント以上)下落した国はポーランド (-3.9) 、イタリア (-2.2) 、フランス (-2.1) 、ドイツ (-1.8) 、スペイン (-1.5) 、ロシア (-1.5) 、トルコ (-1.5) など7カ国です。アルゼンチンは、3か月連続した下降トレンドを脱し、ほぼ横ばい (+0.3)に転じました。トルコでは2カ月連続で大きく下落しました。

一方上昇した市場を見ると、オーストラリア (+2.3) 、イスラエル (+1.7) 、日本 (+1.6) 、南アフリカ (+1.5) 、韓国 (+1.5) で国別指数が大幅に上昇しています。日本は3カ月連続で大幅な伸びを示しており、オーストラリアと南アフリカは過去2カ月間で大幅な伸びを示しています。

国別指数(National Index) のトレンド

今年1月と比較すると、中国 (+3.2) を除いた24ヵ国の国別指数は軒並み下落しています。中国の国別指数は7月以降、今年1月の水準と同レベルか上回っています。

  • 調査対象となった24カ国のうち11カ国が今年1月に50ポイントを超えていたが、現在は中国 (72.9) 、サウジアラビア (60.7) 、スウェーデン (53.0) 、米国 (52.2) の4カ国のみ。
  • 一方、国別指数が35ポイント以下なのは、今年1月は1か国(トルコ)のみであったのに比べ、11月はロシア (35.0) 、ポーランド (34.6) 、アルゼンチン (33.7) 、南アフリカ (33.1) 、スペイン (32.2) 、トルコ (30.0) の6か国。

期待指数、雇用指数、投資指数のトレンド

世界的には、雇用指数 (+0.1) 、投資指数 (0.0) ともに横ばいである一方、期待指数 (-0.6) は前月比で若干低下しています。

  • 雇用の安定と雇用の見通しに対する信頼を示す雇用指数(グローバルで48.1)は、6カ国で大幅に上昇し、他の6カ国では大幅に下落している。
  • 投資環境を示す投資指数は、先月の36.2から世界的に変化がない。指数が伸びなかったのは、6月以降、11月が初。5カ国で顕著な上昇を見たが、ポーランド (-3.5) 、イタリア (-1.9) 、トルコ (-1.8) の3カ国では下落。ポーランドとトルコでは、2か月連続の下落となった。
  • 地域経済、財政状況、雇用に関する消費者の見通しを反映した期待指数(前月比0.6ポイント減の52.2)が世界的に下落したのは、5月以来初めてのことだ。EU加盟国の6カ国で大幅に減少している。
 
これらの調査結果はRefinitiv/IpsosのPrimary Consumer Sentiment Index (PCSI)のデータに基づくものです。調査は毎月、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームを使用して世界24市場の17,500人以上(アメリカ、カナダ、イスラエル、トルコ、南アフリカでは18~74歳、その他では16~74歳)を対象に実施されています。毎月のサンプルサイズは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国(本土)、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、イギリス、アメリカでは各国1000人以上、アルゼンチン、ベルギー、ハンガリー、インド、イスラエル、メキシコ、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコでは各国500人以上です。

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