世界の消費者信頼感は引き続き安定している

世界の先進国経済における景況感が低迷する中、3つのサブ指数とも安定的に推移しています。

イプソスのグローバル消費者信頼感指数は45.5となり、2ヶ月連続でほぼ横ばい(-0.1ポイント)で、1年以上にわたり最低水準が続いています。また、期待、投資、雇用の各指数も10月からほとんど変化していません。

グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべて国別指数の平均値です。イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームで行われた、23カ国の75歳以下の成人17,000人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は、2022年10月21日~11月4日に実施されました。 

グローバル消費者景況感指数は、2月のウクライナ侵攻前に比べて3ポイントほど低い水準で推移しています。調査対象23カ国中16カ国が2月時点より大幅に低下し、5カ国(ブラジル、サウジアラビア、トルコ、インド、メキシコ)だけが大幅に上昇しています。

景況感の悪化は、ヨーロッパ諸国、米国、カナダ、日本で最も顕著に見られます。米国、カナダ、フランス、ドイツ、英国、イタリア、日本のG7諸国では、 消費者信頼感がここ1年以上最低水準で推移しています。

イスラエル(+2.7)は、国別指数が前月比で大きく上昇した唯一の国であり、スペイン(-2.5)、フランス(-1.5)、カナダ(-1.5)は大きく低下しています。

国別指数(National Index) のトレンド

今月最も高い国別指数を記録したのはサウジアラビア(70.1)で、70以上のスコアを記録した唯一の国となりました。また、国別指数のスコアが60を超えたのは中国(69.5)とインド(64.1)のみです。

国別指数が50を超えた国は、オーストラリア(52.2)、ブラジル(51.5)、米国(50.9)、メキシコ(50.5)の4カ国です。

ブラジルはこの3ヶ月で5ポイント近く上昇し、現在2019年3月以来の高ポイントに位置しています。一方、カナダ(48.0)は下降を続け、現在2021年2月以来の低水準にあります。

現在、国別指数が40を下回る国は、南アフリカ(39.4)、スペイン(38.7)、ベルギー(38.0)、韓国(37.7)、日本(36.3)、ポーランド(35.8)、アルゼンチン(34.4)、トルコ(34.1)、ハンガリー(30.4)の9カ国です。スペインの消費者信頼感は2021年5月以来初めて40ポイント台を割り込み、一方、ハンガリーは2013年11月以来の低水準となった6カ月間の落ち込みに歯止めがかかりました。

パンデミック前の2020年1月と比較して、国別指数のスコアが大幅に上昇している国は、わずか4カ国で、サウジアラビア、インド、オーストラリア、メキシコです。一方、13カ国では当時より大幅に低くなっています。

雇用指数、期待指数、投資指数のトレンド

23ヵ国のうち、

  • 消費者の金融、経済、雇用の見通しを示す「期待指数」は、カナダだけが大幅な低下(少なくとも1.5ポイント)。イタリア、イスラエル、ブラジルでは大幅な上昇を示した。
  • スペイン、フランス、英国、オーストラリア、カナダの5カ国は、消費者の購買・投資意欲や 金融情勢・見通しを示す「投資指数」が大きく低下した。イスラエルとアルゼンチンは大幅な上昇を示した。
  • イスラエル、サウジアラビア、イタリアは雇用指数が大きく上昇し、スウェーデン、スペイン、中国は前月比で大きく低下した。

本調査について

これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) のデータに基づくものです。調査は毎月、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームを使用して世界の17,000人以上(米国、カナダ、イスラエル、トルコ、南アフリカでは18~74歳、その他では16~74歳)を対象に実施されています。毎月のサンプルは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国(本土)、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国、米国では1,000人以上、アルゼンチン、ベルギー、ハンガリー、インド、イスラエル、メキシコ、ポーランド、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコでは500人以上で構成されています。

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