世界の消費者信頼感、7月以降停滞
イプソスのグローバル消費者信頼感指数は、9月からわずかに0.1ポイント低下し、48.5となりました。多くの国がコロナウイルスの変異株の拡散を抑えるのに苦労している中、世界の消費者心理は3ヶ月連続でほぼ横ばいとなりました。
グローバル消費者信頼感指数は、世界24カ国の国別指数の平均値です。これは、イプソスのグローバルアドバイザー調査オンラインプラットフォーム上で実施する、75歳未満の17,500人以上を対象とした毎月の調査に基づいています。今回は2021年9月24日~10月8日に実施されました。
調査対象となった24カ国のうち、インド、日本、南アフリカの3カ国のみが、先月に比べて国別指数が約2ポイント上昇しました。アルゼンチン(-1.7)は、9月以降、消費者心理が大幅に悪化した唯一の国です。
グローバルレベルでは、投資指数は3ヶ月間安定していたものの、0.5ポイント低下しました。雇用(+0.2)および期待(0.0)指数は依然として安定しており、9月からの変化はほとんどありません。
国別指数(National Index) のトレンド
世界の消費者マインドは3ヶ月連続で安定しています。今月のグローバル消費者信頼感指数は48.5で、7月(48.3)からほぼ同じレベルで推移しています。今月の数値は、パンデミックが始まる直前の2020年3月と同じで、2020年1月の数値(48.7)より0.2ポイント低くなっています。
- 今月は、9カ国で国別指数が50を超えた:中国(72.0)、サウジアラビア(64.3)、スウェーデン(60.1)、米国(58.2)、インド(57.2)、ドイツ(56.5)、カナダ(54.8)、オーストラリア(54.1)、英国(53.5)
- トルコ(28.9)は、依然として国別指数が35を下回る唯一の国である
- インド(+2.1)、日本(+1.9)、南アフリカ(+1.9)は先月に比べて最も高い伸びを示したが、日本と南アフリカは世界平均の48.5をそれぞれ7.0ポイント、11.4ポイント下回っている
- インドの消費者信頼感は、3ヶ月連続で有意な伸びを示した
期待指数、雇用指数、投資指数のトレンド
世界の投資指数は9月から0.5ポイント低下しましたが、期待指数と雇用指数はほとんど変化していません。3つのサブインデックスすべてにおいて、先月と比べて有意な変化(±1.5ポイント以上)を示した国はありませんでしたが、南アフリカと日本はそれぞれ2つのサブインデックスで有意な増加を示しました。一方、アルゼンチンと英国では、それぞれ2つのサブインデックスが大きく低下しました。
- 世界の雇用指数は現在55.7で、9月(55.6)からほぼ横ばいで、2020年1月の値(56.4)をわずかに下回っている。前月比で大幅に上昇したのは南アフリカのみで、ハンガリー、アルゼンチン、中国はいずれも大幅に低下した。
- 3ヵ月間安定していた世界の投資指数は、0.5ポイント低下して42.1となった。投資指数の低下は16ヵ月ぶり。インドと日本はそれぞれ前月比で大幅に上昇したが、アルゼンチン、イスラエル、英国、フランス、ブラジル、スウェーデン、ハンガリー、メキシコはいずれも前月比で大幅に低下した。
- 世界の期待指数は現在58.2で、先月から変化はない。南アフリカと日本では、先月に比べて期待が大きく上昇。イギリスのみが9月から大きく低下している。期待が2020年1月時点の水準よりも大幅に低い状態が続いているのは次の6カ国:アルゼンチン、トルコ、イスラエル、米国、メキシコ、南アフリカ
イプソスのインタラクティブポータル Consolidated Economic Indicators で、グローバル消費者信頼感指数およびサブインデックス(質問項目を含む)に関するグラフィック比較とトレンドデータをご覧いただけます。