世界の消費者信頼感は依然として低迷

世界の先進国の多くで、景況感の悪化が続いています。

イプソスのグローバル消費者信頼感指数は、今月は45.6となり、9月からほぼ横ばい(-0.1ポイント)で、またしても1年以上ぶりの低水準となりました。また、期待指数は12ヶ月連続の低下を示し、2020年12月以来の低水準に位置しています。

グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての国別指数の平均値です。イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームGlobal Advisor online platformで行われた、23カ国の75歳以下の成人17,000人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は、2022年9月23日~10月7日に実施されました。

世界の消費者景況感指数は過去8ヶ月間継続して低下し、現在では2月のウクライナ侵攻前より3ポイント低下しています。調査対象23カ国のうち17カ国が2月時点より大幅に低下し、4カ国(サウジアラビア、ブラジル、インド、トルコ)のみが大幅に上昇しています。

景況感の低下傾向は、ヨーロッパ諸国、米国、カナダ、日本で最も顕著です。G7のうち、米国、カナダ、ドイツ、英国、イタリア、日本の6カ国では、消費者信頼感はここ1年以上低下しています。

今回もトルコ(+3.3ポイント)とブラジル(+2.4ポイント)のみ、国別指数が前月比で大きく上昇しました。一方、ベルギー(-2.4ポイント)、スウェーデン(-1.6ポイント)、ドイツ(-1.6ポイント)は大幅な減少を示しました。

国別指数(National Index) のトレンド

中国が引き続き最も高い国別指数(69.8)を維持しています。他に国別指数が60を超える国は、サウジアラビア(69.5)とインド(64.3)だけです。

国別指数が50を超えた国は、オーストラリア(53.0)、米国(50.9)、ブラジル(50.4)の3カ国だけです。

スウェーデン(49.5)は2020年7月以来、カナダ(49.4)は2021年3月以来の50ポイント台割れとなりました。

現在、国別指数が40を下回っているのは、南アフリカ(39.3)、イタリア(38.7)、ベルギー(38.0)、韓国(37.9)、日本(37.3)、ポーランド(36.0)、トルコ(33.9)、アルゼンチン(33.5)、ハンガリー(29.8)の9カ国です。ハンガリーの消費者信頼感は6カ月連続の低下を示し、2013年11月以来の低水準になりました。一方、トルコの消費者信頼感は2020年3月以来の高水準に達しています。

パンデミック前の2020年1月と比較して、国別指数のスコアが大幅に上昇している国はわずか3カ国で。サウジアラビア、インド、オーストラリアです。一方、14カ国では当時より大幅に低くなっています。

雇用指数、期待指数、投資指数のトレンド

23ヵ国のうち、

  • ベルギーと中国は、消費者の金融、経済、雇用の見通しを示す「期待指数」が大幅に低下(少なくとも1.5ポイント)した。トルコとブラジルは2ヶ月連続で大幅な上昇を示した。  
  • 消費者の購買・投資意欲や 金融情勢・見通しを示す「投資指数」は、ベルギー、ドイツ、スウェーデン、スペイン、ポーランド、ハンガリーの6カ国が大幅なマイナスを示している。トルコ、ブラジル、南アフリカ、英国の4カ国は大幅なプラスとなった。
  • 中国とサウジアラビアは雇用指数の大幅な低下を示しているが、トルコ、イスラエル、南アフリカ、ブラジルは前月比で大幅な上昇を示した。

本調査について

これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) のデータに基づくものです。調査は毎月、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームを使用し、世界の17,000人以上(米国、カナダ、イスラエル、トルコ、南アフリカでは18~74歳、その他では16~74歳)を対象に実施されています。
毎月のサンプルは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国(本土)、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、英国、米国では1,000人以上、アルゼンチン、ベルギー、ハンガリー、インド、イスラエル、メキシコ、ポーランド、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコでは500人以上で構成されています。

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