世界的には消費者マインドは緩やかに回復を続けている
世界消費者信頼感指数は41.4で、前月 (40.9) から0.5ポイント上昇しました。8月は2カ月連続で世界的に消費者心理が好転し、6月を底に回復基調にあることを裏付けました。しかし、この指数はパンデミック以前の水準である1月を7.2ポイント下回ったままであり、10年以上にわたる歴史的な平均値を5.5ポイント近く下回っています。
世界消費者信頼感指数(Global Consumer Confidence Index)は、世界24カ国の国別指数の平均です。これは、イプソスが毎月17,500人以上の75歳未満の人々を対象にグローバルアドバイザー オンラインプラットフォーで実施する調査に基づいています。
今月、国別指数が1.5ポイント以上上昇した国は、中国 (+3.2) 、ポーランド (+2.4) 、トルコ (+2.4) 、ブラジル (+2.4) 、ロシア (+1.9) 、イタリア (+1.6) 、スウェーデン (+1.5) など7カ国。7月から8月で、国別指数が大きく下がったのはイスラエル (-2.0) と南アフリカ (-1.6) の2カ国のみで、今年の6月には、12カ国で前月比で大幅に下落していたのとは対照的です。
また、消費者の地域経済や財政状況、雇用などを反映した期待指数は、世界全体で52.2で、先月より0.7ポイント上昇しました。24カ国のうち11カ国で先月より大幅に上昇し、大幅に下落したのは4カ国です。世界的には、8月は、1月以来初めてプラス成長を記録した7月の期待指数の方向性が続いている形です。
国別指数(National Index)のトレンド
今年の1月と比較すると、中国 (+3.2) を除いた全ての国の国別指数が下落しています。国別指数は6カ国(イスラエル、メキシコ、アメリカ、インド、南アフリカ、ブラジル)で10ポイント以上下落し、ほか10カ国の下落幅は5~10ポイントです。
- 調査対象24カ国中11カ国は、今年1月には国別指数が50ポイント以上であったが、現在50ポイント以上なのは中国 (72.9) 、サウジアラビア (58.3) 、スウェーデン (51.3) の3カ国のみ。
- 一方、今年1月の時点では国別指数が35ポイント以下の国はトルコのみであったが、現在は南アフリカ (28.9) 、トルコ (32.7) 、日本 (33.1) 、スペイン (33.6) 、ロシア (33.8) 、メキシコ (33.8) 、ハンガリー (34.6) の7カ国である。
雇用指数、期待指数、投資指数のトレンド
世界的には、期待指数 (+0.7) 、雇用指数 (+0.5) 、投資指数 (+0.6) がいずれも前月から小幅の伸びを示しています。
- 雇用の安定と雇用の展望に対する信頼度を示す雇用指数(グローバルで47.2)は、今月に入って9カ国で大幅上昇した(前月6カ国、6月はなし)。1.5ポイント以上下落したのはわずか4カ国(前月5か国、6月は14か国)。
- 投資環境を示す投資指数(グローバルで35.0)は、トルコ (+3.0) 、ブラジル (+2.6) 、中国 (+2.3) 、ロシア (+1.5) 、ポーランド (+1.5) 、ドイツ (+1.5) の6カ国で大幅上昇した。ハンガリー(-2.4)だけが大幅に落ち込んでいる 。前月は3カ国、6月は15か国でが大きく落ち込んでいた。
詳細についてはプレスリリースをご参照ください。
イプソスのインタラクティブポータルConsolidated Economic Indicators (IpsosGlobal Indicators.com) では、グローバル消費者信頼感インデックスとサブインデックスに関するグラフ比較、トレンドデータ、それらのベースとなる質問をご参照いただけます。