2023 年 7 月、 多くのヨーロッパ諸国で消費者信頼感が急激に低下
イプソスの世界消費者信頼感指数は今月も引き続き安定しており、先月から0.2ポイント上昇し47.6となりました。調査対象の 29カ国のうち、7カ国は消費者景況感の大幅な上昇を示し、6カ国では顕著な低下が見られました。世界の現況指数と投資指数は 0.5 ポイント上昇していますが、期待指数は 0.5 ポイント低下しています。世界の雇用指数は2カ月連続でほぼ横ばいとなりました。
おそらく米国債の上限引き上げをめぐる議会での数カ月間に及ぶ争いに対する懸念と、米国の債務不履行に対する懸念が要因である先月の突然な下落の後、景況感は米国において最も上昇を見せました(+4.8ポイント)。
今月のスコアは米国にとって過去14カ月で最高となりました。
対照的に、今月は多くのヨーロッパ諸国で消費者信頼感が急激に低下しました。ハンガリーは依然不況に陥り高インフレに見舞われており、最も大幅な落ち込みを見せています(-4.7ポイント)。英国もインフレ圧力に直面しており、先月15カ月ぶりの高水準を記録した後、4.2ポイント低下しました。オランダ(-2.4)とフランス(-2.1)でも景況感は大きく低下しています。
グローバル消費者信頼感指数は、調査対象国すべての総合または国別指数の平均値です。イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームGlobal Advisor online platformで行われた、29カ国の75歳以下の21,000人以上を対象とした月次調査に基づいており、今回の調査は、2023 年 6 月 23 日~ 7 月 7 日に実施されました。
世界29カ国における消費者景況感
29 か国のうちインドネシア (63.7) が今月も引き続き最も高い国別指数を保持しています。ブラジル (60.0) は今月のスコアが 2013 年 2 月以来最高となっており、国別指数が 60を超える国の一つとしてインドネシアに並びます。
他に国別指数が 50 を超えてるのは7カ国です:メキシコ (57.2)、インド (56.8)、シンガポール (56.5)、タイ (56.0)、米国 (54.4)、スウェーデン (52.2)、オランダ (50.8) です。
対照的に、国別指数が 40 ポイントを下回っているのは、日本 (38.9)、アルゼンチン (37.3)、トルコ (35.7)、ハンガリー (32.7) の 4 カ国のみです。注目すべきは、韓国(41.7)が2022年7月以来初めて40ポイントを上回ったことです。
12カ月前との比較では、大幅な減少を示しているのはオーストラリア (-5.0) だけで、ブラジル (+13.9) とトルコ (+10.0) が引き続き最も上昇を示しています。
トレンド
イプソスのグローバル消費者信頼感指数 (調査対象 29 カ国全てに基づく) は、現在 47.6 で、 2 カ月連続で安定しています (+0.2 ポイント)。 2010 年 3 月以来の調査対象である「レガシー 20カ国」のみに基づくと、45.6 となります。
現在の個人の経済状況、購買や投資意欲、雇用の安定性を反映する現況指数は 29カ国全体で 0.5 ポイント上昇し 38.1 となっています。これは 4カ月連続で前月比で大幅に上昇しており、この期間内に 2.6 ポイント上昇しました。 9カ
国が大幅な上昇 (少なくとも 2 ポイント) を示し、7カ国で大幅な低下が見られました。
消費者の投資意欲を示す投資指数も29カ国の平均で先月から0.5ポイント上昇し40.2を記録しました。年初に不安定さが見られた同指数ですが、この4カ月で2.5ポイント上昇しました。 9 カ国が大幅な上昇を示し、7カ国が大幅な下落を見せています。
消費者の今後の経済状況に対する期待を示す期待指数は、0.5ポイント低下し55.9となりました。期待指数が大幅に上昇した国は 4カ国のみで、9カ国は大幅な低下を示しています。
雇用の安定と雇用市場に関する認識を反映する雇用指数はほとんど変化を示さず(+0.1)、今月は57.2に留まっています。 7カ国が雇用指数で大幅な上昇を示している一方、6カ国は大幅な低下を示しています。
注目すべきは、英国とハンガリーが 4 つのサブ指数すべてにおいて大幅な下降(少なくとも 2 ポイント)を示していることです。対照的に、イスラエルは 4 つのサブ指数すべてにおいて、前月比で大幅な上昇を示した唯一の国です。
本調査について
この調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームと、インドではIndiaBusプラットフォームを使用し29カ国で実施されている月次調査のデータに基づいています。これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) により毎月報告されるものです。
この調査結果は、インドでは18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳の成人21,200人以上を対象に実施された調査に基づく結果です。