2025年7月: 世界の消費者信頼感は今月も横ばい
イプソスの世界消費者信頼感指数は今月、横ばい(-0.1ポイント)で48.1となりました。指数は先月の上昇後も横ばいを維持しており、昨年同時期の水準とほぼ一致しています。
調査対象となった30か国のうち、6か国で消費者心理が大幅に向上し、5か国で顕著な低下が見られました。今月は4つのサブ指数すべてが安定を示しています。
2010年3月以降追跡している「レガシー20か国」のみに基づくと、指数は46.7となり、6月からほぼ変化なし(+0.1ポイント)となります。
アジア太平洋地域では動きにばらつきが見られました。マレーシア(-3.0ポイント)は2か月連続で3ポイント以上下落し、タイ(-2.8ポイント)も大幅に下落しました。対照的に、韓国(+4.8ポイント)はすべての国の中で最大の増加を示し、現在は2018年6月以来の最高点に達しています。
ヨーロッパでも消費者信頼感はまちまちです。ハンガリー(+3.1ポイント)、ドイツ(+2.2ポイント)、スウェーデン(+2.1ポイント)はいずれも今月大幅な上昇を示しましたが、イタリア(-3.2ポイント)とスペイン(-2.2ポイント)はともに大幅に減少しました。
世界消費者信頼感指数は、調査対象となったすべての国の総合指数(「国家」指数)の平均です。今月の指数は、イプソスのオンラインプラットフォームGlobal Advisorを通じて、30か国、75歳未満の成人21,000人以上を対象に実施した月次調査に基づいています。本調査は2025年6月20日から7月4日まで実施されました。
30か国の消費者心理
30か国の中で、インドネシア(61.3)が最高の国別指数スコアを獲得しました。今月、国別指数スコアが60以上を獲得したのは、インドネシアとインド(60.9)のみです。
他に、スウェーデン(56.2)、メキシコ(55.0)、オランダ(53.8)、米国(53.8)、シンガポール(53.4)、マレーシア(52.7)、英国(52.0)、ポーランド(51.7)、ブラジル(51.1)の9か国でも、国家指数が50ポイント以上となっています。
対照的に、国家指数が40ポイントを下回っているのは、ハンガリー(36.7)、日本(35.9)、トルコ(34.3)のわずか3か国です。
12か月前と比較すると、10か国で消費者心理が大幅に低下しています。対照的に、2024年7月から5か国で大幅な増加が見られ、最も顕著な増加はペルー(+7.6ポイント)です。
トレンド
イプソスの世界消費者信頼感指数(調査対象30か国全体に基づく)は現在48.1です。2010年3月以降追跡調査を行っている「レガシー20か国」のみに基づくと、46.7となります。
消費者の経済情勢認識、現在の購買行動、雇用、投資マインドを反映する現況サブ指数は、今月ほぼ横ばい(2025年6月比-0.1ポイント)で38.6となりました。合計7か国で現況サブ指数が前月比で大幅に上昇(少なくとも2ポイント)し、7か国で大幅に下落しました。
消費者の投資環境に対する認識を示す投資サブ指数は、今月大きな変化はなく(-0.1ポイント)、現在は41.0となっています。今月、投資サブ指数は 7 か国で大幅な増加が見られ、6か国で大幅な減少が見られました。
将来の経済状況に関する消費者の期待を示す期待サブ指数は、今月は安定(+0.2ポイント)し、現在は56.7となっています。6か国で期待サブ指数が大幅に上昇し、4か国で大幅に下落しました。
雇用の安定性と雇用市場に関する認識を反映する雇用サブ指数も今月は安定(-0.3ポイント)を示し、現在は57.4です。4か国では雇用サブ指数が大幅に上昇し、5か国では大幅に下落しました。
注目すべきは、4つのサブ指数すべてにおいて大幅な低下(2ポイント以上)を示したのはイタリアのみであるということです。対照的に、コロンビアと韓国は4つのサブ指数すべてにおいて前月比で大幅な増加を示しています。