ワールドカップ開催中の“ムードバタイジング“
バルセロナFCはアルゼンチン人選手(メッシ)とブラジル人選手(ネイマール)を一緒にプレーさせるというユニークな試みを行いました。それは絶大な効果がありました。今回イプソスではブラジル人とアルゼンチン人の広告リサーチャーが「ワールドカップ開催中のコミュニケーションの効果を最大限に引き出す方法」について記事を作成する(作成内容についても合意する)といういう、少し意外な取り組みを行いました。効果絶大とまでは言えないかもしれませんが、おそらく有益な内容です。
サッカーのワールドカップは感情の引き金を引く
ワールドカップのようなスポーツイベントは人々の情熱と感情が伴う、素晴らしい瞬間に立ち会えるイベントです。マーケッターの多くは、プライド、愛国心、 帰属意識などの特質を構築・増強できるコミュニケーションに対して投資できるチャンスがあればそれを利用します。なぜならマーケッターは、ブランドの構築・増強のためにこのような特質から生まれる価値をフル活用したいと考えているからです。そして、こういった特質を伝えるために、国の代表チームの存在が一役買っています。
この記事は、広告主が賭けに出る場合のリスクと利益に焦点を当てます。というのも、感情は驚くほどコロコロと変わるものだからです。
今回の前半部分では、イプソスがこれまで大規模イベントで重ねた多くの広告テストの経験から得た結果を紹介します。ここでは、適用できる目標や課題を特定し、「群衆のムードによって消費者のブランドに対する反応は大きく左右される」という考えを支持するエビデンスを共有しています。また、ワールドカップ開催後に紹介する予定の後半部分では、ムード要素が、消費者の潜在的反応に対し、実際どのように影響を与えるのかを示すエビデンスを共有する予定です。
イプソスの試み
イプソスでは、2002年のサッカー・ワールドカップなど、数多くの重要なスポーツイベントで開催前・開催中・開催後のマーケティング活動でブランドがどう効果的に利益をあげるかについて測定し、理解する取り組みを行っています。クライアントの依頼を受け継続的な調査を実施し、重要な調査結果を公表しております。
ワールドカップでは優勝チームがどこになるかわからないのと同じように、現実には広告主にも何が起きるかわかりません。そこでイプソスは、競争の激しいこの戦いで勝利するにブランドが熟慮すべき、重要な目標と課題を明らかにしました。
- 目標その1: 「群衆の注意を引く」
- 目標その2: 「あなたのゴールは人々の反応」
この2つの目標を達成するには、障害を乗り越えなければなりません。この記事では、その障害を乗り越えるための重要な課題を明らかにしています。
「ラッキーなのは良いけれど、準備と努力に勝るものはない」
国の代表チームがよい成績を収めるという幸運も少々必要ですが、ワールドカップでのマーケティングで成功するにはそのための準備が重要です。ですから、広告で成功する可能性を高めるためには、自社戦略の照準を、1)対象イベントに対する消費者のエンゲージメント、2)イベントによって描かれる価値観、3)ブランドの目的が前述の1)、2)に合っているかどうか、の3点に合わせます。
前半部分の分析結果をご覧になりたい方は、全文記事(英語、PDF形式)をダウンロードしてください。そして、ワールドカップ終了後の「後半」記事の発表をぜひお見逃しなく! 後半記事では「試合の勝敗結果によって変わる人々のムードに、消費者の潜在的反応はどのように左右されるのか」に関する分析結果を掲載する予定です。