2023年2月、世界景況感調査がさらに拡大しリニューアル

グローバル消費者信頼感指数は対象国を拡大と即時性の向上でさらに充実しました。

イプソスは消費者信頼感レポートを大幅に強化しました。月次ベースのグローバル消費者信頼感指数のカバレッジは、チリ、コロンビア、ペルー、インドネシア、マレーシア、オランダ、シンガポール、タイ、アラブ首長国連邦を追加し現在32カ国に及んでいます。新たに9カ国が加わったことにより、この調査は世界経済の84%をカバーすることになります。さらに、調査方法の変更により、インドの消費者市場のより広い範囲の景況感を捉えることができるようになりました。またイプソスは現在、3ヶ月平均ではなく、単月データに基づいてこの指数をレポートしています。これは、毎月発表される指標が各国の過去2~5週間の消費者心理を十分に反映していることを意味します。

グローバル消費者信頼感指数は、 調査対象国すべての総合指数または国別指数の平均値です。今月の調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームで行われた、32カ国の75歳以下の成人23,000人以上を対象とした月次調査に基づいています。これは、トルコとシリアで壊滅的な地震が発生する前の2023年1月20日~2月3日に実施されたものです。

今月追加された9カ国のうち、アラブ首長国連邦とインドネシアの2カ国は、消費者楽観主義の上位5カ国にランクインしています。他の3カ国は、中国が引き続き1位、サウジアラビアが3位、インドが5位でした。 新たに加わったシンガポール、オランダ、タイ、マレーシアはいずれも国別指数が50を超え、調査対象32カ国のうち上位半分に入っています。しかし、ペルー、コロンビア、チリはそうではありません。チリは、韓国や日本と同レベルで、唯一トルコとハンガリーを上回ってはいますが、下位5カ国の中に入っています。

今月は5カ国で国別指数が前月比で大きく上昇しました:英国が約5ポイント、ブラジル、ベルギー、ドイツ、スペインがいずれも約2ポイント上昇しました。一方4カ国では、1月と比較して大幅なマイナスが見られました:南アフリカとイタリアがともに4ポイント、ハンガリーとフランスがともに2ポイント低下しました。

12ヶ月前と比較すると、消費者楽観度が最も低下した国はスウェーデン(約15ポイント低下)、最も上昇した国はブラジル(約13ポイント上昇)でした。

トレンド

今月導入されたすべての変更を考慮すると、イプソス グローバル消費者信頼感指数は現在48.7となります。 新たに加わった9カ国を除くと、47.0となり、先月からわずか0.2ポイント差となります。今月の総合指数の安定性は、正反対の方向のトレンドを裏切るものです。

一方、消費者の経済情勢に対する認識や現在の購買、雇用、投資意欲を反映する「現況指数」は、先月調査した23カ国で平均1.2ポイント低下し、36.8ポイントとまずまずな結果となりました。全32カ国の平均では40.3ポイントとなります。新規参入国の多くは、平均よりも景気が良い傾向があり、特にUAEの現況指数は、サウジアラビアの79.5と10分の1ポイント差で僅差となっています。

同様に、消費者の投資意欲を示す「投資指数」は、23カ国の平均で前月から0.9ポイント低下し38.7となりました。ここでも、全32カ国の平均(42.3)を4ポイント近く下回っています。

一方、消費者の将来の経済状況についての見通しを示す「期待指数」は平均で0.5ポイント上昇しました。世界の主要国の中では、英国で6ポイント以上、ドイツで4ポイント以上上昇している一方、中国では4ポイント以上低下しています。 

雇用の安定と市場に関する見通しを示す「雇用指数」は、世界全体では前月比0.2ポイントの上昇にとどまり、より安定した傾向を示しています。しかし、米国、英国、ドイツなど5カ国で大きく上昇し、中国、フランスなど6カ国で大きく低下しています。


この調査について

この調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームと、インドではIndiaBusプラットフォームを使用し32カ国で実施されている月次調査のデータに基づいています。これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) により毎月報告されるものです。

インドでは18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳の成人23,200人以上を対象に実施されたインタビューに基づく結果です。

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