コロナウイルスの懸念が再燃ー「世界が懸念していること」
新型コロナウイルスは今年、世界中の個人、社会、政府にとって主要な関心事でした。これは、イプソスが世界27カ国で実施した「世界が懸念していること(What Worries the World) 」調査にも反映されています。コロナウイルスに関する懸念のレベルを、他の17の社会的・政治的問題と比較して追跡し始めて以来、コロナウイルスに関する懸念は常にトップで、現在では5カ月連続でトップの座を占めています。
新型コロナウイルスがすぐにはなくならない可能性があることを思い起こさせるように、8月の調査結果によると、コロナは自国が今日直面している最も重要な問題の一つであると答えた調査対象者の割合が、先月より3ポイント増えて46%になりました。これは、2020年4月以降の漸減傾向からの転換です。
今回の調査結果は、一部の地域でコロナの患者数が増加していることや、自分の居住地域や国が再びロックダウンに入る恐れがあることへの不安を反映している可能性があります(調査は7月26日~8月4日に実施)。
今月もベルギー、フランス、ドイツでコロナウイルスに対する懸念がトップになっており、先月に比べて関心が高まっています(ベルギーで+21ポイント、フランス、ドイツで+8ポイント)。
しかしながら、コロナウイルスの脅威に最も関心を持っているのがこの3カ国というわけではありません。最も懸念しているのは日本 (70%) で、次いでオーストラリア (67%) 、マレーシア (61%) 、スペイン (60%) 、イギリス (58%) と続きます。この表は、コロナウイルスについて最も懸念を抱いている10カ国と、先月からの変化を示しています。
今後の展望
全体的に見て、世界27カ国の調査対象者の61%が自国の状況が間違った方向に向かっていると回答しています。これは先月から変わっておらず、2020年では最も低い数字です。
自国が進む方向に最も満足していない国は以下の通りです。
- 南アフリカ (84%)
- ベルギー (82%)
- チリ (76%)
- アメリカ (74%)
- ハンガリー (73%)
- 日本 (72%)
- フランス (72%)
- ペルー (70%)
アメリカは 「間違った方向に進んでいる」 という回答が74%で、楽観度が歴史的な低さを示しています。年初は56%がそのように回答しており、そこから劇的に変化しました。他の国との比較では、アメリカは2020年1月に自国の進む方向性に満足している国の第5位でしたが、現在では悲観的な見通しを持っている国の第4位です。
詳細については、世界が懸念していること調査の2020年8月調査結果 のサマリーレポート をご覧ください。