世界が懸念していること:コロナが6か月連続で最大の懸念
イプソスが世界27カ国で実施している「世界が懸念していること調査(What Worries the World surve)」では、世界的大流行の間中ずっと、コロナウイルスが世界の最大の懸念であることを報告してきました。2020年4月に、ほかの17項目に加えてコロナウイルスに対する国民の不安ついて調査し始めて以来、毎月トップの座を維持しています。
9月の調査結果についても同様で、世界中の調査対象者の45%が、コロナウイルスは自国が今日直面している最大の問題の一つだと回答しています。
6か月分のデータを振り返ってみると、今日の不安定な現実から、いくつかの傾向が浮かび上がってきます。
4月に初めて調査に追加されたコロナウイルスの項目は、この調査でこれまでトップ5であった懸念事項に動きをもたらしました。最初の数ヵ月間はリーダーボードの大半を占めていましたが、コロナウイルスへの関心が (比較的) 穏やかなレベルに低下し始めるにつれて、「新しい常識」がどのようなものになるかを見極めるには時期尚早ではありますが、貧困や社会的不平等など、いくつかの問題はコロナ以前のレベルに戻り始めました。
失業への懸念は、過去12カ月で見られていたよりも高いレベルにあり、27カ国全体では10人に4人が失業への懸念を抱いています。一方、犯罪と暴力に関する懸念は高まっており、新たな傾向を示している可能性があります。
現在、失業について最も懸念している上位10カ国
- 南アフリカ (63%)
- スペイン (61%)
- イタリア (59%)
- インド (53%)
- 韓国 (51%)
- チリ (50%)
- マレーシア (50%)
- オーストラリア (49%)
- メキシコ (48%)
- ペルー (43%)
コロナウイルスの懸念
新型コロナウイルスが最も懸念されているのは27カ国中14か国で、先月と同数です。14カ国には現在、イスラエル、韓国、トルコなどが含まれており、ベルギーとドイツでは貧困と社会的不平等がでトップの懸念です。またブラジルの主な懸念はコロナウイルスとヘルスケアに分かれています。
アジア太平洋地域の国々がコロナウイルスを最も懸念しているようです。9月のトップ10は以下の通りです。
- 韓国 (72%)
- オーストラリア (63%)
- 日本 (60%)
- マレーシア (58%)
- スペイン (58%)
- 英国 (56%)
- インド (55%)
- ペルー (55%)
- サウジアラビア (54%)
- 米国 (54%)
私たちは未来についてどう感じているか
27カ国全体では、62%が、自国の方向性が間違っていると回答しています。自国の方向性について懸念を示す回答者の割合が高かった国は、南アフリカ (86%) 、ベルギー (78%) 、チリ (76%) 、スペイン (74%) 、フランス (73%) です。
先月以来、自国の方向性が間違っているという回答者の割合の伸びが大きかったのは、英国 (+8) 、イタリア (+6) 、アルゼンチン (+5) 、スペイン(また+5)でした。