最大の懸念は?失業、汚職、不平等の差がない

2017年、汚職と不平等が失業を抜き、最大の懸念となりました:世論調査

Man unemployed | What worries you the most ? | Ipsos世界的な金融危機から10年以上が経過した今でも、失業は世界中の人々にとって最大の懸念事項の1つですが、イプソスの最近の調査によると、過去2年間は汚職と不平等への懸念がそれを超えてきています。

最新の世界の懸念事項調査(Global Advisor’s What Worries the World) では、調査対象の世界28カ国の人々が最も懸念している問題を追跡し、2010年に調査を開始してからの9年間の結果を比較しました。

失業は、貧困と社会的不平等、汚職が第一位となった2017年後半まで、人々が懸念する問題の選択肢としてあげられる17項目の中で常に第一位でした。

"自分の玄関先にあるものが最も重要だ。"
Darrell Bricker, CEO, Public Affairs

それ以来、上位3つの問題はほぼ同じ割合でランクされ続け、世界の3人に1人は、そのうちの1つを最大の懸念事項として挙げています。

The world’s top 5 worries from 2011 to 2019

世界の懸念事項は一つではない

このレポートの著者であるPaul Abbate、Mathieu Doiret、Natalie Pearsonによると、ここ数年の最大懸念のまとまりは、これまでのように誰もが同意するような、飛びぬけて重要な世界的な問題が一つもないことを示唆していると言います。

「より多くの懸念が、より強く、より平等に叫ばれる、より混沌とした環境である。」と著者らはレポートの中で述べています。

Public Affairsの最高経営責任者であるDarrell Brickerは、最終的には世界中の人々が、自分や自分たちのコミュニティに直接影響を与えるものについて懸念していると付け加えました。

「自分の玄関先にあるものが最も重要です。失業は個人的な懸念であるし、貧困の影響は目に見えて分かります。」とBrickerは述べました。

そして「汚職の代償は税金と、地域社会の改善に使われるはずのお金を損失することで賄われています」と付け加えました。

Top worries by country in 2018

「安定の幻想」

しかし、過去10年間の大きな社会的、政治的、経済的発展にもかかわらず、世界の人々の上位5つの懸念は一貫して変わっていません。

著者らによると、過去100ヶ月以上の調査でほとんど変っていない世界の懸念事項トップ5によって「安定の幻想」が生まれました。しかしこの調査結果は、この間に多くの国々が経験した劇的な変化のいくつかを「仮面」で覆い隠しています。

Two men working | Employment | What worries you the most? | Ipsos

「調査で報告されたいくつかの懸念は、例えば移民や犯罪に関する現実の誤った認識に影響され、一部はメディアによって動かされているという証拠がある。」と著者らは述べました。

「懸念は本質的に主観的であり、感情的な反応を起こしやすいものです。そのため、報告された懸念が現実を反映しているとは限らず、誤った認識をしている可能性があります。」例えば、このレポートの中で3月に行われた別の世論調査では、調査対象者に自分の国は正しい方向に進んでいると思うか、間違っていると思うか、を質問したところ、58%が間違った方向に進んでいると回答しました。

自分の国が正しい方向に向かっていると感じている人は半数以下(42%)でした。しかしこれは、2017年以前の結果が一貫して40%を下回っていた時からの改善です。

著者

Related news