世界で最も裕福な人たちは、どこで休暇を過ごす?

休暇シーズンが真っ盛りとなりました。富裕層の人々は、所有物を増やすことよりもむしろユニークな体験を求めるようになってきており、これを反映して、ラグジュアリーな旅行市場が活気を見せています。世界の富裕層にはどのような旅行トレンドがあるのでしょうか?

巨大な購買力がある富裕層は、旅行ブランドにとって、サービスしがいのある顧客です。平均的な富裕層は、年に5回は旅行をし、限りある休暇期間中に散財することも躊躇しません。未だに市場として開発途上の中国でも、同国の富裕層の旅行者はすでに余暇の海外旅行で、年に9,000ドル以上費やしています。

Expenditures on international leisure travel in Asia Pacific region

特別感を求めて

世界の様々な地域で見られる新興中流階級も、旅行者数増加に一役買っています。利益を生み出すこのターゲット層が最も強く求めているのは、特別感です。人々が、以前よりも頻繁に、より遠くに旅行するようになった今、かつて未探究だった地域でさえも、ますます人で込み合うようになってきたのです。

特に、若い富裕層の独身者や、子供のいない既婚者は、よく知られていない場所を発見したいと考えています。例えば、ヨーロッパのミレニアル世代の富裕層においては、「探究や発見を重視している」と回答した割合が77%、「新しい旅の目的地を楽しむ」が79%となっています。このターゲットグループで比較的人気が高かったのは、サファリやトレッキングの冒険、贅沢なスパを楽しむ休暇、アクティブにスポーツをする旅行でした。

Most popular travel destinations for leisure trips for APAC and US Affluent

旅行のトレンド

人ごみから逃れたいと考えるヨーロッパの富裕層は、スペインを回避した方がよいでしょう。なぜなら、来年、スペインへ旅行に行こうと計画している人が540万人以上いるからです。同じく人気が高い国は、アメリカ(450万人)、イタリア(360万人)です。ヨーロッパの冒険好きのミレニアル世代が今後向かう目的地は、セイシェル、コロンビア、ペルーですが、裕福なベビーブーマーたちは、過ごしやすい水準でありながらもエキゾチックな休暇を楽しめる、南アフリカ、ナミビア、マレーシアなどに惹かれています。

Travel Destinations Next 12 Months for European Affluent

富裕層の旅行者はどこに滞在しているのでしょうか?アメリカやアジアの富裕層については、4つ星ホテルが最も人気の高い選択肢となっています。年齢によって明らかに違いはあるものの、アメリカでは38%、アジアでは36%の富裕層がこのタイプの宿泊施設を好んでいます。例えば、豪華なブティックホテルを利用するミレニアル世代の人数は、ますます増えていく状況にあります。アメリカ人の若い富裕層160万人はこのタイプの宿泊施設によく滞在すると回答しています。年配のターゲットグループの間で変わらず人気を博しているのはクルーズで、アメリカには総計380万人の固定客がいると考えられています。

グローバルな人々

Opinions about travel for European Affluent

富裕層のように頻繁に旅行する人にとって、世界は、自身の遊び場です。ヨーロッパでは、自身を「グローバル市民」と捉えている富裕層は57%に上ります。特に女性には、国際人的マインドを持つ人が多いようです。女性の4分の3近くが、外国文化に興味があると述べていますが、男性の富裕層におけるこの割合は67%です。

Ipsos Affluent Intelligenceでは、世界で最も影響力のある顧客にリーチし、彼らに対する理解を深める手助けとなるデータやインサイトを提供しています。1995年より、イプソス富裕層調査(Ipsos Affluent Survey)は、世界50か国、1億4,500万人の富裕層を代表する8万5,000人を対象に、メディア利用や消費習慣のトラッキング調査を行ってきました。現在の富裕層についての情報についてはイプソスにご連絡ください。

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