Ipsos Views:第10回 企業の評判を左右するもの
企業の評判が時代に翻弄されるのを目の当たりにするようになりました。直近ではパンデミックが企業の評判を左右するきっかけとなりました。これを示唆するデータからご覧ください。
パンデミック前後に一般消費者29カ国に聞いた「企業の信頼度」の業種別データでは、政府、製薬会社、金融の信頼度が上がっています。パンデミックがきかっけで信頼度を上げたことが考えられます。
「信頼できる職業」で医師が飛躍的に上昇しトップに上がったこともパンデミックの影響を裏付けています。
政府はパンデミック対策で安全保障を最優先しました。製薬会社の認可が早まりワクチンや治療薬、処方薬の郵送など、一気に利便性が加速。金融業界も政府と連携した経済支援で評価が上がったことが考えられます。
政府主導による企業の信頼度の変化は、気候変動への取組みにも表れます。企業評価の重要な軸にESGが含まれ、企業のCO2削減、DX促進と、政府の方針に従い責任を果たす企業とそうでない企業という分岐点が作られました。パンデミックや気候変動のように世界が一つになって立ち向かわなければならない相手が出来たことで、政府の主導権が強まり、その方針が企業の評判を左右しています。
もう一つ、企業の評判を左右するものとして忘れてはならないのが「メディア」です。実際の人々の信頼度は変わっていない、または上がっているのに、「下がっているように見える」ことが数値に表れています。
これは最近メディアで「分断された社会」「民主主義の危機」等の言葉を頻繁に目にするため、人々の信頼が揺らいでいるからではないかと考えます。(詳しくはhttps://www.ipsos.com/ipsos-mori/en-uk/ipsos-thinks-trust-truthをご覧ください)
悪い評判は連鎖を起こし、企業を危機的な状況に陥らせることがあります。そのような連鎖に流されないために必要なものが「信頼」です。一度築いた信頼はフェイクニュースのような一時的なダメージでは崩れないことが分かっています。ステークホルダーと強い信頼関係を築いている企業は「善意の解釈」が企業を守る力となって働くからです。
10年単位の流れで見ると、企業の評判や人々の「信頼」に大きな変化は見られませんが、時代とともに信頼を揺るがす要因が現れます。時代のニーズに敏感に反応しスピーディに反応すること、他人の声に流されない信頼の基盤を盤石にしておくことが益々重要になっています。
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