消費者信頼感は 3 月の世界景況感調査で安定して推移

「現況指数」と「投資指数」はわずかに低下し、「期待指数」と「雇用指数」はほとんど動きがありません。

イプソスのグローバル消費者信頼感指数は、48.5となり、先月から0.2ポイント低下しました。現況指数と投資指数はそれぞれ1ポイント近く低下しましたが(それぞれ-0.7、-0.8)、期待指数と雇用指数は2月以降安定した数値を維持しています。

グローバル消費者信頼感指数は、 調査対象国すべての総合指数または国別指数の平均値です。今月の調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームで行われた、32カ国の75歳以下の成人23,000人以上を対象とした月次調査に基づいています。本調査は2023年2月17日~3月3日に実施されました。


今月国別指数が前月比で大きく上昇(=2ポイント以上)した国は、チリ、中国、ベルギー、イタリア、イスラエル、ハンガリーの6カ国です。またオーストラリア、アルゼンチン、ペルー、トルコ、マレーシア、インドネシアでは大幅な減少が見られました。

今月最も高い国別指数を記録したのは中国(77.3)で、他にはサウジアラビア(71.6)とアラブ首長国連邦(70.7)のみが国別指数のスコアが70を上回っています。

そのほか、インドネシア(62.3)、インド(57.2)、ブラジル(56.2)、メキシコ(55.8)、シンガポール(55.3)、オランダ(53.0)、マレーシア(51.5)、米国(51.4)、イスラエル(50.1)の9カ国で国別指数が50ポイントを上回っています。

一方、国別指数が40を下回っている国は、 南アフリカ(38.6)、ポーランド(38.3)、韓国(37.7)、日本(36.1)、アルゼンチン(35.3)、ハンガリー(32.1)、トルコ(31.6)の7カ国です。

12ヵ月前と比較すると、ハンガリー(-12.5)とスウェーデン(-10.1)で消費者心理が最も急落し、メキシコ(+9.6)とブラジル(+9.2)で最も上昇しました。

トレンド

イプソスのグローバル消費者信頼感指数は、現在48.5となりました。最近追加された9カ国を除くと47.0となり、先月と同じ数値となります。

消費者の経済情勢に対する認識や現在の購買、雇用、投資意欲を反映する「現況指数」は、32カ国の平均で前月比0.7ポイント減の39.6となりました。前月比で2ポイント以上の大幅な上昇を示した国はわずか5カ国で、8カ国は大幅な減少を示しました。

同様に、消費者の投資意欲を示す「投資指数」は、前月から0.8ポイント低下し、32カ国の平均で41.6を記録しました。大幅な減少を示した国は11カ国で、大幅な増加を示した国はわずか6カ国でした。

将来の経済状況についての見通しを示す「期待指数」は0.4ポイント上昇し、57.5となりました。中国では先月から4ポイント上昇し経済の見通しが回復していますが、オーストラリアでは4ポイント近く低下しています。合計で8カ国が期待指数を大きく上昇させ、4カ国だけが大きく下降さ せました。

雇用の安定と市場に関する見通しを示す「雇用指数」はわずか0.2ポイントの上昇にとどまりました。雇用情勢は中国でも回復していますが、トルコ、コロンビア、オーストラリアでは大幅に低下しています。7カ国が雇用指数の大幅な上昇を示し、6カ国が大幅な下降を示しています。


本調査について

この調査は、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームと、インドではIndiaBusプラットフォームを使用し32カ国で実施されている月次調査のデータに基づいています。これらの調査結果は、Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) により毎月報告されるものです。

この調査結果は、インドでは18歳以上、カナダ、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳の成人23,200人以上を対象に実施された調査に基づく結果です。

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