新型コロナウイルスの大流行が気候リスクを上回る
これまで過小評価されてきたパンデミックや感染症に関連したリスクは、2019年の8位から2020年にはトップに順位を上げています。気候変動に関連するリスクは第2位で、数年前からトップを守っていましたが順位を下げました。気候変動はヨーロッパでは依然としてトップですが、アジアとアメリカでは3位に落ちています。特に北米では、このリスクを重視する専門家の割合が2019年の71%から2020年には46%に低下しました。
サイバーセキュリティリスクは第3位にランクされています。今年はテクノロジーが新しく広く採用され、ロックダウン中にサイバー攻撃が爆発的に増加したことで、注目度が高まっています。特に、サイバー戦争の危険性に対する認識が高まっています。専門家の47%が主要な安全保障上の脅威と見ており、昨年の37%から上昇しています。また、サイバー攻撃による重要なサービスやインフラの停止リスクも高まっています(51%、+7ポイント)。
第4位は地政学的リスクです。国家間のデジタル戦争のリスクは大幅に増大しており、専門家はこれを新たな安全保障上の最大の脅威とみなしています。社会不安のリスクは第5位に入りました。

「リスクを理解し予測することは、保険ビジネスの中心である。AXAの将来のリスクレポート(Future Risks Report)は、私たちの社会に影響を与える主要なリスクトレンドを知り、備えるための重要なツールだ。」
「この第七版はもちろん、新型コロナウイルスの大流行という例外的な状況を特徴としている。それは健康を主要な問題として強調している。私たちはこの問題を何年も過小評価してきたので、これを肯定的な変化と考えている。しかし、これは、現在の最も重要で差し迫った課題である気候変動との闘いに影響を与えてはならない。昨年に続いて2020年版でもリスクの相互関連性が高まっていることを強調し、われわれの経済と社会の回復力を強化するために包括的かつ協調的な解決策を求めている」と、AXAのCEOである Thomas Buberl氏は述べています。
一般市民の調査は、2020年7月2日~21日、イプソスアクセスパネルを通じ、世界15の国と地域で18,997人を対象にオンライン調査を実施しました。各国・地域のサンプル数は下図のとおりです。

