イプソス |Data dive | AIの時代におけるフェイクニュース |人工知能(AI)
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Data Dive: AI の時代におけるフェイクニュース

29 カ国の人々は、AIがオンラインで人々を騙し、誤った情報を信じ込ませやすくしているのではないかと懸念しています。

事実とフィクションを見分けることは、かつてないほど困難になっています。

AI の時代においては、ディープフェイク 動画や ChatGPT によって書かれた文章に騙されるのは非常に簡単です。

「AI が生成したもの」と「ほんもの」とを見分けることが難しくなり、多くの人がこの発生期にあるテクノロジーと、それが人間によってどのように使用されるかについて不安を感じています。

世界中の人々はすでに、さまざまな企業、職業、組織に対してかなり懐疑的になっています。

イプソス 日本の内田俊一CEOは「そもそも人は政治家やメディアをそれほど信頼していない」と指摘します。

実際、イプソスのグローバル信頼度調査の最新版によると、政治家を信頼できると考えているのは、31カ国の平均で、14% と非常に低く、ジャーナリストを信頼できると考えているのはわずか 25% という結果でした。

新しいテクノロジーの利用が進むことで、今後数年間で信頼度がさらに低下するかどうかはまだわかりません。

私たちがすでに目にしてきたのは、ドナルド・トランプ前米国大統領が2020年の大統領選挙が不正に行われたと主張したこと、2022年のウクライナ侵攻、そして今月のイスラエル・ハマス戦争に至るまで、激震的な出来事が起こると、誤った情報やディープフェイクがオンラインで山火事のように拡散するということです。

以下では、この緊迫した時代に、29カ国の人々がフェイクニュース、嘘、ミスインフォメーションについてどのように感じているかを見ていきます。

イプソスが2023年4月に実施したAIと偽情報に関する29か国グローバル調査によると、3 人に 2 人はフィクションと事実を区別できると確信しています。
29カ国中27カ国の過半数は、自分は本物を見分けることができると回答しています。
「ほんもののニュースとフェイクニュースを見分ける自信がある」という意見に賛成する人が半数以下なのは、韓国 (45%) と日本 (34%)だけです。内田は「謙虚であることは「日本文化の大きな特徴」であり、それが自信のなさの原因かもしれない」と指摘しています。

  1. 真の政治家は現れるのか?
    トランプ前大統領は、「フェイクニュース」という言葉を広めたことを含め、多くのことを自らの功績にしています。

    主要な報道機関が意図的かつ継続的に嘘をついている、といった種を蒔いたことが、元リアリティ番組のスターが2016年に大統領に当選するのに役立ったように見えます。
    トランプ政権下の政治情勢を考えれば、2018年に米国人の3人に2人強(69%)が、米国での政治やメディアにおける嘘や事実の誤用が30年前よりも増えたと答えたのも不思議ではありません。
    嘘や事実の誤用が増加していると考える人は、バイデン米大統領の下、2023年には5ポイント低下して64%となりましたが、それでも他のG7諸国よりは高くなっています。これに対し、英国人の 59% は、1993 年と比較して 2023 年の方が、自国の政治やメディアにおける嘘や事実の誤用が増加していると考えており、次いでカナダ人の 56%、フランス人の 55%、ドイツ人の 53%、イタリア人の 44% 、そして日本人の35%となっています。
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  2. フェイクニュースに国境なし

    米国の北に隣接する国々は、AIが悪い状況をさらに悪化させるのではないかと懸念しています。
    29カ国中、カナダ人が最も懸念しており、64%がAIがミスインフォメーションを悪化させるのではないかと懸念しています。米国人の場合は56%が同様の懸念を抱いています。「カナダ人は、地元メディアや報道機関の数が減少しているのを目の当たりにしている。彼らは、政府がますます複雑化する問題に対処できるとは感じていない。またテクノロジーと科学に対する彼らの見方はかなり功利主義的で、それを支持する一方、同時にコントロールすることも望んでいる」とイプソス カナダのパブリック・アフェアーズ担当プレジデント、Mike Colledgeは述べています。「オンライン情報は自分たちの手に負えないものだと考えており、報道機関の減少や政府が機能していないと考えていることから、十分な抑制と均衡が保たれていないと感じているのだろう。これは彼等を非常に脆弱にさせる完璧な嵐なのだ。」
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  3. リアルな偽物

    AI が誤情報を悪化させるかどうかについては、一部の国の人々が他の国よりもかなり懸念を示している一方、世界的には大多数 (ドイツの 64% からインドネシアの 89%) が、AI が非常にリアルなフェイクニュースの記事や画像を簡単に生成できるようにしていることに同意しています。
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  4. 非現実的な世界における現実

    私たちのスマートフォンの画面には、日々絶え間なく情報が流れています。
    そして多くの人は、何がゴミで何が宝なのかを他人が見分けられるかどうか確信が持てません。なぜなら、自国の平均的な人々が本物のニュースとフェイクニュースの違いを見分けられると確信している人は半数に満たないからです。
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  5. 私は騙されない!

    一方、3 人に 2 人は、真実とフィクションの区別がつくと確信しています。
    29カ国中27カ国の過半数が、本物を見分けることができると回答しています。
    「本物のニュースとフェイクニュースを見分ける自信がある」という意見に賛成する人が半数以下なのは、韓国 (45%) と日本 (34%)だけでです。
    内田は、謙虚であることは「日本文化の大きな特徴」であり、それが自信のなさの原因かもしれないと述べています。内田は、多くの人々が 「フェイクかそうでないかを見分ける技術や方法を持っていない 」と率直に指摘しています。
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本調査について

これらは、2023年4月21日~5月5日に、イプソスのGlobal Advisorオンライン調査プラットフォームとインドでは同社のハイブリッドIndiaBusで実施した29カ国の調査の結果です。インドでは18歳以上、カナダ、アイルランド、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他20カ国では16~74歳の成人21,816人を対象に調査を実施しました。

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