アクショナブルなデータを人間的なものにする5つのドライバー

データのためのデータの時代は終わりました。いま、成長を可能にするためにデータの実用性が緊急に求められています。テクノロジー企業も市場調査企業もデータの実用化を加速する必要に迫られており、そのためには人間的データモデルを構築する必要があります。

Five drivers for humanising actionable data | IpsosプラットフォームやAI、ビッグデータに注力するテクノロジー企業は、技術主導の成果に人間性を欠いており、「ディープテックモデル(deep-tech models)」を望んでいます。

一方、購買や消費、社会的コンテキストにおける意見、感情、行動などの人間的側面を測定することに注力する市場調査企業は、技術的なスケールを欠いています。異なる角度からの来ていますが、どちらの企業も知識ベースの変革戦略をサポートするためには「人間的データモデル」の構築の必要性があります。

その理由は?

今日のブランドや組織は「ディープテック」や「人間的データ」のバリューチェーンをフルに活用できれば飛躍的な成長を遂げることができるでしょう。実際、彼らはデータと高度な分析の時代に競争するための基盤を再構築し、AIの台頭を中核として新たなビジネス機会を定義し、AI戦術から完全なAI 主導のテクノロジーとビジネス競争をつなぐデータ変換へと移行しています。しかし企業はこれを加速する必要があります。最近の MIT と BCGの2019年調査によると、データ変換を完了した企業はわずか20%(AIとAI製品のチームの両方が大規模に)で、2018年に比べて2ポイントしか増加していません。

このように、アルゴリズムを超えた競争上の優位性と価値を生み出す必要があります。私たちは組織内のビジネスマン、市場の顧客や社会の市民、人間の次元から切り離された「だからなに?」という問題から広がるアルゴリズムとそのレガシーにとらわれてはなりません。

データとAIの課題は、次のAI機能を開発することではなく、戦術的なゴールから戦略的な目標へと移行することです。顧客を捉え狙うことから顧客を包括的に理解し予測することへ、あるいは断片的なデータとAIプロジェクトから最小必要数を抱合した本当の組織変革を起こすことです。

何を?

このコンテキストにおいて、市場調査とデータインサイト企業は、民間と公共機関における人間(消費者、顧客、市民、従業員)を中心としたアプローチのでデータ変換、いわゆる人間的データモデルにシフトする責任を負っています。

イプソスは「Total Understanding」というグローバルな変換プログラムのなかで、人間的データモデルの構築に深くかかわっています。私たちは社会、市場、人々からのデータを活用し、2019年9月に設立されたGlobal Science OrganisationではデータサイエンスとAIのエキスパート、学術、パートナーシップでリサーチのバリューチェーン全体の一部として市場調査の先駆者となります。

どうやって?

では、テクノロジー環境でデータを人間的にするにはどうすれはよいのでしょうか。私のイプソスでの経験、様々な業界の多くのクライアントとの会話、「データの活用」をテーマにした Websummit 2019に参加した際のテクノロジー企業との円卓会議での意見交換、「ヒューマンデータとは」に関するCorporate Innovation Summitでのワークショップなどから導き出した私の考えをまとめてシェアしたいと思います。

  1. 人間的データは特定の企業環境、スキルセット、文化を創り出す必要がある
  2. 人間的データとはビジネスや人に関するデータと知識をつなぎ、統合、ハイブリット化することである
  3. 市場調査会社は人間的データに関して独自の立場にある。それは人、市民、顧客に関する知識という元来のスキルを持っているからである

著者:Helen Zeitoun, CEO Ipsos in France & CEO Global Science Organisation

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