Flair Thailand 2017  懸念の向こう側

Ipsos Flair Thailandへようこそ。2017年版「懸念の向こう側」では、現在のタイの雰囲気をユニークな見方でお伝えします。2017年は低成長に苦しむタイ経済にとって非常に重要な年です。
  1. タイは悲しんでいる。ラマ9世国王の崩御と、彼が支配した70年の安定の終焉を深く悲しむ感情が広まっている。ラマ10世の即位は、希望と新しい始まりの可能性を示している。
  2. タイは緊迫している。「タイらしさ」の将来が脅かされている。それは、輸出の減少、自動車生産の減少、トランプ大統領の保護主義政策、高齢化する人口(2050年までにタイの3人に1人は60歳以上になる)、英語を話す人の割合が未だ低いこと、投資家と観光客を誘致する地域間の競争など、様々な要因が不安を掻き立てている。
  3. タイは非常に重要な一年を過ごしている。タイ経済は低成長に苦しんでいる。政府はイノベーションと持続可能な技術に焦点を当てた価値ベースの経済「タイ4.0」を掲げ、国を先に進める明確な野心を示している。しかし、詳細は示されておらず、どのように達成されるのかは未だ不明だ。
  4. タイの家族構造が変化している。30代で両親と一緒に暮らす人が増えている。また、独身でいる期間がこれまでより長くなり、出生率が低下し、人口の高齢化が進んでいる。一方で、両親と一緒に暮らしながら仕事をしている人は、住居や生活のすべての費用を自分で支払わなければならない人よりも、はるかに大きな購買力を持っている。
  5. タイはインターネット中毒だ。タイは東南アジア有数のインターネット利用国の一つだ。Eコマースは急速に発展しており、従来型の流通は、より魅力的なオファーや大幅な割引をしなければ対応できなくなってきている。
  6. タイは国内ブランドに誇りを持っている。より身近なのだ。ほとんどの人がまだ英語が堪能ではないので、タイ語の表現は見たらすぐに理解でき、解読でき、信頼できるかできないかの判断ができるのだ。国内ブランドは競争力もある。タイ企業は業界のグローバルリーダーと戦っている。Est ColaChangeが、ペプシコーラとカールスバーグを退けたように、The Pizza Companyはピザハットよりも混み合っている。
  7. タイは小さなブティックを好む。一方、驚くほど豪華なショッピングモールがある。そして他方では、自分らしさを反映させることができたり、独自のカスタマイズできる「何か」をブランドに求めている個性的な顧客のためのニッチブランドやブティックにもチャンスが増大している。
  8. タイは不平等に取組まなくてはならないことを理解している。コロンビア、ブラジル、マレーシア、インドネシアなどの同様の規模の経済に比べて、貧富の差が大きい。近年、これらの国々では格差は縮小しているが、タイだけは拡大している。タイは所得格差の点で世界でもトップの国であり、金と富は少数の裕福な人々に集中している。事実は明確であり、問題解決について経済学者と政治家で議論されている。
  9. タイは健康問題に直面している。高齢者の増加は問題であるが、もう一つの問題は太りすぎで肥満のタイ人の増加である。タイは、肥満人口の多いアジア太平洋地域上位5カ国であり、タイ厚生省によると、まもなくタイの「脂肪腹ネットワーク」のメンバーは2100万人になるだろう、とされている。
  10.  タイは清潔にする必要がある!果物や野菜を繊細で魅惑的な形に彫る人々が、ペットボトルやあらゆる種類の廃棄物が点在する運河に無関心なのには驚く。この廃棄物は洪水の原因の一つである。プラスチックゴミはすべてのゴミの5分の1を占め、タイ人は1日に1人あたり平均8個の袋を使用する。環境問題に取り組むには政府の対策が必要だ。しかしより重要なのは消費者の心の変化だ。

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