アースデイ2022:二酸化炭素排出量の削減に適した行動を正しく認識できる人は少ない

イプソスの新しい調査によると、世界の人々が、二酸化炭素排出量の削減に最も効果のある環境にやさしい変化を起こす可能性はあまり高くないことがわかりました。乳製品を減らす(41%)、肉を減らす(44%)、家庭の暖房を低炭素型に変える(44%)など、二酸化炭素排出量の削減に最も効果的な方法であるにもかかわらず、実行する可能性があると回答したのは半数以下です。

世界の国別平均では、包装の多い製品を避けることで排出量を減らそうとする人が最も多くなっています(58%)。中国(76%)、韓国(72%)、マレーシア(68%)で最も支持されています。新しい商品の購入を避ける(54%)、家庭で水を節約する(52%)、家庭でエネルギーを節約する(52%)も、支持されている選択肢です。


半数(49%)が、自動車やバイクを運転するよりも、徒歩や自転車、公共交通機関を利用する可能性があると回答しています。Environmental Research誌に掲載されたDiana Ivanovaによる研究*によると、車を使わない生活は、二酸化炭素排出量を減らすための最も有効な方法で、BEV(バッテリー式電気自動車)への切り替え、フライトを1回減らすことがそれに続きます。46%の人が、今後1年間は飛行機を利用しないか、一部のフライトを電車やバスに置き換える可能性があると回答しています。

世界中で、温室効果ガスの排出量削減に最も効果のある行動を正しく認識できる人はほとんどいません。その中で、排出量削減のために最も効果があるのは「リサイクル」(49%)と答える人が最も多いようです。しかし、上記の研究によると、リサイクルの順位は60番目です。

市民が選んだ行動のトップ5のうち、実際に影響のある行動トップ10に入ったのは2つだけです。

  • 再生可能エネルギー電気の購入に切り替える (30%) - 実際の順位は4位 

  • 包装の削減 (28%) – 実際の順位は38位 

  • 購入するものを減らす/より耐久性のあるものを購入する (22%) – 実際の順位は46位  

  • 公共交通機関に移行 (22%) – 実際の順位は5位 

最も影響のある行動第1位の「車を使わない生活」を選択したのはわずか15%です。

排出量を減らすために人々ができる最も影響力のある行動であり、公共交通機関へのシフトももう一つの重要な行動であるにもかかわらず、世界の人々の意見は、車を運転することと、徒歩、自転車、公共交通機関をより多く利用することに二分されています。中国(72%)、インド(65%)、ペルー(65%)の人々は、自動車を使わず、徒歩、自転車、公共交通機関をより多く利用する可能性が最も高く、米国(33%)、カナダ(34%)、スウェーデン(34%)の人々は、二酸化炭素排出量を減らすためにこの変更を行う可能性は最も低くなっています。

イプソスのUK Climate Change & Sustainability Practiceのヘッドと務めるDr. Pippa Baileyは、次のように述べています。「 私たち市民が二酸化炭素排出量を減らすためにできることについては、人々が信じていることと現実の間にまだかなりのギャップがあることが明らかだ。だから、教育には継続的な役割があり、大きなプラスの影響を与える問題にもっと焦点を当てる必要がある。特に先進国では、個人的な移動手段から公共交通機関や徒歩、自転車の利用に移行するなど、より困難な生活の選択もある。しかし、人々は再生可能エネルギーへの移行の必要性を明確に認識しており、この分野での変化に対する抵抗は限定的であると思われます。」


調査方法:イプソスは、世界30カ国の16~74歳、ノルウェーの16~99歳の成人23,577人の代表サンプルを対象に、2022年2月18日~3月4日にイプソスのオンラインパネルシステムを使用して調査を実施しました。データはこの調査対象の人口構成に一致するように加重されています。すべての世論調査は幅広い潜在的な誤差の要因に左右される可能性があります。
レポートに含まれる国は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国本土、チリ、コロンビア、フランス、英国、ドイツ、ハンガリー、インド、アイルランド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ノルウェー、ペルー、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、米国です。

 

* 出典: Ivanova et al, 2020. Quantifying the potential for climate change mitigation of consumption options.

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