34カ国の10人に7人がプラスチックによる汚染を阻止するための世界的ルールを支持
イプソスが発表したプラスチック汚染防止条約に関する世界的な意識調査によると、34カ国平均で70%が、プラスチック汚染をなくすために各国政府が世界的なルールを作るための条約を支持していることが明らかになりました。
プラスチックフリー財団 Plastic Free Foundationと WWFの協力のもと、イプソスのグローバルアドバイザー オンライン調査プラットフォームGlobal Advisor online platformを通じて、34カ国の75歳以下の成人23,029人を対象に調査が行われました。
国連環境総会(United Nations Environmental Assembly、UNEA)は、2024年までにプラスチック汚染と戦うための国際的な拘束力を持つ条約を締結することを約束しました。ただし、このような条約の詳細やその適用範囲については、まだ明確にされていません。
10人に7人がグローバルなルールを決める条約を支持
プラスチック製品による汚染をなくすために、各国政府がグローバルなルールを作るという条約への支持は、ラテンアメリカ(77%) とヨーロッパ(72%)で最も高く、北米(60%)で最も低くなっています。このような条約への支持が最も高い国はペルーとコロンビア(ともに81%)で、支持が最も低い国は日本(48%)と米国(58%)です。
イプソス・オーストラリアでパブリックアフェアーズ部門ディレクターを務めるStuart Clarkは、次のように述べています。「私たちの前回の調査では、調査対象国の90%の人々がプラスチック汚染を止めるための国際条約を支持していることが明らかになった。今回の新しい調査では、あらゆる国が同様の国際的なルールに合意することへの強い支持が浮き彫りになった。」
プラスチック汚染に対する包括的な対策への支持
この調査では、世界の消費者が、プラスチック汚染に取り組むために、条約に5種類の対策を盛り込むことが重要であると考えていることも明らかになりました。
Stuart Clarkは次のように述べています。「生産者責任の拡大や製品の明確な表示など、禁止を超えた対策に対するこれらの高い支持は、世界的な条約の中で各国が協力して包括的なルールを実施することへの強い願望が表れている。」
- 不要な使い捨てプラスチックを禁止する世界的なルールが重要であると考える人は、調査対象国のいずれにおいても過半数を超え、グローバルの平均でも75%に達している。今回も特に支持率が高いのはラテンアメリカ(81%)で 、次にヨーロッパ(74%) となった。国別では、メキシコが87%と最も高く、次いでコロンビア(85%)、ペルー、チリ、韓国(いずれも82%)となっている。不要なプラスチックを禁止するための世界的なルールへの支持が高い。日本は、不要なプラスチックを禁止する世界的ルールへの支持率が最も低く(54%)、次いでイスラエル(60%)、スウェーデン、米国(ともに63%)となっている。
- 34 カ国の調査対象者の大多数が、簡単にリサイクルできないタイプのプラスチックを禁止するグローバルなルールが重要であると考えており、世界平均で 77% となった。このようなリサイクル困難なプラスチックを禁止することを最も重要視しているのはやはりラテンアメリカ(84%)で、次いでAPAC諸国(75%)であった。北米(71%)、G7諸国(72%)ででは最も重要視されていない。国別ではコロンビアが88%と最も高く、次いでペルー(87%)、メキシコ、チリ(ともに86%)となっている。最も重要視していないのは、またもや日本(53%)で、次いでスウェーデン、イスラエル(69%)であった。
- 調査対象国の大多数は、プラスチック包装の削減、再利用、リサイクルについて製造業者や小売業者に責任をもたせる規則を条約で定めることが重要であると考えており、グローバルの平均で78%であった。このような規則への支持はラテンアメリカが最も高く(83%)、G7諸国と北米は最も低くなっている(ともに73%)。南アフリカとメキシコは、プラスチック包装の削減、再利用、リサイクルについてメーカーと小売業者に責任を持たせることを最も重要視している(ともに86%)。日本はこれを最も重要視しておらず(56%)、次いでポーランド(69%)となっている。
- さらに、すべての新しいプラスチック製品に再生プラスチックを使用することを義務付けるグローバルなルールが重要であると考える人が明らかに過半数を占め、グローバルの平均で76%であった。このようなルールの重要性が最も高いのはラテンアメリカ(83%)で、最も低いのは G7 諸国(71%)である。国別では、メキシコ(87%)、南アフリカ(85%)、ペルー(85%)で最も重要だと考えられている。また、このようなルールの重要性が最も低いのは日本(52%)、次いでスウェーデン(65%)、サウジアラビア(68%)であった。
- また、プラスチック製品を責任を持って分別し、再利用、リサイクル、廃棄する方法を明確にするための表示を義務付けることが重要であると考える人が圧倒的に多く、グローバルの平均で77%であった。このようなラベリングに関するルールの重要性が最も高いのはラテンアメリカ(84%)とAPAC諸国(78%)であり、最も低いのはG7諸国と北米(ともに74%)であった。グローバルなラベリングに関するルールの重要性は、コロンビアとペルー(共に88%)で最も高く、日本(63%)とスウェーデン(67%)で最も低い。
本調査について
これは、2022年8月26日~9月9日に、米国、カナダ、アイルランド共和国、イスラエル、マレーシア、南アフリカ、トルコの18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他24市場の16~74歳の成人23,029人を対象に、イプソスのグローバルアドバイザー オンライン調査プラットフォームで実施した調査の結果です。南アフリカの50 %のサンプルは、2022年9月30日~10月7日の間に収集されました。