「AIにワクワクする」を感じている日本人51%
調査結果のサマリー
- 「AIを使った製品やサービスには短所より長所が多い」、「AIを使った製品やサービスにはワクワクさせられる」、いずれの設問にも「そう思う」と答えた日本人はそれぞれ52%、51%。
⇒アメリカやEU加盟国を上回り、先進国の中でもポジティブな結果であった。 - 「AIを使った製品やサービスは、今後3~5年の自分の日常生活を大きく変えるだろう」という設問に「そう思う」と答えた日本人は65%。
⇒調査対象国の平均値(66%)とほぼ同数であり、半数以上が自身の生活に何らかの影響があると考えている。 - 一方、「今後3~5年でAIの使用が増えることによって、自分の仕事がどのように変化すると思われますか?」に対して「良くなる」と回答した日本人は19%。
⇒31カ国中最下位で、各国平均を大きく下回った。AIへの期待感や日常生活の変化の可能性は感じながらも、「仕事」など個別のシーンに対しては、具体的に何かをイメージするまでには至っていないことが伺える結果となった。
調査背景
イプソスではAIという時代を変える技術が社会に与える影響に着目しています。最初の同様の調査は2021年11月に行いました。今後も時系列で、社会の変化を捉えていく予定です。
調査結果
「AIを使った製品やサービスには短所より長所が多い」「AIを使った製品やサービスにはワクワクさせられる」それぞれの設問に、「そう思う」と回答した日本人の割合は52%、51%。アメリカやEU加盟国の数値と比較すると、AIに対する期待値が大きいことが分かります。
「AIを使った製品やサービスは、今後3~5年の自分の日常生活を大きく変えるだろう」という設問に、「そう思う(大いに/ある程度)」と答えた日本人は65%でした。過半数が自身の生活になんらかの影響があると予測していることがわかります。またこの回答は、主要先進7カ国の中で最も高い数値でもありました。
AIの使用が増えることで、「仕事」や「健康」が「良くなる(非常に/やや)」と回答した日本人は仕事19%、健康16%でした。この結果は、ともに31カ国中最下位ですが、前述までのAIへの期待感や変化の可能性を鑑みると、「良い変化が期待できない」というよりもAIがどのように自身の生活に影響するのかを具体的にイメージが出来ていない状態なのではと推測されます。
今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田は以下のように述べています。
「現在、AI(人工知能)の急速な進化と普及に伴い、世界各国でAI規制に関する議論が活発化しています。特に、欧州連合(EU)が世界初の包括的なAI規制法案を採択し、アメリカでも大統領令による規制を検討するなど、AI規制への取り組みが広がっています。日本は、有識者でつくる「AI戦略会議」を5月より実施、主要7カ国(G7)が年内にまとめるAIの国際ルールに向けた日本提案を取りまとめています。
今回の調査では、日本人のAIへの期待感が明らかになる一方でAIが個々の生活や社会におよぼす具体的な影響までは、まだイメージできていないこともわかりました。AI技術は医療や交通、製造業など多岐にわたる領域で利用が進んでいますが、その具体的な利点やリスクについての情報がまだまだ不足している状況であろうことが考えられます。今後も継続的に調査を行い、現在の漠然としたワクワク感が、どのように変化していくのかをまたお知らせします。」
調査概要
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム、IndiaBusプラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象:世界31カ国 22,816人 (インドの18歳以上、カナダ、アイルランド、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシア、シンガポールの21~74歳、その他20カ国の16~74歳)
調査実施日:2023年5月26日~6月9日
調査機関:イプソス