グローバル消費者信頼感、2020年3月以来の高水準に

雇用指数は6か月連続で改善

2021年6月16日、ワシントンDC —イプソスのグローバル消費者信頼感指数(Global Consumer Confidence Index)は、先月から1ポイント上昇し、47.3となりました。また、1.1ポイント上昇した期待指数は、2018年後半以来の高水準となっています。
グローバル消費者信頼感指数は、世界24市場の国別指数の平均値です。これは、イプソスのグローバルアドバイザー調査オンラインプラットフォーム上で実施する、75歳未満の17,500人以上を対象とした毎月の調査に基づいています。今回は2021年5月21日~6月4日に実施されました。
調査対象となった24カ国のうち、スペイン(+3.6)、ポーランド(+3.4)、イタリア(+3.2)、ドイツ(+2.5)、イスラエル(+2.4)、米国(+2.2)、フランス(+1.9)、スウェーデン(+1.5)の8カ国の国別指数が先月に比べて大幅に上昇しました。また、インド(-1.8)とトルコ(-1.5)の2カ国のみ、5月に引き続き大幅な下降となりました。

国別指数(National Index) のトレンド

グローバル消費者信頼感指数は前月比1.0ポイントの上昇で、47.3となりました。上昇は7ヵ月連続で、2020年11月から5.3ポイント上昇しました。

  • 今月、国別指数が50ポイントを超えた国は10か国: 中国(72.8)、サウジアラビア(65.7)、米国(61.7)、スウェーデン(58.8)、オーストラリア(56.7)、英国(55.2)、ドイツ(54.9)、インド(51.2)、カナダ(51.1)、イスラエル(50.2)。
  • 国別指数が35ポイントを下回っているのは、トルコ(28.5)とアルゼンチン(33.9)の2カ国のみ。
  • スペイン(+3.6)、ポーランド(+3.4)、イタリア(+3.2)はいずれも先月より大幅に上昇したが、平均値の47.3を4ポイント以上下回っている。
  • グローバル消費者信頼感指数は、パンデミック前の2020年1月の水準に1.3ポイント及ばない。しかし、24カ国のうち13カ国は、それ以降に発生した国別指数の下降分をすべて取り戻した。

 

期待指数、雇用指数、投資指数のトレンド

調査対象国全体では、期待、雇用、投資の各指数がいずれも前月比で0.5ポイント以上の大幅な上昇を示し、4ヵ月連続で上昇しました。3つの指数すべてにおいて、1.5ポイント以上の大幅な上昇が見られたのは、ポーランド、イタリア、スペイン、ドイツの4カ国です。また、いずれかの指数で大幅に低下した国はありませんでした。

  • 雇用指数は、2021年5月から1.1ポイント上昇し、53.2。今月は、2020年3月(57.0)以来の高水準を記録したが、2020年1月の数値を3.3ポイント下回ってる。イスラエル、スペイン、イタリアが大きく上昇した一方で、インドは前月比で大幅に低下した唯一の市場となっている。
  • 投資指数は41.3となり、前月に引き続き大幅に上昇した。前月比で0.8ポイント上昇したが、2020年1月の数値を1.1ポイント下回っている。スペイン、イタリア、ポーランド、ドイツ、スウェーデンでは、前月比で大きな上昇が見られる。雇用指数と同様に、2021年5月と比較して大幅な減少を記録した市場はインドのみ。
  • 期待指数は58.1で、唯一、2020年1月の水準(+1.2)を上回っている。2021年5月から1.1ポイントの大幅な上昇を示し、24カ国中9カ国が同様に大幅な上昇を示している。ポーランド、フランス、イタリア、スペインでは、前月比で2.5ポイント以上の上昇が記録されている。トルコだけは先月に比べて大幅に低下しており、アルゼンチン、トルコ、日本、ブラジル、南アフリカ、インドの6カ国は2020年1月の数値を大幅に下回っている。
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イプソスのインタラクティブポータル Consolidated Economic Indicators では、グローバル消費者信頼感インデックスとサブインデックスに関するグラフ比較、トレンドデータ、それらのベースとなる質問をご参照いただけます。
 
これらの調査結果は Refinitiv/Ipsos’ Primary Consumer Sentiment Index (PCSI) のデータに基づくものです。調査は毎月、イプソス・グローバルアドバイザーのオンライン調査プラットフォームを使用して世界24市場の17,500人以上(アメリカ、カナダ、イスラエル、トルコ、南アフリカでは18~74歳、その他では16~74歳)を対象に実施されています。毎月のサンプルサイズは、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国(本土)、フランス、ドイツ、イタリア、日本、スペイン、イギリス、アメリカでは各国1000人以上、アルゼンチン、ベルギー、ハンガリー、インド、イスラエル、メキシコ、ポーランド、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、韓国、スウェーデン、トルコでは各国500人以上です。
各月に収集されたデータは、各国のサンプル構成が、その国の最新の国勢調査データに基づく成人人口の属性を最もよく反映するように加重されています。また、毎月収集されたデータは、グローバルサンプル総数の中で各国が等しくなるように加重されています。アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、英国、ハンガリー、イタリア、日本、ポーランド、韓国、スペイン、スウェーデン、米国のオンライン調査は、一般的な労働年齢人口を代表するものと考えられます。ブラジル、中国本土、インド、イスラエル、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコのオンラインサンプルは、一般人口に比べて都市部、高学歴、富裕層が多く、結果はより「コネクティッド」な人々の意見を反映していると捉えるべきです。
サンプル調査や世論調査には、カバレッジ・エラーや測定エラーなど、その他のエラー要因が含まれる場合があります。Refinitiv/イプソスのオンライン調査の精度は、ベイズ信頼区間を用いて測定されます。ここでは、3ヶ月間のサンプル数が3,000人以上の国では±2.0ポイント、3ヶ月間のサンプル数が1,500人以上の国では±2.9ポイントの信頼性間隔を持つ世論調査となっています。
この調査結果の公表は、現地の規則や規制に従います。
Refinitiv/IpsosのPrimary Consumer Sentiment Indexで毎月報告される結果は、その月のデータのみに基づいており(したがって、各国のベースは500以上または1,000以上)、他の月の結果との比較が行われますが、これらはそれぞれ1ヶ月のデータに基づいています。一方、IpsosのGlobal Consumer Confidence at-a-Glanceで任意の月に報告された結果は、その月だけでなく前々月に収集されたデータに基づいており、過去3ヶ月間の「ローリングアベレージ」で構成されています。この手法により、各指標のサンプルサイズを3倍にすることができます。したがって、どの国においても、ベースとなるサンプル数は1,500以上から3,000以上となります。しかし、ある月に報告された調査結果の新鮮さを高めるため、同月のデータには45%、前月のデータには35%、さらにその前月のデータには20%の加重をしています。
Refinitiv/Ipsos Primary Consumer Sentiment Index (PCSI)は、2010年から継続している、地域経済の現状と将来、個人の財務状況、貯蓄、大規模な投資を行う信頼感などについての消費者の意識を調査する月次調査です。PCSIの指標は、調査対象の24カ国について、以下の11の質問すべてに基づく「主要指数」と、これら11の質問のサブセットに基づくいくつかのサブ指数で構成されています。これらのサブ指数には、「期待指数」、「投資指数」、「雇用指数」が含まれます。

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