グローバル消費者信頼感、50.4に
6月のグローバル消費者信頼感インデックス(Global Consumer Confidence Index)は50.4を記録、3か月でわずか0.1ポイントの減少となり、世界各国の貿易政策に不安が広がっているにもかかわらず安定傾向を示しています。自国の経済状況について大幅に信頼感が増加したのはサウジアラビア(+5.3で57.9)、イタリア(+2.3で40.9)、韓国(+2.0で47.7)、イスラエル(+1.5 で55.1)です(各国1.5ポイント以上の増加)。これら4カ国の増加を打ち消した形となったのは、5カ国での減少です。トルコは調査対象国の中で信頼感が最低(37.9)となり、最大の減少幅(4.2ポイント減)を記録しています。南アフリカ(-3.8で43.1)、アルゼンチン(-3.3で42.5)、スウェーデン(-2.9で61)、フランス(-2.4で43.3)でもが見られます。しかしスウェーデンは指数のトップ4カ国に引き続きとどまっています。トップは中国(72.1)、次いでインド(64.1)、アメリカ(61.9)が続きます。日本では0.2ポイント増加し45.2でした。
ジョブインデックスは、これまでの3ヶ月で0.8ポイント増加し、58.5を記録しています。カナダ(+4.3で68.6)、ハンガリー(+3.6で59.4)、サウジアラビア(+3.2で52.3)、イスラエル(+2.7で66.9)、イタリア(+2.4で51・7)、スペイン(+1.9で49.6)、ロシア(+1.6で48.4)ではかなり増加し、指数全体を押し上げています。一方、トルコ(-3.2で43.6)とアルゼンチン(-2.3で46.8)の2カ国はかなり低い指数となっています。トルコはこれまでの3ヶ月で最大の減少幅であるだけでなく、指数自体も調査対象24か国の中でブラジル(34.7)に次いで下から2番目となっています。ジョブインデックスのトップ3カ国は、引き続きスウェーデン(72.5)、中国(72.4)、アメリカ(71.5)が占めています。日本では1.3ポイント上昇し、67.7となりました。
グローバル投資インデックスについては、3ヶ月で0.5ポイント減少し43.8となっています。投資においての信頼感がもっとも高いのは相変わらず中国(69.8)、インド(66.0)です。アメリカ(56.0)は1.1ポイント減少し、サウジアラビア(57.7)に第3位の座を明け渡しました。サウジアラビアは8ポイントと大幅に増加し、調査対象国の中で最大の増加幅となっています。増加幅が大きい国は韓国(+3.2で38.2)、ロシア(+2.2で35.5)、イタリア(+2.1で31.0)です。投資に対する信頼感が最も低い国は日本(29.6)、イタリア(31.0)、トルコ(31.5)、フランス(32.1)、ハンガリー(34.8)です。また、減少幅が大きい国はスウェーデン(-6.3で54.9)、トルコ(-5.4)、フランス(-4.5)です。
また、期待インデックスでも減少が見られ、0.4ポイント減少し59.2となっています。中国(73.5)だけが70を超え、トルコ(46.9)だけが50を下回る指数を示しています。サウジアラビア(+3.6で63.3)、スペイン(+2.4で55.7)、メキシコ(+2.3で59.8)が3ヶ月でもっとも信頼感が増加した国です。南アフリカは8ポイントもの減少で55.3となりました。アルゼンチン(-2.9で56.8)とトルコ(-2.6で46.9)が大幅な減少を見せています。
次の消費者信頼感スナップショットは注目です。アメリカの新たな関税の導入や貿易相手国からの報復措置により貿易戦争の懸念が広がり、世界経済が不安定な状況になりかねません。イプソスではこれらが世界の消費者信頼感にどのように影響を与えるかを注意深く観察していきます。