2022年7月ー28カ国の10人に4人が、今後1年間で可処分所得が減少すると予想

最新の調査では、多くの国で生活費の圧迫が続くと予想されていることがわかりました。

主な調査結果

  • 世界の各国平均平均では、40%が1年間で可処分所得が減少すると回答し、25%が増加すると予想
  • 28カ国の国民の4分の3が、今後6カ月間の商品・サービス価格の上昇を懸念している
  • 生活費の上昇に対する人々の反応は、贅沢品への支出削減と高額商品の購入決断の先送りに集中している
  • 物価上昇の最大の要因は世界経済の状況であり、次いでロシアによるウクライナ侵攻の影響、各国政府の政策が挙げられる

グローバルの平均で40%が、今後1年間に可処分所得が減少すると回答しています。これは、可処分所得が「変わらない」(31%)または「増える」(22%)と予想する割合より大きくなっています

所得が減少するとの見方は、トルコ(58%)、フランス(55%)、英国(54%)、ハンガリー(50%)で最も高く、少なくとも半数がそうなると考えています。一方、可処分所得の増加を最も楽観視しているのは、インド(48%)、サウジアラビア(42%)、南アフリカ(40%)ですが、これら3カ国はいずれも回答者がより豊かな社会層を反映していることが分かります。 

また、中南米諸国に住む人々は、より生活費に困窮していると回答する傾向があることもわかりました。28カ国のうち、10人に3人が経済的に困難だと回答し(29%)、同じ割合の人がなんとかやっていけると回答しています(30%)。アルゼンチンの人々は最も苦労しているようで、3分の2(66%)が生活するのが困難だと感じています。トルコの人々は64%と僅差ですが、残りの上位5カ国も中南米諸国の国々で、チリの51%、ブラジルの49%、ペルーの48%が経済的に困難であると報告しています。

一方、「快適な生活をしている」と感じているのは10人に1人で、中国人では28%、スウェーデン人では27%に上ります。

グローバルでは、4分の3の国民が今後6ヶ月の間に商品やサービスの価格が上昇することを懸念しています(77%)。ハンガリー人では91%、南アフリカ人は88%、アルゼンチン人は86%に上ります。最も懸念が少ない中国でも、45%が今後半年間の懸念事項であると回答しています

その他、社会的に大きな関心を集めている分野は以下のとおりです:

  • 56%が光熱費の支払いができるかどうか懸念している。新興国では、南アフリカ人の79%、インド人の73%がこれを懸念事項として捉えていると答え、トルコ(71%)、アルゼンチン(70%)とチリ(69%)がそれに続く。先進国では、光熱費に対する懸念が最も高いのは英国で、67%が光熱費の支払いについて懸念している。
  • 買い慣れたものが買えなくなることを懸念する人は54%で、トルコ(80%)、南アフリカ(73%)、アルゼンチン(69%)が上位を占めた。懸念していると答えた人が最も少ないのは、中国人(28%)とオランダ人(33%)である。

今後6ヶ月間、さらに物価が上昇するとの見方が広がっています。

  • ハンガリー人の92%、スウェーデン人の89%、トルコ人の88%など、4分の3が食費の上昇を予想している(76%)。4分の3弱は、他の買い物の価格も上がると予想している(72%)。
  • ガス代や電気代も同様の割合で上昇すると予想されている(73%)。最も多かったのはトルコ人で87%、次いでアルゼンチン人(86%)、ポーランド人(86%)だった。イギリス人は、ガスと電気の価格が大幅に上昇すると思うと答えた人がどの国よりも多く、65%が今後6ヶ月の間に「かなり」高くなると予想している。
  • 10人に7人(71%)が車の燃料費の上昇を予想している。特に、チリや韓国では値上げの可能性が高いと見られている。しかし、燃料費の上昇を予想すると答えた割合が最も高かったのは、トルコ(84%)、アルゼンチン(83%)、ポーランド(81%)であった。

物価上昇に対する人々の予想は、特に影響の大きい分野で最も高くなっています。10人に6人が「食料品の値上げが生活の質に最も悪い影響を与える」と答え、次いで「光熱費」についても51%が同じことを答え、「燃料価格の上昇が最も大きな影響を与える」と答えた人は42%でした。

消費者はどのような反応を示すか?

消費者の潜在的な行動は、依然として裁量的支出の削減に集中しています。物価の上昇によって通常のライフスタイルが成り立たなくなった場合、ほぼ半数が交際費を減らすと答え(46%)、同じ割合で高額な買い物の決断を遅らせるとも答えています(44%)。3分の1以上の人が、休日や家庭での買い物に費やすお金を減らすと答えています(37%、36%)。

10人に3人が、物価上昇に直面したら、エネルギー消費を減らすか、燃料節約のために車の運転を減らすと答えています(いずれも29%)。ただし、イギリスでは半数がエネルギー消費の削減を目指すと回答しています。4分の1は食費を節約しようと考え(26%)、より安い住居への引っ越しを検討すると答えたのは10人に1人だけでした。

雇用形態の変更もあまり見られません。28カ国のうち、物価の上昇で通常の生活ができなくなった場合、新しい会社でより高い報酬の雇用を探すと答えた人はわずか12%でした。このような状況で、昇給を要求すると答えた人はさらに少なく、8%でした。これらの意見は就労者だけをみても同様で、就労者では12%が昇給を求め、18%がより高い報酬の雇用を探すと答えています。

何がインフレを引き起こしているのか?

昨今の物価上昇の要因は、外部にあると考える人が最も多いようです。世界各国の平均では、世界経済の状況が最大の要因であり(76%)、次いでロシアによるウクライナ侵攻の影響(72%)とされています。自国政府の政策は70%で3位となっていますが、アルゼンチン、コロンビア、インドネシア、ポーランドでは、最大の要因となっています。

欧州諸国では、ロシアのウクライナ侵攻をインフレの要因と見る傾向が強いようです。ベルギー、ドイツ、デンマーク、フランス、ハンガリー、オランダ、スウェーデンでは最大の要因として位置づけられています。また、韓国においても、物価上昇の最大の要因として挙げられています

新型コロナウイルスは、主にアジア諸国において最も大きな要因として位置づけられています。中国、マレーシア、サウジアラビアに住む人々は、ブラジルに住む人々と同様に、生活費の上昇に大いに、あるいは相当程度影響していると考えており、他の要因よりも重視しています。

トルコでは、移民が物価上昇の最大の要因であり、次いで金利や政府の政策が物価上昇の要因であると考えられています。

イプソスのCEOであるBen Pageは、次のように述べています。

「インフレは世界的に最大の懸念事項であり、世界の人々は事態が悪化することを予想しています。トルコや中南米諸国など、最近高いインフレに見舞われた国々が最も悲観的である一方、ヨーロッパ諸国や米国もそれほど大きな差はありません。

今のところ、消費者の反応はまだ裁量支出の削減と大きな買い物の延期に集中しており、人々が食料と燃料に重点を置くため、あらゆる分野で苦しんでいることがイプソスの他の調査から分かっています。昇給を要求したり、新しい会社でより高い報酬の雇用を求める人の割合はまだ比較的低いですが、もしインフレが2年以上続くようであれば、この状況は変わると思われます」。


本調査について

これらは、2022年5月26日から6月10日にかけて実施されたイプソスのオンライン調査の結果です。

調査は、アルゼンチン、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、デンマーク、フランス、ドイツ、英国、インド、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、オランダ、ペルー、ポーランド、南アフリカ、韓国、サウジアラビア、スペイン、スウェーデン、トルコ、米国の世界28カ国で、イプソスオンラインパネルシステムを通じて実施されました。

調査結果は、世界の21,515人(カナダ、トルコ、米国では18歳-74歳、その他では16-74歳の成人)のサンプルから構成されています。各国約500-1,000人がイプソスオンラインパネルを通じて参加しました。

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