2021年の世界を予測する

ここしばらくので最悪の年と評価されていた2020年が終わり、世界中の人々が自国、家族、そして自分自身のために2021年を待ち望んでいることが、イプソスが世界31カ国で実施したグローバルアドバイザー調査でわかりました。しかし、新型コロナウイルスの長期的な影響に対する懸念が広がっており、地球温暖化、経済、人々の寛容性など対する懸念は消えていません。

新型コロナウイルス:ワクチンには期待、しかし長期的な影響を予測する

調査対象となった世界31カ国では、成功したワクチンが2021年には自国で広く利用できるようになるだろうと楽観的に見ています。世界の60%の人が、こうなりそうだと回答しています。ポーランド (44%) では見通しが最も厳しく、次いでスペイン (45%) となっています。最も楽観的なのは中国 (89%) で、10人に9人がワクチンが広く普及すると考えており、マレーシア、インド、サウジアラビアが続きます。

しかし、世界の調査対象者のほぼ半数 (47%) が、新しいウイルスによって世界的に新たなパンデミックが起こると考えており、マレーシア (70%) と韓国 (69%) では最も厳しい見方をしています。

さらに、コロナの世界的流行の影響の後、自国の生活が元の日常に戻る可能性が高いと回答したのは全体の41%のみでした。また、経済が完全に回復すると考えているのは32%にとどまりました。コロナの世界的流行によって世界が良い方に変わると信じているのは30%だけです。インド (62%) とサウジアラビア (58%) が、この点で最も期待しています。フランスでは9%しか楽観的ではありません。

世界の調査対象者の61% は、今から一年後にも公共の場でマスクを着用しなければならないと考えており、そう考えている人の割合が過半数を下回ったのはスウェーデン (18%) 、ニュージーランド (30%) など5カ国のみです。

経済:所得格差の拡大、性別による賃金格差への疑念。オンラインショッピングは今後も続くとの見方

世界の調査対象者の66%が、自国の所得格差が2021年にはさらに拡大すると予想しており、トルコ (85%) とイスラエル (84%) では、このように答えた対象者の割合が最も高くなっています。

40%は世界の主要株式市場が暴落すると予想しており、これは2016年、2017年時の予想と近似しています。マレーシアでは73%がこう予想しています。反対に、中国では22%、ハンガリーでは26%しかこのように予想していません。

同じ仕事に対して女性が男性と同じ賃金を得られる可能性は低いと回答したのは、世界の対象者の51%です。これは2019年、2018年の予想とほぼ同様です。女性 (35%) は男性 (45%) よりもさらに厳しい見方をしています。

多くの調査対象者が、店舗でのショッピングよりもオンラインショッピングにより多くのお金を費やすと予想しており、全体では57%がそうするだろうと回答し、国別にみるとトルコで84%、中国と韓国で79%に上ります。それはなりそうにないと過半数が考えているのは、フランス (56%) だけです。

社会と文化:多くの人は他人への寛容や平等な扱いに改善がないと予測。孤独を懸念しているのは10人中3人

世界の調査対象者の29%が、自国の人々がお互いにより寛容になると予想しているのは世界の調査対象者の29%のみで、61%が来年はそうはならないだろうと回答しています。そうはならないだろうという予想はヨーロッパの人々でより顕著で、オランダで77%、ベルギーで80%、フランスで81%に上ります。

自国の警察が人々の違いに関係なく平等に扱うと信じている人は、世界全体ではわずか33%です。

ほぼ半数 (46%) が、地元で新しい友達を作るだろうと回答しており、中国では84%に上ります。一方、日本では同様に回答しているのはわずか15%です。過半数(59%)の人々は孤独を感じるだろうという予想はしていませんが、31% は心配しています。しかし、パンデミックが起こった2020年には、それ以前と比べて状況が悪化したという兆候はほとんどありません。

34%は、自国の大都市に住む人の数が減少すると予想していますが、52%は減少する可能性は低いと考えています。

テクノロジー:ロボット工学とクローン技術の大幅な進歩を予測するのは少数派

世界の調査対象者全体の36%が、来年はロボットが人間のように見え、人間のように考え、話すようになるだろうと回答しており、52%が、その可能性は低いと回答しています。

58%が、一部の国であってもヒト・クローニングが合法化されそうにないと予想しているのは58%です。トルコでは47%がその可能性が高いと回答していますが、反対にカナダとイスラエルでは9%のみです。

また、調査対象者の34%は、自分のオンラインアカウントが2021年にハッキングされる可能性が高いと考えており、45%がその可能性は低いと回答しています。トルコでは50%その可能性が高いと考えており、イスラエルとマレーシアでも47%になります。

地球規模の脅威:地球温暖化への懸念は続くが、エイリアンや小惑星、幽霊の発見を予想する人はほとんどいない

世界調査対象者の大多数 (前年とほぼ変わらず75%) は、2021年の世界の平均気温は上昇すると予想しています。調査対象となったすべての国で、サウジアラビアの59%からトルコの89%まで、そのように回答したのは過半数を超えています。

10人中6人が来年小惑星が地球に衝突する可能性は低いと考えています。スウェーデンやイギリスの人々は、75%がそれはあり得ないと回答しています。全体的に見て、人類全体について心配している人は比較的少なく、2021年に人類が絶滅すると懸念しているのはおよそ16%に止まりました。

幽霊が発見されると予想している人はほとんどいません。2021年に幽霊が本当に存在することを発見すると考えている人は世界中でわずか16%です。地球外生命体の存在を証明できると考えている人はさらに少なく、エイリアンが来年地球を訪れる可能性があると考えている人はわずか12%です。

2021年の見通し:2020年は最悪の年と見られている。2021年は良くなるとの楽観的な見方が強い

90%が「2020年は自国にとって悪い年だった」と回答、昨年の65%から大幅に上昇しました。70%が「2020年は自分や家族にとって悪い年だった」と回答、2019年から20ポイント上昇し、2012年にこの調査が始まって以来、最悪の数字となりました。

どの国でも明らかに調査対象者の大多数が2020年は自国にとって悪い年だと考えていますが、その中でも割合が低いのはサウジアラビア (74%) と中国 (79%) です。どの国でもこの見方は昨年よりも上昇していますが、特にアメリカ(45ポイント高の94%)、カナダ(39ポイント高の93%)、オランダ(56ポイント高の93%)、シンガポール(42ポイント高の91%)、ドイツ(37ポイント高の83%)、中国(36ポイント高の79%)などの国々で目立ちます。

しかし、日本を除くすべての国で、過半数が「2021年は良くなる」と楽観的です。世界の調査対象者の77%がこう回答(例年とほぼ同様)し、中国では94%、ペルーでは92%に上ります。一方、日本で楽観的な見方をしているのは44%、フランスは53%に止まりました。

来年の世界経済のパフォーマンスについて、人々はそれほど熱心ではなく、2020年よりも強くなると考えているのは54%(過去数年間の予想と同様)です。フランス (69%) 、ベルギー (63%) 、スペイン、ポーランド、ドイツ(いずれも60%)など、欧州の国々はこの意見に同意しない割合が高くなっています。

世界の75%が自分や他人のために2021年に個人的な決意をすると回答しており、中国では97%、メキシコでは95%と、ほぼ全員がそうすると回答しています。

このイプソスの調査では、2020年10月23日~11月6日、シンガポールでは21~74歳、米国、カナダ、香港、イスラエル、ニュージーランド、マレーシア、南アフリカ、トルコでは18~74歳、その他22市場では16~74歳の23,007人を対象にアンケート調査を実施しました。

社会