気候変動に関する日本政府の情報提供「満足」 2割以下
【プレスリリース】世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社(日本オフィス所在地:東京都港区、代表取締役:内田俊一)は、世界31カ国24,220人を対象に、「気候変動に関する意識調査2023」を実施しました。
この調査は、11月30日から開催されるCOP28(国連気候変動枠組条約第28回締約国会議)に先駆け、人々が気候変動について今どのように感じているか、また気候変動がもたらす課題に対処するための行動についてどのように考えているかを明らかにし、次のアクションや問題点に繋げるために実施されました。
調査結果のサマリー
- 「気候変動の潜在的な影響について、政府はどの程度十分に情報を随時提供していると思いますか?」という設問に「十分である」と答えた日本人16%。31カ国中2番目に低い数字である。
⇒同設問に「十分である」と答えた世界各国平均は31%。 - 「自分の住む地域に気候変動がこれまでに与えた影響はどの程度深刻か」という設問に、「深刻である」と答えた日本人66%。31カ国中9番目に高い数字である。
⇒ 同設問に「深刻である」と答えた世界各国平均は57%。 - 「政府は気候変動対策にどの程度精力的に取り組んでいると思いますか?」という設問に、「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた日本人19%。31カ国中3番目に低い数字である。
⇒ 同設問に「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた世界各国平均は36%。 - 「国民は気候変動対策にどの程度精力的に貢献していると思いますか?」という設問に、「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた日本人17%。31カ国中3番目に低い数字である。
⇒ 同設問に「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた世界各国平均は34%。
調査結果
① 「気候変動の潜在的な影響について、政府はどの程度十分に、情報を随時提供していると思いますか?」という設問に「十分である」と答えた割合
「気候変動の潜在的な影響について、政府は十分に情報を提供していると思いますか?」という設問に「十分である」と答えた日本人は16%。ペルーと並んで31カ国中2番目に低い数字で、世界各国平均(31%)を大きく下回っています。
② 「自分の住む地域に気候変動がこれまでに与えた影響はどの程度深刻か」という設問に、「深刻である」と答えた割合
「自分の住む地域に気候変動がこれまでに与えた影響はどの程度深刻か」という設問に、「深刻である」と答えた日本人は66%。日本国民の約7割が、気候変動の影響について深刻に捉えています。これは31カ国中9番目に高い数字で、世界各国平均(57%)を上回っています。
③ 「政府は気候変動対策にどの程度精力的に取り組んでいると思いますか?」という設問に、「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた割合
「政府は気候変動対策にどの程度精力的に取り組んでいると思いますか?」という設問に、「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた日本人は、19%。31カ国中3番目に低い数字で、世界各国平均(36%)を大きく下回っています。
④ 「国民は気候変動対策にどの程度精力的に貢献していると思いますか?」という設問に、「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた割合
「国民は気候変動対策にどの程度精力的に貢献していると思いますか?」という設問に、「非常に精力的」「かなり精力的」と答えた日本人は、17%。31カ国中3番目に低い数字で、世界各国平均(34%)の1/2です。
今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一は以下のように述べています。
「日本は気候変動に関する意識や危機感は決して低くないものの、政府や国民の実際の取り組みが追いついていない事が明らかになりました。政府からの情報発信が十分でないために、具体的な行動に落とし込めずにいる可能性があります。
11月30日から開催されるCOP28では、世界全体の排出削減の進捗状況を点検する手続き『グローバル・ストックテイク』が初めて実施されます。日本も政府主導の、積極的な気候変動対策、情報提供活動(啓蒙)によって、より一層国際社会と連携していくことが求められるでしょう。」
調査概要
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象:世界31カ国 24,220人(インドの18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、イスラエル、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、
米国の18~74歳、タイの20~74歳、インドネシアとシンガポールの21~74歳、その他の国の16~74歳の成人)
実施日:2023年9月22日~10月6日
調査機関:イプソス