“自国は衰退している”と感じる日本人9年間で約1.8倍に、イプソス「ポピュリズムレポート2025」

31カ国調査で日本が3位、政治への期待感顕著に低下ー世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社(日本オフィス所在地:東京都港区、代表取締役:内田俊一)は、日本を含む世界31か国23,228人を対象にポピュリズムに関する調査を実施しました。

その結果、「自国は衰退している」と感じる日本人は70%に達し、2016年の調査開始時から約1.8倍に増加。調査対象31カ国中で3番目に高い数値となりました。さらに「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と感じている日本人は68%にのぼり、こちらも9年前と比較して約1.7倍となり、政治や社会に期待を持てない人が増加していることがわかりました。

グラフ1:イプソス「ポピュリズムレポート」

グラフ1

 

【 調査結果 】

  • 「自国は衰退している」と感じている日本人は9年前から30ポイント増加、世界31カ国中3番目に高い数値に(グラフ①)

「自国は衰退している」と感じている日本人は70%に達し、31カ国中で3番目に高い数値となりました。31カ国の平均(57%)を大きく上回り、イプソスが調査を開始した2016年当時の結果と比較すると30ポイント(約1.8倍)増加し、 日本人の自国に対する悲観的な見方が強まっていることが明らかになりました。

 

  • 「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と感じている日本人は、9年前と比べて約1.7 倍(グラフ②)

今回の調査で、「既存の政党や政治家は、私のような人間を気にかけていない」と感じている日本人の割合が、68%に達しました。2016年の調査時(39%)と比べて29ポイント増加し、9年間で約1.7倍になっています。特に2019年から2021年には48%から64%に上昇しており、コロナ禍を経て、その後、政治への期待感が回復していないことがわかります。

グラフ2:イプソス「ポピュリズムレポート2025」

グラフ2

 

  • 「自国の社会は崩壊している」と感じている日本人は、9年前から22%増加して53%に(グラフ③)

「自国の社会は崩壊している」と感じている日本人は53%と、2016年調査時の31%から22ポイント増加しています。この9年間で日本人の社会に対する不満が高まっていることがうかがえます。また、この22ポイントの増加は他国と比べて最も高い増加率となっています。

 

グラフ3:イプソス「ポピュリズムレポート2025」

グラフ3

 

今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長の内田俊一は以下のように述べています。

「本調査では、この9年間の間に、政治に期待ができず、日本の将来や社会に対する悲観的な見方や不満を持つ日本人が大幅に増えていっていることが明らかになりました。中でも日本は、そうした傾向が世界の主要国と比べても特に顕著だと言えます。政治や社会に対する不満が長年にわたり蓄積し、そういう国民の声に政治が応えられていないということの表れではないでしょうか。本調査は今後も継続的に実施していきます。どのような変化がみられるのかはまたお知らせしていきます」

 

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【調査背景】
 イプソスでは、ポピュリズムの台頭につながる問題について、世界の人々の考え方やその変化の動向を観測し理解するための調査を継続的に行っています。 

【 調査概要 】 
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査 
調査対象: 世界31か国23,228人 インドでは18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他の国では16~74歳 
実施日: 2025年2月21日(金)から3月7日(金) 
調査機関:イプソス

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