トランスジェンダーの施設利用はわずか2年で支持21ポイント減、イプソスLGBT+プライドレポートを公開

世界最大規模の世論調査会社イプソス株式会社(日本オフィス所在地:東京都港区、代表取締役:内田俊一)は、同性結婚からトランスジェンダーのアスリートまで、さまざまな問題について世界中の人々がどのように感じているかを追跡する世界26か国の調査であるイプソスLGBT+プライドレポート2025を公開しました。

調査レポートはこちらから

イプソスLGBT+プライドレポート2025

 

日本の意識に大きな変化、性自認に合った施設の利用は2年で21ポイントも低下

イプソスが2021年、2023年から2025年に実施した国際調査のデータをもとに、日本におけるLGBT+関連に対する支持率の変化を可視化しました。(グラフ1)
特に以下の3項目において14から21ポイント以上の大幅な減少が見られ、LGBT+に関する意見の分かれや社会的な理解の停滞が表れています。

  •  LGBTの権利と保護

    雇用や教育などにおける差別を法律で禁止することへの支持は、2021年から15ポイント減少。

  • 性自認に合った施設の利用 

    トランスジェンダーの人が自認する性別で施設(例:公共トイレ)を利用することへの支持は、2023年から21ポイント減少

  • 公文書における「その他性別」の選択肢

    政府発行の書類に「男性・女性」以外の選択肢を設けることへの支持2023年から14ポイント減少

グラフ1:日本におけるLGBT+に関する支持率の推移

 グラフ1

 

日本でのトランスジェンダー差別の認識は、世界26か国最下位 

「トランスジェンダーの人々が差別を受けている」と考える日本人は39%で、世界26か国中最も低く、「トランスジェンダーの人々がそれほど/まったく差別されていない」と考える日本人は33%で、世界26か国中最も高い結果となりました。(グラフ2)この結果から、トランスジェンダー差別の実態への認識が国際的にみても極めて希薄であることが明らかとなりました。 

グラフ2:トランスジェンダーはどの程度差別をうけているかの世界23か国調査

 グラフ2

今回の調査結果について、イプソス株式会社代表取締役社長内田俊一は以下のように述べています。
 「本調査から、多くの人々がLGBT+の方々への特定の権利に対する支持が弱まりつつある実態が浮き彫りになりました。現在のアメリカでは、トランプ政権のもとでDEI(多様性・公平性・包括性)に対する政策的な逆風が強まり、企業や個人の姿勢を問われる局面が続いています。こうした動きは、世界各国の世論や企業活動にも少なからず影響を与えています。 私たちは、時流に流されることなく、すべての人の人権と尊厳を尊重する姿勢を堅持し、社会全体がより包括的な方向に進むための対話のきっかけを提供し続けていきます」 
 

【調査背景】 イプソスでは定期的に、LGBT+の人々に関する世界の考え方について様々な側面から観測し、その変化の動向を理解するための調査を行っています。 

【 調査概要 】 
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 
調査対象: 世界26カ国19,028人 カナダ、アイルランド共和国、南アフリカ、トルコ、米国の18〜74歳、タイの20〜74歳、シンガポールの21〜74歳、その他の国では16〜74歳の成人 
実施日: 2025年4月25日(金)から5月9日(金) 
調査機関:イプソス

 

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