15カ国のほとんどでワクチン未接種の過半数が「できるなら接種したい」
2021年5月25日、ニューヨーク — 世界経済フォーラムと共同で15カ国の約1万人のコロナワクチン未接種の成人を対象に実施したイプソスの新しい調査によると、ワクチン接種をためらう傾向は、低所得者や低学歴者、若い世代や女性に多いことがわかりました。また、2カ国を除くすべての国で過半数の調査対象者が、コロナワクチンの接種が可能になれば接種するという意向を持っています。しかし、今回の調査では、成人の約半数がすでに1回以上の接種を受けている米国や英国だけでなく、オーストラリアや韓国などの接種があまり進んでいない国でも、2月以降、接種意向が低下していることがわかりました。
この調査は、2021年4月22日~25日、75歳以下のワクチンを接種していない9,890人を対象に、イプソスGlobal Advisorオンラインプラットフォームで実施されました。
ワクチン未接種者の接種意向 (国別)
新型コロナウイルスのワクチン接種をまだ受けていない調査対象者では、調査対象15カ国中13カ国において、ワクチン接種を受けることに「強く同意」「やや同意」すると回答した人が過半数を占めています。まだ受けていない人のワクチン接種意向は、
- ブラジル(93%)、メキシコ(88%)、スペイン(83%)、中国(81%)で非常に高い
- イタリア(79%)、カナダ(78%)、日本(73%)、韓国(72%)、ドイツ(71%)ではかなり高い
- オーストラリア(66%)、南アフリカ(62%)、フランス(58%)では中庸
- 米国(46%)、ロシア(41%)では低い
ワクチン接種を受けることに「強く同意」「やや同意」と回答した未接種の調査対象者の割合は、15カ国中8カ国では2月以降大きな変化はありませんでしたが、メキシコ(+8)とブラジル(+4)では3ポイント以上増加し、米国(-19)、オーストラリア(-12)、英国(-10)、韓国(-8)、イタリア(-6)では3ポイント以上減少しました。
また、オックスフォード大学のデータによると、調査時点で少なくとも1回のワクチン接種を受けていた人の割合は、英国で約50%、米国で41%、カナダで29%、ドイツで23%、スペインで22%、フランスとイタリアで21%、ブラジルで13%、メキシコで9%、ロシアで8%、韓国で4%、日本とオーストラリアで1%、南アフリカでは1%未満でした。

ワクチン接種を躊躇する人とは
調査対象となった15カ国の平均では、29%が「コロナワクチンの接種が可能になったら接種する」に「同意しない」と回答しました。同意しない割合が高かったのは、以下のようなプロフィールの層です。
- 世帯年収が低い層(7ポイントの差)
- 教育水準が低い層(4ポイントの差)
- 16〜23歳のZ世代(3ポイントの差)と24〜38歳のミレニアル世代(2ポイントの差)
- 女性(2ポイントの差)
以下の層の人々は、様々な国で「同意しない」と回答した割合が有意に高くなっています。
- フランス(17ポイント)、イギリス(10ポイント)、オーストラリア・イタリア(9ポイント)、ドイツ(8ポイント)、ブラジル(7ポイント)、カナダ・スペイン(4ポイント)の低所得者層と、韓国・カナダ(4ポイント)の中所得者層
- イギリス(15ポイント)、ブラジルとドイツ(10ポイント)、オーストラリアとカナダ(7ポイント)、日本(5ポイント)の教育水準の低い層、フランスと韓国(6ポイント)、オーストラリア(5ポイント)の教育水準中程度層
- Z世代は日本(15ポイント)、韓国(14ポイント)、オーストラリア(11ポイント)、ドイツ(10ポイント)、スペイン(8ポイント)、英国(6ポイント)で、ミレニアル世代は日本(12ポイント)、韓国(11ポイント)、ドイツ(9ポイント)、オーストラリア、フランス(8ポイント)
- 一方、X世代(39歳~55歳)は中国と米国で6ポイント、ベビーブーマー世代(55歳から74歳)は米国でのみ6ポイントの差
- 女性は、オーストラリア、アメリカ(両国ともに7ポイント平均を上回る)、フランス、南アフリカ(6ポイント)、そしてメキシコ、ロシア、韓国(4ポイント)
